2014年1月26日日曜日

米国のIndustrial Heat LLC社がE-Catの技術を買収したと発表

昨年末に、E-Cat Worldでアンドレア・ロッシ氏のパートナー企業が、チェロキー投資会社( Cherokee Investment Partners)の設立したベンチャー企業Industrial Heat LLCではないかというスクープがありました。その後も連続して、この件を裏付けるスクープを連発していたのですが、とうとう公式にIndustrial Heat LLCが姿を表しました。


1月24日にE-Cat Worldに転載されたIndustrial Heat LLCのプレスリリースによると、この会社がロッシの持つLENR技術、つまりE-Catの権利を買収したとの事です。
Industrial Heat, LLC announced today that it has acquired the rights to Andrea Rossi’s Italian low energy nuclear reaction (LENR) technology, the Energy Catalyzer (E-Cat). A primary goal of the company is to make the technology widely available, because of its potential impact on air pollution and carbon dioxide emissions from burning fossil fuels and biomass.
以下のように、第三者検証の結果を見て、買収を行ったようです。文面の中でも、この http://arxiv.org/abs/1305.3913 に言及されています。この検証論文(プレプリント)は大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
Mr. Vaughn confirmed IH acquired the intellectual property and licensing rights to Rossi’s LENR device after an independent committee of European scientists conducted two multi-day tests at Rossi’s facilities in Italy.
この買収は、常温核融合(LENR)が大きな変革をもたらす可能性を持った技術である事を裏付ける大きなニュースです。世界の人達がこの可能性に一日も早く気がつくよう願っています。

以上

2014年1月21日火曜日

ナノ銀による放射線低減現象の研究報告が1月末の研究会で行われます

高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)で、1月28日〜30日に開催される研究会「放射線検出器とその応用」 (第28回)で、阿部宣男博士・岩崎信博士らが研究しているナノ銀による放射線低減現象の報告が行われます。
以下の研究会のホームページに開催概要が記されています。
http://rcwww.kek.jp/rdetconf/

また、プログラムの暫定版が以下で公開されています。
http://rcwww.kek.jp/rdetconf/program_tmp.pdf
研究会「放射線検出器とその応用」(第 28 回)プログラム(暫定版)
第三日 (1月30日)
Session-5 (9:00-11:00)
・・・
35. 4-5nm粒径銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象 -初期の線量計測定データを中心に-
阿部宜男(A)、綾部斗清(A)、坂本圭磯(A)、望月將地(A)、岩崎信(B)
(A)東京都板橋区ホタル生態環境館、(B)東北工大・共通教育センター
発表には、岩崎信先生が立たれるようです。ちょうど一年前に、同じこの研究会で「ナノスケール純銀担持体の放射性セシウム減弱効果の検証測定」が発表され、ナノ銀によって放射線が低減する実験のデータが公開されました。今回も、この研究にとって有意義な結果が発表されるよう祈っております。

ちなみに、「日本一新の会。」のブログで、平野貞夫氏が再び以下のように、このナノ銀による放射能低減実験の事に言及されています。

「脱原発」の原点は「福島原発事故の解決」に見通しを付けることである。これができなければ東京オリンピックも開催できない。東京都の防災問題の第一は、今日でも「放射能対策」だ。しかも、東京都板橋区ホタル環境館では、究極の脱原発である「30年のセシウム半減期を2ヵ月程度にする放射能低減」の実証・検証実験に成功している。この東京都で生まれた物理学の定説を修正する世界的技術の研究開発を東京都がこれまで無視してきた。知事選で採り上げ東京五輪を新しい文明のスタートにしてもらいたい。
平野氏は、「東京都」がこの研究を無視している事を批判されていますが、その前提として、科学者がこの研究の価値を認め、追試なり第三者検証なりを行なって、この不思議な現象を確認して欲しいと思います。220億円かけてJ-PARCに加速器を使った核変換の実験施設を建設するのに比べて千分の一のコストと期間で常温環境での核変換を確認できると思いますよ。

以上

2014年1月20日月曜日

ブラックライトパワー社が1月末にエネルギー生成装置のデモを宣言

昨年暮れから常温核融合関連の話題が尽きなくて話題に追いつけない毎日です。今度は、ミルズ博士(Dr. Randell L. Mills)率いるブラックライトパワー社(BlackLight Power, Inc.)が、「水」を燃料とし、数メガワット級のパワーを生み出す炉のデモを今月末に行うと発表しました。早速、E-Cat Worldにも取り上げられています。以下はファイナンシャル・ポストに載ったプレスリリースです。
http://www.financialpost.com/markets/news/BlackLight+Power+Announces+Game+Changing+Achievement+Generation+Millions/9384649/story.html
NEWS RELEASES
BlackLight Power, Inc. Announces the Game Changing Achievement of the Generation of Millions of Watts of Power from the Conversion of Water Fuel to a New Form of Hydrogen
BusinessWire · Jan. 14, 2014 | Last Updated: Jan. 14, 2014 5:01 AM ET
このブラックライトパワー社は1991年に設立された老舗の新エネルギー開発ベンチャー企業です(老舗のベンチャーと言うのは変ですが)。創設者のミルズ博士はかつてニッケル・水素系の常温核融合実験をしていたようです(小島英夫博士の「「常温核融合」を科学する」という本の参考文献として参照されています:Mills, R.L. and P. Kneizys, Excess heat production by the electrolysis of an aqueous potassium carbonate electrolyte and the implications for cold fusion. Fusion Technol., 1991. 20: p. 65.)。


という訳で、常温核融合研究者の間にも知られた存在なのですが・・・残念ながら評判は悪いのです。その一番の理由は、ミルズ博士の提唱する「ハイドリノ」理論にあります。この理論では、原子を構成する電子が今まで知られている「基底状態」よりも更に低エネルギーな状態に落ち込めると言ってます。一番底にあるから「基底」と言っていたのに、更にそれは底では無かったと言っているのですから、(たぶん)現代物理学の否定なのだと思います。

この件については、高橋亮人博士が著書の「常温核融合フロンティア 2011」の中で、以下のように評価しています。
2.7 古典力学モデルには無理がある(Mills, Muelenberg, Heffner, Storms)
R. Millsは、以前より水素原子にはsub-ground-stateが存在できるとするhydrinoモデルを展開している。主量子数nの逆数の量子状態が存在できて、ミニ水素原子Hydrinoが生まれる、と主張する。通常の水素基底状態のエネルギー13.6eVより、数倍大きな結合エネルギーをもつHydrinoに遷移するときBlack-lightを発生して、過剰熱が発生する、と演繹する。彼の理論では、電子波導関数は、厚さゼロの球面を描くデルタ関数である。中心からの動径上にR=Rn, R1/nの球面がBohrの量子条件を満たすように決まる。どこがおかしいのであろうか?
簡単である。Heisenbergの不確定性原理を無視していて、正統な量子力学になっておらず、「量子論的粉飾をした古典力学」なのである。動径不確定性ΔRをゼロにしているから、電子を古典力学(Newton力学)のように大きさゼロの点電荷としていることに対応する。Heisenbergの不確定性原理によれば、波動関数はデルタ関数にはなれない。「粒子を大きさゼロの点とみなしたその瞬間に不確定性原理と量子論を否定している。」H原子の基底状態では、クーロン引力による中心力と遠心力が釣り合い、波長332pmのドブロイ波が一周して滑らかに連続するように3次元対称性を保っている[2.2-5]。これがn=1の状態で、1/nのときは、この条件は成立せず、電子は連続的で過渡的な運動をしていて、離散的な固有値をとれない。Millsの1/n状態は、この連続運動(エネルギーも連続)の連続空間を、R1/nの動径で輪切りにしたもので、Bohrの古典量子条件を初期単位にして輪切りする理由は、必然的でない。初期単位は任意の大きさに取れる。R. Millsのhydrino論は量子論からはかけ離れた、間違いなのである。Millsのモデルでは、電子の波長はゼロであり、質点=点電荷の古典力学的連続運動を、動径方向で任意に輪切りにしたものである。n=1の状態も任意に選べるので、1/nは固有値状態にはならない(連続固有値)。
とまぁ、明確に間違いだと言われているのです。尤も、量子力学の素養がない私には、内容はサッパリ分からないのですが(笑)。

では、それでは、このBlacklight Powerが全くのインチキなのかと言うと、そうとも言い切れない以下のような要素があります。

  • ミルズ博士は正統な科学者のようで、多くの論文も書いている。ハイドリノ理論に上記のような大きな穴があるのを放置しておくだろうか?
  • 1991年から何と20年以上も企業を運営してきている。おそらく裏に投資家がいると思われるが、このように長期にわたって投資を続けるには、投資家が認めるだけの明確なエビデンスがあるのではないか?

ミルズ博士が疑問を持つ常温核融合研究者と公開の場で議論してくれれば、少しは真偽が明らかになると思うのですが、これまでミルズ博士は学会等の場には殆ど出てきていないので、何も考える手がかりがありませんでした。

今回のデモで、第三者が評価できるデータが出てくるのを楽しみに待ちたいと思います。

また、この話題が盛り上がったためか、Vortex-lというメーリングリストに現れたマイク・キャレル氏(Mike Carrell)が、幾つか解説をしてくれており、私としては、少し疑問が解けました。

それを2件紹介しておきます。
最初の記事は、 これ です。
[Vo]:Understanding BLP
Mike Carrell Fri, 17 Jan 2014 13:17:50 -0800

内容は難しくて良く分からないのですが、気になるキーワードは、isolated です。ミルズ博士のハイドリノ理論の中心にある「基底状態より下の状態」は、独立した単原子の水素で起こるのではなく、仮想的には独立してない状態で起こるのだ、と言っているように思えます。そうならば、もしかして、量子力学の否定にはつながっていない可能性もあるのでは・・と素人は期待します。
Mills' back-story includes study at MIT where he gained new insight into the physics of accelerated electrons which led to his Orbitsphere model and the possibility of "sub-ground" states induced by the *close proximity* of energy holes presented by catalysts. Mainstream physics teaches a "ground state" of *isolated*hydrogen atoms. The "Resonant Transfer" reactions postulated and experimentally verified by Mills requires the **close proximity** of an energy hole receptor of specific magnitudes to effect a *non-radiative energy transfer* from the H atom, destabilizing it, which then shrinks into the hydrino state. In that moment, the H atom is no longer *isolated*.
2つ目は、これ です。
もう一つ疑問に思っていたのは、基底状態より下になった原子はどうなるのか?という点でした。またエネルギーを吸収して元に戻ってしまうのだとすると、元も黙阿弥で過剰熱は発生しないのでは?と疑問に思っていました。どうも、この記述を見ると、そのまま安定した状態の水素になって存在し続けるみたいです。
RE: [Vo]:Understanding BLP
Mike Carrell Sat, 18 Jan 2014 11:46:49 -0800
Hydrinos are hydrogen atoms whose electrons are at a lower energy state and whose orbital radius is reduced. The can for compounds as hydrides, but such is not yet exploited because of a lack of quantity. They are lighter than air and non-toxic.
以上

2014年1月13日月曜日

超音波発振によるキャビテーションで放射性物質を低減する特許

2007年に国際出願され、2008年に公開されていた興味深い特許があったので紹介します。
概要によると、放射性物質を低減する機械と方法の特許です。注目すべきは、超音波振動子を使って、液中にキャビテーションを発生させ、そこに入れた放射性物質を変えてしまう・・と主張している点です。

http://patentscope.wipo.int/search/en/WO2008041253
特許題名
APPARATUS AND PROCESS FOR THE QUENCHING OF THE RADIOACTIVITY OF RADIOACTIVE MATERIALS BY MEANS OF PIEZONUCLEAR REACTIONS INDUCED BY ULTRASOUNDS AND CAVITATION 
特許概要から抜粋
EN)The invention relates to an apparatus and a process for reducing the radioactivity of natural and/or artificial elements through piezonuclear reactions generated by means of insonation or sonication using an electromechanical transducer. The apparatus is characterised in that said electromechanical transducer comprises a stack of piezoelectric elements mechanically connected to a sonotrode of such a size as to operate at its own resonance frequency as a function of the electrical activation energy applied to said piezoelectric elements, to obtain the cavitation of the bubbles present in the liquid in which the radioactive substances are to be placed.
辞書メモ
insonation 超音波照射
sonication 音波破砕; 音波処理
transducer (エネルギーの)変換器
piezoelectric 圧電

Google特許で見ると、この特許は、以下の3つの非特許文献を引用しています。(リンクは私が補いました)

http://www.google.com/patents/WO2008041253A1

1 CARDONE ET AL.: "Possible evidence for production of an artificial radionuclide in cavitated water" JOURNAL OF RADIOANALYTICAL AND NUCLEAR CHEMISTRY, vol. 265, no. 1, 2005, pages 151-161, XP002435884 Budapest
http://link.springer.com/article/10.1007/s10967-005-0803-9

2 CARDONE F ET AL: "POSSIBLE OBSERVATION OF TRANSFORMATION OF ELEMENTS IN CAVITATED WATER" INTERNATIONAL JOURNAL OF MODERN PHYSICS B, WORLD SCIENTIFIC, SINGAPORE, SG, vol. 17, no. 3, 30 January 2003 (2003-01-30), pages 307-317, XP009040170 ISSN: 0217-9792
http://www.worldscientific.com/doi/abs/10.1142/S0217979203015759

3 VESPERMAN, GARY: "27 Methods of Neutralizing or Disposing of Radioactive Waste" INTERNET ARTICLE, [Online] 29 August 2004 (2004-08-29), XP002440192 Retrieved from the Internet: URL: HTTP://freeenergynews.com/Directory/NuclearRemediation/Vesperman/index.html
> [retrieved on 2007-06-28]
http://freeenergynews.com/Directory/NuclearRemediation/Vesperman/index.html

上記の1と2の論文を執筆されているCardone博士は、継続的に超音波振動による核反応の証拠を追いかけておられるようです。1の論文は、上記のリンク先で最初の2ページだけ無料で閲覧できます。

この2ページの中に、「実験1」の概要が示されており、キャビテーションによって元素変換が起こっているとしか思えない証拠があると記載されているのが分かります。要約すると以下のようになります。

  • 20 kHzで600Wのパワーで動く振動子を使っている。
  • 蒸留水に対して、常温で210分間、この振動子でキャビテーションを起こした。
  • その後、キャビテーションの前と後の水の元素分析をした。
  • そうしたら、19種類の元素の量が減って、10種類の元素の量が増えた。

これも、日本テクノの大政龍晋社長が出された「水の改質方法」という特許と同じような主張である事に驚きます。大政社長の特許でも、相当な長時間、攪拌振動を続けていたので、この時間の長さは再現のための重要なポイントなのかもしれません。

論文からの引用(手作業なので誤記があるかも)
The cavitator worked at v=20 kHz and the transmitted power was P=600W.
We subjected to cavitation a sample of bidistilled and deionised water at room temperature, for a total time of 210 minutes without stopping.
Then, we analyzed the water samples before and after cavitation.
...
We found relevant changes in the concentrations ( in ug/l) of the stable chemical elements in the cavitated sample (despite the very low original concentrations in the water before cavitation). Precisely, we found a concentration decrease for 19 elements (Li, Be, C, O, Na, Mg, S, Sc, Cr, Ni, Br, Rb, Mo, Te, I, Ce, Sm, W, Au) and an increase for 10 elements (Ne, Ar, Cd, Sb, Nd, Ta, Tl, Bi, Th, U) (see Reference 8 for more details).

LENR-CANR.org のライブラリにはCardone博士の以下の論文が登録されています。JCMNS(常温核融合学会の論文誌)にこんな論文が出ているとは知りませんでした。これは、鉄を超音波振動させて、そこからの中性子発生を調べているようです。

Cardone, F., A. Petrucci, and R. Mignani,
Piezonuclear Neutrons from Iron.
J. Condensed Matter Nucl. Sci., 2012. 8: p. 198-207.
http://lenr-canr.org/acrobat/BiberianJPjcondensedg.pdf#page=204

以上

米国エネルギー省(DOE)のエネルギー関連技術公募にLENRの項目

米国エネルギー省(DOE)が昨年9月に発行した「OPEN INNOVATIVE DEVELOPMENT IN
ENERGY-RELATED APPLIED SCIENCE」という文書でエネルギー関連分野の革新的な開発提案を公募しているようです。
今回、とても小さな項目の記述ではあるのですが、エネルギー関連のプロジェクトを分類した一覧の中に、「low energy nuclear reactions」(常温核融合)という文字が入りました。DOEはかつて常温核融合には投資しないと判断した筈なのですが、ようやく、再評価が始まったサインなのかもしれません。
その文書は以下にあります。
https://arpa-e-foa.energy.gov/FileContent.aspx?FileID=1c56ac4a-0acd-43ee-a2ec-ab80b33f4146#page=11


以上

2014年1月12日日曜日

劣化ウラン弾は常温核融合技術で核反応を起こしているか?

正月休み中に、元旦早々、驚きの講演動画を見てしまったので紹介します。

3つの「劣化ウラン弾」の秘密 - 出版記念講演 (Emilio Del Giudice 編).mp4
http://www.youtube.com/watch?v=EtdM8xIR9JI

米軍が中東等で用いた「劣化ウラン弾」は、深刻な被害の元凶として批判されています。「ウラン」と言っても、核分裂を起こすウラニウム235を取り去った後のウラニウム238が主成分なので、核反応は起こさないと考えられています。弾頭として用いられるのは、その比重の重さと硬さから、他の金属よりも貫通力や燃焼力に優れているからだと言われています。

ところが、この講演では、劣化ウラン弾を使用した跡地から、通常よりも高濃度なウラニウム235が検出されたり、弾頭の燃焼とは考えにくい戦車の溶解(たいへんな熱量が必要)の残骸が発見されている事から、実は、核反応が起こっているのではないか、つまり、劣化ウラン弾とは超小型の核爆弾ではないのか・・という疑惑について説明しています。かなり陰謀の推理の要素がありますし、この講演の中ではエビデンスとなる資料が示されていないので、鵜呑みにしない注意は必要ですが、非常に興味深い仮説です。

かなり長いイタリア語の動画に日本語字幕をつけてくれたネメシスさんの努力は素晴らしく、たいへん感謝します。どうもありがとうございました。ただ、私は、リチャード・コシミズ氏の主張する陰謀論は支離滅裂で論じるに値しないと思っており、そのブログのコメント欄に紹介を載せておられるのは残念です。信頼度が傷つくのが勿体ないと思います。

さて、動画の中身ですが、本の共同執筆者であり、イタリアの常温核融合研究者でもあるエミーリオ・デル・ジュディチェ博士が、核分裂爆弾の持つ「臨界質量」の制約に縛られず、小型化を可能とするために「常温核融合」技術がどう使われるのかの仮説を説明しています。

前半は、(一部を除いて) 分かりやすい常温核融合の説明になっています。フライシュマン博士やプレパラータ博士の業績や追試のポイントなども、比喩を使って素人向けに語ってくれています。後半が、常温核融合で使われる水素吸蔵のテクニックをウランに対して使ったのではないかとの疑惑の説明です。このような可能性の示唆を見るのは初めてですが、説得力があります。また、この軍事利用技術を隠すために、常温核融合が非難されるように仕向けられてきたのではないかとの疑問についての言及も興味深い指摘です。

以下、内容についての簡単なメモです。興味のある方は、是非、動画の方を視聴していただければと思います。

  • パラジウムなどの金属に重水素を吸収させて常温核融合反応を起こすと、過剰熱と同時にヘリウムが発生する事が知られている。
  • この時、パラジウム原子と重水素原子の比率が1:1程度になるまで重水素を吸蔵させるのがポイント。この密度を超えるあたりから常温核融合反応が始まる。
  • パラジウムと重水素で常温核融合を起こした際には、重水素だけでなく、パラジウムの側にも変化が起こっている。事後にパラジウム電極の元素を分析すると、ニッケルが検出される。パラジウムの原子番号は46、ニッケルの原子番号は28。だいたい半分くらいにパカッと割れてニッケルになった感じ。激しいエネルギー放出を伴わないので核分裂というより、核分割という表現が相応しいだろう。
  • このパラジウムの核分割はエネルギーを食う反応。つまり、重水素が融合してヘリウムに変わる時に放出するエネルギーを減じる方向に作用する。
  • ここで、パラジウムの代わりにウランを使ったらどうなるだろうか? 実は、ウランは優秀な水素吸蔵金属である。そして、パラジウムとは逆に、核分割の際には膨大なエネルギーを放出する。常温核融合反応が起こる寸前まで重水素を吸蔵させておき、着弾した時に何らかの刺激で反応を起こす仕組みが作れれば、ライフル弾の大きさで大砲の威力を持つ兵器が作れるのではないか。
  • 湾岸戦争の跡地では、ドロドロに溶けた戦車が見つかっている。通常兵器では、このような高い熱量は生み出せない。ここで説明した超小型の核爆弾が使われたのではないか?
  • 「劣化ウラン弾」と言われているが、これは三種類の効果を持つ弾頭ではないか。一つ目は、ウランの硬度を活かした表向きの看板通りの劣化ウラン弾。二つ目は、原子炉などから出る「使用済み核燃料」を使用して、放射性の微細粉塵で環境を汚染し病気を引き起こす「汚い爆弾(ダーティー・ボム)」。そして、三つ目が高エネルギーを発する「超小型の重水素ウラン核爆弾」である。

さて、関連する論文を探すために、Lenr-Canr.orgのライブラリをUranium(ウラニウム)のキーワードで検索すると11件の論文がヒットしました。この中で、ICCF-17で発表されたSongsheng Jiang博士(所属は中国の原子力研究所らしい)の論文が重水素を吸蔵させたウラニウムからの中性子バーストについて述べています。

Jiang, S., et al.
Neutron burst emissions from uranium deuteride and deuterium-loaded titanium.
in 17th International Conference on Cold Fusion. 2012. Daejeon, Korea.

ICCF-17の予稿が以下にあったので見てみると、重水素を吸蔵させたウラニウムからの中性子放射を調べたとあります。
http://newenergytimes.com/v2/conferences/2012/ICCF17/papers/Jiang-Neutron-Burst-Emissions-ICCF17-ps.pdf
We have measured the neutron random and burst emissions from the uranium deuteride and deuterium-loaded titanium samples at room temperature.
実験の詳細は不明ですが、結果については、明らかに中性子バーストが断続的に起こっているとしています。
The result clearly shows that anomalous neutron bursts occur intermittently in the uranium deuteride and deuterium-loaded titanium samples.
また、「cascade neutron bursts」が観測されたと考えてる、との主張があります。たぶん中性子放出の連鎖反応が起こっていると言ってるのだと思います。これまで、常温核融合反応では、ねずみ算式に連鎖拡大するケースは見つかっていないと理解していたので、驚きでした。劣化ウラン弾の正体に繋がるかどうかは分かりませんが、軍事的な用途への展開も含め、非常に凄い事を言ってるのではないかと思います。
This paper reports a new result of neutron burst emission from deuterium-loaded metals. In addition to neutron bursts induced by cosmic-ray spallations, the cascade neutron bursts are observed occasionally for uranium deuteride and deuterium-loaded titanium samples. After accidental artifact noise and cosmic-ray source are ruled out, we suggest that the cascade neutron bursts are correlated with the deuterium-loaded metals and may originate from nuclear reaction occurring on the metal surface with a micro-nanometer size [5, 13], but do not occur in the bulk materials and whole surface.
以上

自分のためのメモとして、ライブラリでUraniumのキーワードにヒットした論文の一覧を挙げておきます。

2002
Dash, J., et al. Effects of Glow Discharge with Hydrogen Isotope Plasmas on Radioactivity of Uranium. in The 9th International Conference on Cold Fusion, Condensed Matter Nuclear Science. 2002. Beijing, China: Tsinghua Univ. Press.

2003
Dash, J. and D. Chicea. Changes In The Radioactivity, Topography, And Surface Composition Of Uranium After Hydrogen Loading By Aqueous Electrolysis. in Tenth International Conference on Cold Fusion. 2003. Cambridge, MA: LENR-CANR.org.

2000
Dufour, J., et al. Hydrex Catallyzed Transmutation of Uranium and Palladium: Experimental Part. in 8th International Conference on Cold Fusion. 2000. Lerici (La Spezia), Italy: Italian Physical Society, Bologna, Italy.

2000
Dufour, J., et al., Hydrogen triggered exothermic reaction in uranium metal. Phys. Lett. A, 2000. 270: p. 254.

2001
Dufour, J., et al., Experimental observation of nuclear reactions in palladium and uranium -- possible explanation by hydrex mode. Fusion Technol., 2001. 40: p. 91.

1998
Forsley, L., et al. Analyzing Nuclear Ash from the Electrocatalytic Reduction of Radioactivity in Uranium and Thorium. in The Seventh International Conference on Cold Fusion. 1998. Vancouver, Canada: ENECO, Inc., Salt Lake City, UT.

2007
Hora, H. and G.H. Miley, Maruhn-Greiner Maximum of Uranium Fission for Confirmation of Low Energy Nuclear Reactions LENR via a Compound Nucleus with Double Magic Numbers. J. Fusion Energy, 2007. 26: p. 349-355.

2008
Hora, H., G.H. Miley, and K. Philberth. Radiochemical Observations for Comparison of Uranium Fission with Low Energy Nuclear Reactions LENR. in American Physical Society Meeting. 2008. New Orleans.

2012
Jiang, S., et al. Neutron burst emissions from uranium deuteride and deuterium-loaded titanium. in 17th International Conference on Cold Fusion. 2012. Daejeon, Korea.

2009
Miley, G.H., et al., Radiochemical Comparisons on Low Energy Nuclear Reactions and Uranium, in Low-Energy Nuclear Reactions and New Energy Technologies Sourcebook Volume 2. 2009, American Chemical Society: Washington DC. p. 235-252.

1998
Monti, R.A. Nuclear Transmutation Processes of Lead, Silver, Thorium, Uranium. in The Seventh International Conference on Cold Fusion. 1998. Vancouver, Canada: ENECO, Inc., Salt Lake City, UT.

NanoSpire社のキャビテーションによる過剰熱と常温核変換

キャビテーション技術を使ったビジネスをしているNanoSpire社は、従来からキャビテーションによって常温核融合現象が起こっていると主張しています。以前から、具体的にどのような現象が起こっているのか知りたいと思っていたのですが、実は、ホームページのFusionというページに概要が記載されていました。

自分のための備忘録として簡単にメモしておきます。まず、以下の文中で、キャビテーションを起こすLeClair Effect reactorで、840 Wの入力に対して2.9 kWの出力となる過剰熱を検出したと述べています。しかも12回の実験で100%の再現性があったとの事。
In March, 2007 Mark LeClair built and tested the first cavitation reactor powered by the LeClair Effect, based on our patented technology. More research was done from 2007 to 2009 with a variety of other reactor designs that led to a series of key experiments performed from July – August, 2009 under a grant, titled: Utilization of Crystallized Cavitation Reentrant Jets for Zero Point Energy Production. The goal was to produce a next stage hot water heater reactor based on the LeClair Effect and was awarded by a potential investor focused on promoting cold fusion. Mark LeClair and Serge Lebid discovered that the scaled-up LeClair Effect reactor was triggering intense fusion, fission and large scale elemental transmutation using ordinary water. The 1.25” ID by 12” long reactor produced 2.9 kW of hot water using only 840 watts of input, a coefficient of performance (COP) of 3.4 times more energy out than in. The water temperature was raised an average of 18 degrees C (32 degrees F) average passing through the reactor with 28 degree C (50 degrees F) temperature spikes observed. A total of twelve experiments were performed, with 100% repeatability of the high levels seen in excess heat and transmutation in the various configurations.
また、これに先立つ以下の部分で、水の中にO-H結合の繰り返しによる結晶構造(ファンデルワールス結晶?)があると述べられています。これが気になるのは、攪拌振動しながら(たぶんキャビテーションを起こしている?)水を電気分解して生成するオオマサガスでも、水分子のクラスター構造があるとする分析が出ており、同じ事を言っている可能性があると思ったからです。
The crystal has an equilateral triangular cylinder subunit that most commonly forms jet hexagon cross-sections. The crystal is a series of repeating O-H bonds along its axis and is bound by hydrogen bonds in the cross-sectional plane, a type of hybrid bonded crystal known as a van der Waals crystal. 
更に、以下の文章では、核変換が起こっているらしい証拠として、元素分析により34種類から78種類の(元には無かった)元素が検出されたと言っています。この分析に、Edmund Storms博士が絡んでいたのも驚きです(Edmund博士は常温核融合研究者として著名です)。
The large scale transmutation of elements was verified by three separate independent scanning electron microscope elemental analysis (SEM-EDAX) of the transmuted material, including University of Maine, Orono Laboratory for Surface Science & Technology (SEM-EDAX & XPS under contract), by courtesy of Media Sciences, located in Oakland, New Jersey and by courtesy of well-known Low Energy Nuclear Reaction (LENR) researcher and advocate Dr. Edmund Storms, formerly of Los Alamos in New Mexico. The University of Maine, Orono Chemistry Department also performed an analysis known as XPS that measured nucleus binding energy, confirming that the glassy coating seen covering much of the reactor cores was diamond. The SEM analyses collectively detected a total of 34 elements ranging from carbon to polonium. The same samples analyzed by SEM-EDAX and XPS were also analyzed with laser ablative inductively coupled plasma mass spectroscopy (LA-ICP-MS) by Shiva Technologies (an operating unit of Evans Analytical Group) located in Syracuse, NY. The more sensitive LA-ICP-MS detected a total of 78 elements ranging from lithium to californium and 108 isotopes ranging from 7Li to 249Cf, a standard detection set that does not include all the possible isotopes, but including most of the stable isotopes and many short and long lived radioactive isotopes. Together, the five analyses showed that nearly every element in the periodic table was detected in every type of transmuted particle in different distributions, up to the limit of the LA-ICP-MS detection range, californium.

以上

2014年1月11日土曜日

原田武夫氏の常温核変換?を示唆する記事を巡るアレコレ

年明け早々、東洋経済オンラインに興味深い記事が載りました。原田武夫氏の書いた記事で、それによると神奈川県のベンチャー企業がトリチウムを無害化する技術開発に取り組んでおり、その実証実験が1月14日に行われるというのです。
記述から見ると、常温での核変換を主張しているように見えるのですが、残念なことに技術的な内容やデータがサッパリ分かりません。期待する一方、こういう不透明な記事を載せるのは、逆に技術開発の信頼度を落とすと考え、私も東洋経済オンラインと原田武夫氏に対して以下のようにツイートしました。
浅学俊郎 @sengakut (1月8日)
@iisia @Toyokeizai 原田武夫氏のこの記事ですが、技術的な内容や新規性がさっぱり分かりません。もっと内容を理解した人に書いて貰わないと信頼感を損なうだけだと思います。修正を検討いただけると幸いです。
posted at 21:51:14 
返事は貰えてませんが、1月14日以降に何らかの実験データが出てくる事を願って、待つしかないと思っていました。ところが、その後、意外な展開となりました。東洋経済オンラインが当該記事を削除してしまったのです。

原田武夫氏の元々の記事に問題はあるにしても、原田氏の以下の主張の通り、東洋経済オンラインは追加取材を行なって、事実とデータを深堀りして、修正を行うべきだと思います。いきなり記事を削除する「臭いものに蓋」と言わんばかりの態度はマスメディアとして良くないですね。
原田氏の記事から引用>仮にその後に進展した事実関係、及びそもそも本件技術開発のこれまでの経緯について調査すべき責務を報道モラル上負っていると同編集部が判断した場合には、正当かつ通常の手段を用いて追加取材を行い、その結果を公表すれば足りるはずである。しかるに弊研究所からはそうした追加取材の便宜を図る旨、同編集部に対して自発的にオファーを行ったが、同編集部はこれに応じなかった。このことこそ、「あくまでも真実を追究し、これを読者に届ける」という報道機関が守るべき基本的な姿勢とは完全に矛盾するものであり、誠に許すまじきものと言わざるを得ない
ただ、原田氏の方も「国際戦略情報研究所」を名乗るのであれば、常温核融合の他の研究やその歴史について、もっと広い視野で語るべきだと思いますし、1回の実証実験で世界の認知が得られるという幻想は捨て、長い道程の戦いを宣言すべきだと思います。

1)元の記事の他サイトでの掲載 (東洋経済オンラインでの配信は1月7日らしい)
http://money.jp.msn.com/news/toyokeizai-online/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BD%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0%E6%B1%9A%E6%9F%93%E6%B0%B4%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E6%97%A5-%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%EF%BD%A4%EF%BD%81%E7%A4%BE%E3%81%AE%E6%96%B0%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A7%E3%80%8C%E6%B0%B4%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E6%8A%9C%E3%81%91%E5%87%BA%E3%81%9B-1?page=0
2014年1月10日 18:35更新
福島原発から、トリチウム汚染水が消える日 安倍首相、A社の新技術で「水地獄」から抜け出せ!

2)東洋経済オンラインから記事削除のお知らせ
http://toyokeizai.net/articles/-/28122
1月7日配信「福島原発から、トリチウム汚染水が消える日」についてのお知らせ
2014年01月10日

3)原田武夫氏からの反論
http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/ab2da39c75b5867ca63765887fd15fe7
原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログ
――世界の潮目を知るために。
「東洋経済オンライン」編集長名による「お知らせ」について
2014-01-10 19:01:30

4)原田武夫氏から実験実施日変更のお知らせ
http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/a2f523eabb68fd1ccb0e0d2fc1a48e7f
続・「福島原発から、トリチウム汚染水が消える日」 実証実験の実施日、変更される
2014-01-11 07:23:52

以上

謹賀新年:平野貞夫氏がナノ銀による放射性物質低減技術を語る

遅まきながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
さて、12月の後半から、常温核融合関係では色々なニュースが出てきて、なかなか追いきれていない状況です。ボチボチと紹介していきます。

まずは、本日の「ニュース・ポストセブン」にナノ銀による放射性物質低減に言及した記事が載りました。以下に引用します。明にナノ銀とは仰っていませんが、今までの経緯からナノ銀の事と考えて間違いないでしょう。

http://www.news-postseven.com/archives/20140111_234514.html
元民主議員 セシウム137の半減期を2か月にする技術の存在指摘
2014.01.11 16:00
平野:脱原発に関しては、私から紹介したい技術があるんですよ。昔、似非科学といわれた低温核融合が、実証実験で成功しつつあるんです。セシウム137の半減期は30年なんですが、この技術でそれを2か月ぐらいに短縮できる可能性がある。核廃棄物を無害化して別のエネルギーに転換できるんです。この1月か2月には学術論文が発表される。だけど、これをいくらマスコミや学者に話しても耳を貸そうとしない。  
実は、平野貞夫氏は、2011年からずっとナノ銀による放射性物質低減技術について支持を表明してきており、昨年には、常温核融合(低温核融合)技術についてもその可能性に言及しています。日本の政治家としては、最初にこの価値に気がついた方ではないでしょうか。以下、今まで、日本一新の会のブログに公開された記事から引用します。


「日本一新運動」の原点―90  2012年01月12日
実は、私の友人で東京都板橋区ホタル環境館の理学博士・阿部宣男という研究者が、東日本大震災・福島原発事故以来、セシュウム対策について研究を重ねて実証実験でも成果を上げている。阿部博士によれば、「放射能は消せないとの世界統一見解だが、ナノ純銀粒子により放射能はエネルギーに変換され、軽減や除去が可能である」との仮説を立てて研究している。  

「日本一新運動」の原点―110 2012年05月23日
(放射能浄化Abe-Effect協議会の設立)
 「Abe-Effect」とは聞き慣れない用語と思う。東京都板橋区ホタル生態環境館館長・理学博士阿部宣男氏が発明した「放射能浄化効果」のことである。「放射能は消せない」というのが世界の定説である。阿部博士は、ホタルの環境保全に用いてきた「ナノ銀」の特別な能力に着目して研究を重ね、放射能に汚染された土壌・焼却灰・水などから放射能を原理的、直接的に低減させることに成功したわけだ。  

「日本一新運動」の原点―148 2013年02月20日
(「ナノ純銀等によるセシウム減弱の検証測定」について岩崎・阿部両博士の学会発表)
 2月5、6、7日、つくば市で開催された研究会「放射線検出器とその応用」において、6日、岩崎信工学博士と阿部宣男理学博士らが研究発表を行った。この研究会は「高エネルギー加速器研究機構・放射科学センター」、「応用物理学会・放射線分科会」、「電気学会・原子力技術委員会」の共催で開かれたものである。
 岩崎信元東北大学教授(核計測学)が代表して発表を行った。題目は『ナノスケール純銀担持体の放射性セシウム減弱効果の検証測定』で、講演の要旨は、①はじめに、②これまでの経緯、③試料検体と測定体系、④長期測定の簡易解析結果のまとめ、の四項目であった。  

「日本一新運動」の原点―160  2013年05月08日
実は3・11以来、奇しくも急速に発展した先進技術に「低エネルギー核反応」がある。頭の固い主流学会の学者が似非科学と馬鹿にしている「低温核融合」のことだ。米国ではナノテクノロジーによる「ニッケルと水素の低エネルギー核反応」による発電装置が商品化できる段階まできた、との情報がある。放射能被害がなく二酸化炭素もない、安全で安価なエネルギー革命が目前にきている。
日本でも、達増知事に理解いただいている「ナノ銀による放射性物質の低減効果」も、ニューサイエンスとして国家が本格的研究に取り組めば、人類を悩ます放射能廃棄物の無害化を実現できる可能性が期待できる。  

以上