2014年11月9日日曜日

ついに公開されたロッシ氏のE-Catの米国特許

ロッシ氏のE-Catの方式を記したと思われる米国特許が公開されたのが見つかって、ウォッチャーは盛り上がってます。

公開された特許は ここ で参照できます。またPDFファイルは、 ここ で参照できます。
名称は「DEVICES AND METHODS FOR HEAT GENERATION」です。冒頭部分を引用します。Industrial Heat社が出願者になっています(赤字)が、これについては更に新しい発見があります(後述)。
United States Patent Application 20140326711 
Kind Code A1 
Rossi; Andrea November 6, 2014 
DEVICES AND METHODS FOR HEAT GENERATION  
Abstract
A reactor device includes a sealed vessel defining an interior, a fuel material within the interior of the vessel, and a heating element proximal the vessel. The fuel material may be a solid including nickel and hydrogen. The sealed vessel may be sealed against gas ingress or egress and may contain no more than a trace amount of gaseous hydrogen. The sealed vessel is heated with an input amount of energy without ingress or egress of material into or out of the sealed vessel. An output amount of thermal energy exceeding the input amount of energy is received from the sealed vessel. The fuel material has a specific energy greater than that of any chemical reaction based energy source. 
Inventors: Rossi; Andrea; (Miami Beach, FL) 
Applicant: Industrial Heat, Inc. Raleigh NC US   
Assignee: LEONARDO CORPORATION Miami Beach FL 
Family ID: 1000000535808 
Appl. No.: 14/262740
Filed: April 26, 2014
特許の中には、昨年の第三者検証の時と同じように見える写真が載っています。

また、以下のような構造図も載っています。この特許の出願時には三相交流を使っていたようです。


この特許の中には、COPが11.07だという記述があります。素晴らしい効率です。
[0221] The following was taken into account:
Ea=140.70 kWh=140700 Wh
COP=(117426+1440113)/140700=1557539=11.07 
まだ公開されていない以下の特許が関連特許として挙げられています。
61818553 May 2, 2013
61819058 May 3, 2013
61821914 May 10, 2013 
E-Catの特許が公開され始めた事によって、常温核融合の実用化競争は新たな局面に入るかもしれません。常温核融合装置へ適用できる新たな機器の特許を取得したり、E-Catの追試を行った上で、E-Catの特許に抵触しない新たな方式を考える人が出てきたり、様々な動きが加速すると思われます。面白くなってきました。

最後に、多くのウォッチャーがこの特許を記事にしていますので、ご紹介しておきます。

E-Cat Worldの記事
A New Patent Application Published for Andrea Rossi’s E-Cat
http://www.e-catworld.com/2014/11/06/andrea-rossis-new-patent-application-published-for/

Facebookのグループ
Cold Fusion, LENR and Andrea Rossi
https://www.facebook.com/groups/ECat.LENR/permalink/1016691335013437/

メーリングリスト
[Vo]:New Rossi Patent Appln..publishes Today
https://www.mail-archive.com/vortex-l@eskimo.com/msg99591.html

E-Catの追試に乗り出しているMFMPの投稿
The HOTCAT Patent application is published... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/861995693831131

Notes on patent application: []=Project Dog... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862010367162997

COP of 11.07 claimed in effectively a mass flow... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862046710492696

Key takeaways from Patent application... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862055713825129

ちなみに、プロジェクト名の「Project Dog Bone」は、先日の第三者検証で用いられたE-Catの形状が犬の(咥えている)骨に似ている所から来ています(笑)。

以上

2014年11月3日月曜日

ナノ銀によるピッチブレンドの放射線低減実験

ナノ銀による放射線低減実験に興味を持っている私の友人が、たいへん興味深い実験結果を送ってくれました。

ピッチブレンド(pitchblende、瀝青ウラン鉱)と呼ばれる鉱石があります。ピッチブレンドは、ウラニウムやウラニウムの崩壊によって生成されたラジウムなどの放射性物質を含んでおり、強い放射線を放っています。今回の実験では、このピッチブレンドをナノ銀コラーゲン溶液の中に漬け込んで(いわゆるドブ漬け)放射線の低減を観測しています。私と同じく、実験を行った友人はただの素人で、研究者ではありません。実験の組み立て方や測定に不十分な点があるかもしれませんが、ドブ漬けにしたピッチブレンドの放射線を測るという(根気のいる)単純な実験なので、それなりに実験の信頼性はあると考えています。

U8容器の中にピッチブレンドの塊をナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)でドブ漬けにした状態の写真と使用した放射線測定器(Inspector+)の写真を以下に示します(2014年1月2日撮影)。

写真1:2014年1月2日(ナノ銀ドブ漬けの測定開始日)の測定状況

具体的な実験の様子と測定値を以下にまとめます。
  • 測定器: Inspector+、β線とγ線の双方を計測します。
  • 測定値: CPS(Count per Second)、秒当たりの放射線検出カウント数です。
  • 測定対象とするピッチブレンドの重量は、29.75グラムです(写真3)。【2014-11-09追記】
  • ピッチブレンドは、U8容器の中に市販の瞬間接着剤で固定してあります。このU8容器にナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)を満たし、Inspector+を下に置いた状態で、その上にU8容器を載せてCPS値を計測します。
  • 測定位置を一定とするため、油性マジックでU8容器底面に黒印、Inspector+側に赤印を付け、測定時には2つの線「黒印」「赤印」が重なる状態で測定を行っています(写真4)。【2014-11-09追記】
  • 測定時にはできるだけ3回測定を繰り返すようにしましたが、時には1回だけのこともあります。
  • ナノ銀コラーゲン溶液で計測する前に、水を満たして計測した結果を最初の行に示してあります(2014年1月1日、平均66.26 CPS)。1月2日以降の測定はすべてナノ銀コラーゲン溶液にドブ漬けしたものの結果です。

測定結果: 

以下が放射線量をグラフにしたものです。


測定値のリストは ここ に載せました。

2014年1月2日に測定を開始した時点で3回測定の平均が64.50 CPS、その後も2月上旬くらいまでは同じような計測値が続いています。ところが、3月12日の測定で54.21 CPSに値がガクッと下がりました。その後も若干上下していますが、10月23日の測定でも53.95 CPSと値は下がったままです。元の値からすると84%になっており、16%もの低減が観測されたことになります。

写真2: 2014年10月5日の測定状況

写真3:ピッチブレンドの重量測定

写真4:黒印と赤印を合わせて測定している様子

考察: 

これまで、ナノ銀による放射線低減効果は、セシウムとカリウムについて観測されてきました。
今回、別の実験者によって、ピッチブレンドに対しても放射線低減効果がありそうな結果が示された事になります。ナノ銀がピッチブレンドに対してどのように作用しているのか、特に表面より下の層に対してどのように作用しているのかは未解明ですが非常に興味を惹かれます。
もし、ピッチブレンドに含まれるウラニウムやラジウムに対しても放射線低減効果が発揮されるなら、世界や日本でも厄介モノとなっている放射性廃棄物の処理に大きな光明となるかもしれません。これを見ておられる研究者の方々にも是非追試をお願いしたいと思います。

参考: ピッチブレンドの放射線測定の様子(YouTubeに公開されている動画)

当実験での秒当たりのカウント数が高過ぎるのではないかと思ったのですが、ピッチブレンドは非常に強い放射線を出すらしく、このぐらいは出てもおかしくないようです。YouTubeには強烈な値を計測しているピッチブレンドの計測画像が色々とあがっています。

以上



札幌で開催されたJCF-15のプログラムとアブストラクト

日本の常温核融合研究会JCFの第15回例会が11月1日〜2日に札幌で開催された筈です。
残念ながら、今回は仕事と旅費(笑)の都合がつかず参加できませんでした。




アブストラクトから、今回の発表案件を拾ってみると以下のようになっています。

Experiment-1 Chairman; Y. Iwamura (Mitsubishi H. I.)

13:10-13:45 JCF15-1 Kitamura et al. (Technova Inc., Kobe U.)
Comparison of some Ni-based nano-composite samples with respect to excess heat evolution under exposure to hydrogen isotope gas

13:45-14:10 JCF15-2 H.Kudo et al. (Iwate U.)
Deuterium adsorption test using Pd-Ni and Pd-Ag multi-layered samples.

14:10-14:45 JCF15-3 T. Mizuno et al. (Hydrogen Eng. A&D Co.)
Analysis of Heat Generation using Pd and Ni Fine Wires

Theory-1 Chairman; S.Narita (Iwate U.)

15:00-15:35 JCF15-4 A. Takahashi (Technova Inc.)
Background for Condensed Cluster Fusion

15:35-16:00 JCF15-5 K.Tsuchiya (NIT, Tokyo College)
Convergence Aspect of the Self-consistent Calculations for Quantum States of
Charged Bose Particles in Solids

Experiment-2 Chairman; T. Mizuno (Hydrogen Eng. A&D Co.)

10:00-10:25 JCF15-6 C. Nishimura et al. (National Institute for Materials Science)
Deuterium and hydrogen permeation of Pd-Ag and V-Ni alloy membranes with multi-layered CaO/Pd

10:25-10:50 JCF15-7 Y. Iwamura et al. (Mitsubishi H. I.)
Increase of Transmutation Products by Electrochemical Deuterium Permeation through Nano-Structured Pd Multilayer Thin Film

Theory-2 Chairman; K.Tsuchiya (NIT, Tokyo College)

11:05-11:30 JCF15-8 H. Miura
Computer Simulation of Hydrogen Phonon States in Palladium Metal

11:30-12:05 JCF15-9 A. Takahashi (Technova Inc.)
Is Gamma-Less Transmutation Possible? -The Case of Metal plus TSC and BOLEP-


以上

2014年10月19日日曜日

銀とロジウムの合金ナノ粒子がPdと同様の特性を有する謎

このブログでテーマとしている常温核融合との関係は分かりませんが、驚くべき研究成果だと思います。原子番号が-1(Rh:ロジウム)と+1(Ag:銀)の元素を融合させると、ちょうど真ん中の元素(Pd:パラジウム)と似た性質を持つとは、子供の頃に考えそうなことですが、起こりえないと学習してきたことでもあります。

これこそ、言葉通りに解釈すれば「常温核融合」ですね(笑)。プレスリリースから引用します。

水素吸蔵特性をもつAg-Rh合金ナノ粒子の電子構造の初観測
~Ag-Rh合金ナノ粒子がPdと同様の特性を有する謎の解明を目指して~
平成26年10月16日
物質・材料研究機構、京都大学、九州大学、科学技術振興機構(JST)
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141016/
元素の周期表中でPdの両隣りにあるRhとAgは、双方とも水素を吸蔵する能力を持っていません。バルクでは合金になり得ないAg-Rhは10数ナノメートルの大きさにして初めて合金化することができ、AgとRhが1:1のAg0.5Rh0.5合金ナノ粒子は水素を吸蔵する性質を示します。その水素吸蔵容量は、代表的な水素吸蔵金属であるPdナノ粒子のおよそ半分にも達します。
Ag-Rh合金ナノ粒子は、AgとRhが微視的に分離した混合物ではなく原子レベルで混成しており、その電子構造はPdの電子構造と極めて類似していることがわかりました。Ag-Rh合金ナノ粒子に水素が吸蔵されるという事実は、この電子構造の類似性と関係していると考えられます。
ABSTRACT 
The valence band (VB) structures of face-centered-cubic Ag-Rh alloy nanoparticles (NPs), which are known to have excellent hydrogen-storage properties, were investigated using bulk-sensitive hard x-ray photoelectron spectroscopy. The observed VB spectra profiles of the Ag-Rh alloy NPs do not resemble simple linear combinations of the VB spectra of Ag and Rh NPs. The observed VB hybridization was qualitatively reproduced via a first-principles calculation. The electronic structure of the Ag 0.5Rh0.5 alloy NPs near the Fermi edge was strikingly similar to that of Pd NPs, whose superior hydrogen-storage properties are well known.
以上

2014年10月15日水曜日

The Energy 2.0 Society~常温核融合利用推進NPOが設立される

The Energy 2.0 SocietyというNPOが立ち上がりました。E-Cat Worldを運営しているFrank Aclandさんもボードメンバーに入っています。
以下のホームページの文章を勝手に和訳してお伝えします。
http://energy2point0.org/


以下が勝手な和訳です。
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近年、物理学と工学の分野で画期的な発見があり、クリーンで安全かつ経済的に膨大なエネルギーを生産できるようになろうとしています。


このエネルギー源は何でしょうか? 2つの一般的な名称があります。低エネルギー核反応(LENR)と常温核融合(Cold Fusion)です~とはいえ、実際には、このエネルギーが発生するメカニズムはまだ解明されていません。私たちが知っているのは、特定の条件下で、水素がニッケルやパラジウムのような特定の金属と結合する時に、有害な廃棄物や放射線の発生の無い反応が起こり、どのような化学反応よりもはるかに多くのエネルギーが生成されるということです。

The Energy 2.0 Societyは、エネルギーのこのクリーンで効率的なエネルギー源についての認知を高め、すべての人々の生活の質を向上させるために利用を促進する事を目的とする非営利団体です。
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The Energy 2.0 Societyでは、寄付、ボランティア、アイデア/提案を受け付けています。趣旨に賛同する方は、ぜひ参加を考えてみては如何でしょうか。私も週末くらいに落ち着いて英文メールを書こうかと思います。

また、代表者のTom Wind氏は、早速、10月20日にニューヨークにあるオレンジ・カントリー・コミュニティ・カレッジ(Orange County Community College)にて、常温核融合の説明会を開くとのこと。活発な活動で早く正しい認知が広がるよう期待したいですね。

以上


2014年10月13日月曜日

E-Catの革命的な性能を示すラゴンプロット

Alan Fletcher氏は公開のWebやメーリングリスト上でE-Catの実験データの妥当性の検証にずっと注力されていて、その成果は http://lenr.qumbu.com/ にまとまっています。
今回のE-Catの第三者検証レポート第二弾の公表を受けて、E-Catのエネルギー源としての性能を「ラゴンプロット」と呼ばれる図の上に表してくれました。


上の図の緑と赤の印がE-Catの性能です。今回の検証ではE-Catの総重量は452gで燃料を1g消費したので、それぞれの条件で緑と赤の印が付けられています(重量当たりのエネルギー密度と出力密度を表したものなので、どちらの重量を採るかで位置が変わります)。

左の下の隅にごちゃごちゃと固まっているのが、従来の化学反応を使ったエネルギー源です。右上に行くほど、優れた性能を持ったエネルギー源という事になるので、燃料消費だけを見た緑の点をE-Catの実力だと思うと、E-Catがエネルギー源として如何に優れているか理解できます。核反応は化学反応に比べて6桁くらい高いエネルギーを放出するので、当たり前と言えば当たり前なのですが、それが500グラム足らずの小型の装置で安全に実現できてしまうのは驚異です。これこそ、常温核融合が破壊的テクノロジーと言われる所以です。

ちなみに、ラゴンプロットは電池の性能を表すのにも用いられます。例えば、以下のように用いられていて、やはり右上の方に進化させるのが技術の課題になっているのです。



以上

材料研究機構による岩村康弘博士の元素変換実験の追試

「元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア」を読んで、以下の研究報告書があることを知りました。岩村博士の元素変換実験の追試に相当し、更に収量を上げるための要因を見出そうとしています。概要の部分を引用します。


https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2012/seika/C-19_1/82108/22560744seika.pdf
科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書
平成25年 6月 17日現在
機関番号: 82108
研究種目: 基盤研究(C)
研究期間: 2010~2012
課題番号: 22560744
研究課題名(和文) 重水素透過誘起希土類元素生成反応の現象理解と収率向上
研究課題名(英文) Clarification and yield enhancement of deuterium-permeation-induced generation of rare earth elements.
研究代表者
 西村 睦(NISHIMURA CHIKASHI)
 独立行政法人物質・材料研究機構・水素利用材料ユニット・ユニット長
研究者番号: 20344434
研究成果の概要(和文):
重水素透過誘起元素生成反応で用いられてきた複合膜の重水素透過特性を明らかにした。ガス透過法で、圧力が高いほど生成物の収率が向上することを明らかにし た。電気化学的に重水素透過した試料を SIMS および ICP-MS 法で分析し、133Cs から質量数 139,140,141,142 の物質への変換を示唆する結果が得られた。また W をイオン注入した複合膜においては、質量数 190 の物質への変換を示唆する結果が得られた。
研究成果の概要(英文):
Deuterium permeation characteristics were determined for composite membranes used in transmutation reaction by deuterium permeation. Higher deuterium gas pressure resulted in higher yield of transmutation. Surfaces of electrochemically deuterium-permeated samples were analyzed by SIMS and ICP-MS. Peaks of Mass number 139, 140, 141, 142 were clearly observed in deuterium-permeated samples with 133Cs implantation. Peak of mass number 190 was observed in deuterium-permeated samples with W implantation.
この報告書では、パラジウム層を含む多重膜に重水素を透過させて、その際に、表面に注入したセシウムとタングステンからどのような元素が生じるかを定量的に分析しています。
セシウムの場合だと、以下のように質量数139,140,141,142あたりの元素が現れていると報告されています。


また、タングステンの場合だと、以下のように質量数190の元素の増加がシャープに現れていると報告されています。


これまで、日本の常温核融合研究では、豊田中研による追試しか行われていないと思っていたので、私にとっては新たな情報でした。この本に感謝したいと思います。

それにしても、このような重要な研究に科研費がたった442万円しか支出されていないのは、納税者としては不満です。未来の無い原発関連の研究費用を削って、もっとこちらに研究費を増やすべきだと思います。また、この報告書のPDFファイル内のテキストが検索対象となっていない事にも不満です。広く検索できるように、テキスト情報を付けた状態で公開すべきだと思います。


以上