2014年11月16日日曜日

アンドレア・ロッシ氏のインタビュー記事がイタリアのメジャー雑誌に掲載された

イタリアの「パノラマ」という雑誌がアンドレア・ロッシ氏のインタビュー記事を掲載しました。この雑誌は、京都外国語大学のサイトによると老舗のメジャー雑誌です(以下に説明文を引用します)。下の写真を見ても分かる通り、ロッシ氏やE-Catに対して肯定的な論調だったようです。潮目が変わってきたようですね。
Panorama 
ミラノにてイタリアの大手出版社モンダドーリが発行する週刊誌。L’Espresso紙とともにイタリアのニュース雑誌として確固たる地位がある。1939年創刊。翌40年に一度休刊するが、962年に復刊。現在に至る。ゴシップ記事が多いが、アフリカや東欧関連の記事は秀逸であると定評がある。



以上

2014年11月15日土曜日

ビル・ゲイツ氏がENEA−Frascati研究所を訪問し常温核融合研究者と議論

マイクロソフト社の創業者として高名であり、今は次世代型原子炉を開発しているTerraPower社に投資しているビル・ゲイツ氏が、11月12日にイタリアのENEA−Frascati研究所を訪問して科学者と議論したというニュースが話題になっています。
この研究所の本業は熱核融合研究のようですが、常温核融合の研究も行われており、説明をしたVittorio Violante博士は常温核融合研究者として有名です。下の写真の右端に見えるのは、国際常温核融合学会ICCF-15のポスターのようです。
さて、ビル・ゲイツ氏は何を見て、何を考えたのでしょうか? 氏は、幾つもの危機を乗り越えてマイクロソフト社を世界有数のIT企業へと成長させました。2週間山小屋に篭って戦略を練る「シンクウィーク」で同社のインターネットへの取り組みを一変させ、次の成長軌道に乗せたのは有名です。もしかすると、今回も常温核融合への取り組みを一変させるかもしれません。期待しましょう。


ICCF-15は2009年にこの研究所で行われたのです(下図)。


Vittorio Violante博士は、昨年6月にEU議会で常温核融合の説明を行った科学者の一人でもあります(下図)。この写真では影に隠れてしまっていますが。


ビル・ゲイツ氏の訪問はイタリアで報道もされたようです(下図)。


このニュースは常温核融合ウォッチャーのブログでも取り上げられています。

E-Cat World

New Energy Times


以上

2014年11月10日月曜日

原油価格の下落の原因は常温核融合なのか?

原油価格の下落が続いています。
過去8年くらいの傾向で見ると以下のような感じです。


この2年間だと以下のように最低の水準になっているようです。



10月9日に公開されたE-Catの第三者検証レポート第二弾を最初に報じたsifferkoll社がこの下落について非常に興味深い推測をしています。要するに、この検証レポートが引き金になって、下落が引き起こされたと見ているのです。
10月9日に書かれた以下の記事には実に興味深いチャートの拡大図が出ています。
The Big Banks are Certainly Paying Attention to the E-Cat | Sifferkoll®
http://www.sifferkoll.se/sifferkoll/?p=394



Sifferkoll社のサイトに置いてあった第三者検証レポートをダウンロードしたIPアドレスにBlackRock社のものがありました。世界有数の投資会社です。このBlackRock社のダウンロードの直後から原油価格の下落が始まり、その直後にE-Cat Worldで第一報が出た時点で下落が加速しているように見えます。実に面白い観察です。

原油価格を決める要因は多様です。また、今の原油価格の下落は一般的には、需要の減退とシェールガス対抗策だと言われているようで、これも説得力があります。なので、本当に常温核融合の実用化への展望が原油価格の下落をドライブする影の要因なのか良く分かりません。しかし、常温核融合が正しく認知されてくれば、原油などのエネルギー価格に強い下落圧力がかかるのは予想できます。今後の値動きには、常温核融合ファクターを入れて考える必要があるでしょうね。

以上

E-Catの特許の所有者はIPH International BV社?

前の記事で紹介したロッシ氏の特許について、出願者がIndustrial Heat社からIPH International BV社に書き換わっているという重大な指摘がE-Cat Worldに出ました
以下がE-Cat Worldに引用されている特許の出願書類ですが、たしかにIndustrial Heatが見え消しされて書き換えられています。出願書類全体は ここ で参照できます。


また、奇妙なことに、アドレスは書き換えられておらず、「111 East Hargett St, Raleigh, NC」と、Industrial Heat社のアドレスのままになっています。

では、新たに特許の権利者となっているように見えるIPH International BV社が何者か・・という点について、先ほどのE-Cat Worldの記事は色々な情報を集めてくれています。


という事で、残念ながら、依然として正体は謎に包まれたままです。いったい何者なのか非常に気になりますね。


以上

2014年11月9日日曜日

ついに公開されたロッシ氏のE-Catの米国特許

ロッシ氏のE-Catの方式を記したと思われる米国特許が公開されたのが見つかって、ウォッチャーは盛り上がってます。

公開された特許は ここ で参照できます。またPDFファイルは、 ここ で参照できます。
名称は「DEVICES AND METHODS FOR HEAT GENERATION」です。冒頭部分を引用します。Industrial Heat社が出願者になっています(赤字)が、これについては更に新しい発見があります(後述)。
United States Patent Application 20140326711 
Kind Code A1 
Rossi; Andrea November 6, 2014 
DEVICES AND METHODS FOR HEAT GENERATION  
Abstract
A reactor device includes a sealed vessel defining an interior, a fuel material within the interior of the vessel, and a heating element proximal the vessel. The fuel material may be a solid including nickel and hydrogen. The sealed vessel may be sealed against gas ingress or egress and may contain no more than a trace amount of gaseous hydrogen. The sealed vessel is heated with an input amount of energy without ingress or egress of material into or out of the sealed vessel. An output amount of thermal energy exceeding the input amount of energy is received from the sealed vessel. The fuel material has a specific energy greater than that of any chemical reaction based energy source. 
Inventors: Rossi; Andrea; (Miami Beach, FL) 
Applicant: Industrial Heat, Inc. Raleigh NC US   
Assignee: LEONARDO CORPORATION Miami Beach FL 
Family ID: 1000000535808 
Appl. No.: 14/262740
Filed: April 26, 2014
特許の中には、昨年の第三者検証の時と同じように見える写真が載っています。

また、以下のような構造図も載っています。この特許の出願時には三相交流を使っていたようです。


この特許の中には、COPが11.07だという記述があります。素晴らしい効率です。
[0221] The following was taken into account:
Ea=140.70 kWh=140700 Wh
COP=(117426+1440113)/140700=1557539=11.07 
まだ公開されていない以下の特許が関連特許として挙げられています。
61818553 May 2, 2013
61819058 May 3, 2013
61821914 May 10, 2013 
E-Catの特許が公開され始めた事によって、常温核融合の実用化競争は新たな局面に入るかもしれません。常温核融合装置へ適用できる新たな機器の特許を取得したり、E-Catの追試を行った上で、E-Catの特許に抵触しない新たな方式を考える人が出てきたり、様々な動きが加速すると思われます。面白くなってきました。

最後に、多くのウォッチャーがこの特許を記事にしていますので、ご紹介しておきます。

E-Cat Worldの記事
A New Patent Application Published for Andrea Rossi’s E-Cat
http://www.e-catworld.com/2014/11/06/andrea-rossis-new-patent-application-published-for/

Facebookのグループ
Cold Fusion, LENR and Andrea Rossi
https://www.facebook.com/groups/ECat.LENR/permalink/1016691335013437/

メーリングリスト
[Vo]:New Rossi Patent Appln..publishes Today
https://www.mail-archive.com/vortex-l@eskimo.com/msg99591.html

E-Catの追試に乗り出しているMFMPの投稿
The HOTCAT Patent application is published... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/861995693831131

Notes on patent application: []=Project Dog... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862010367162997

COP of 11.07 claimed in effectively a mass flow... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862046710492696

Key takeaways from Patent application... - Martin Fleischmann Memorial Project
https://www.facebook.com/MartinFleischmannMemorialProject/posts/862055713825129

ちなみに、プロジェクト名の「Project Dog Bone」は、先日の第三者検証で用いられたE-Catの形状が犬の(咥えている)骨に似ている所から来ています(笑)。

以上

2014年11月3日月曜日

ナノ銀によるピッチブレンドの放射線低減実験

ナノ銀による放射線低減実験に興味を持っている私の友人が、たいへん興味深い実験結果を送ってくれました。

ピッチブレンド(pitchblende、瀝青ウラン鉱)と呼ばれる鉱石があります。ピッチブレンドは、ウラニウムやウラニウムの崩壊によって生成されたラジウムなどの放射性物質を含んでおり、強い放射線を放っています。今回の実験では、このピッチブレンドをナノ銀コラーゲン溶液の中に漬け込んで(いわゆるドブ漬け)放射線の低減を観測しています。私と同じく、実験を行った友人はただの素人で、研究者ではありません。実験の組み立て方や測定に不十分な点があるかもしれませんが、ドブ漬けにしたピッチブレンドの放射線を測るという(根気のいる)単純な実験なので、それなりに実験の信頼性はあると考えています。

U8容器の中にピッチブレンドの塊をナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)でドブ漬けにした状態の写真と使用した放射線測定器(Inspector+)の写真を以下に示します(2014年1月2日撮影)。

写真1:2014年1月2日(ナノ銀ドブ漬けの測定開始日)の測定状況

具体的な実験の様子と測定値を以下にまとめます。
  • 測定器: Inspector+、β線とγ線の双方を計測します。
  • 測定値: CPS(Count per Second)、秒当たりの放射線検出カウント数です。
  • 測定対象とするピッチブレンドの重量は、29.75グラムです(写真3)。【2014-11-09追記】
  • ピッチブレンドは、U8容器の中に市販の瞬間接着剤で固定してあります。このU8容器にナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)を満たし、Inspector+を下に置いた状態で、その上にU8容器を載せてCPS値を計測します。
  • 測定位置を一定とするため、油性マジックでU8容器底面に黒印、Inspector+側に赤印を付け、測定時には2つの線「黒印」「赤印」が重なる状態で測定を行っています(写真4)。【2014-11-09追記】
  • 測定時にはできるだけ3回測定を繰り返すようにしましたが、時には1回だけのこともあります。
  • ナノ銀コラーゲン溶液で計測する前に、水を満たして計測した結果を最初の行に示してあります(2014年1月1日、平均66.26 CPS)。1月2日以降の測定はすべてナノ銀コラーゲン溶液にドブ漬けしたものの結果です。

測定結果: 

以下が放射線量をグラフにしたものです。


測定値のリストは ここ に載せました。

2014年1月2日に測定を開始した時点で3回測定の平均が64.50 CPS、その後も2月上旬くらいまでは同じような計測値が続いています。ところが、3月12日の測定で54.21 CPSに値がガクッと下がりました。その後も若干上下していますが、10月23日の測定でも53.95 CPSと値は下がったままです。元の値からすると84%になっており、16%もの低減が観測されたことになります。

写真2: 2014年10月5日の測定状況

写真3:ピッチブレンドの重量測定

写真4:黒印と赤印を合わせて測定している様子

考察: 

これまで、ナノ銀による放射線低減効果は、セシウムとカリウムについて観測されてきました。
今回、別の実験者によって、ピッチブレンドに対しても放射線低減効果がありそうな結果が示された事になります。ナノ銀がピッチブレンドに対してどのように作用しているのか、特に表面より下の層に対してどのように作用しているのかは未解明ですが非常に興味を惹かれます。
もし、ピッチブレンドに含まれるウラニウムやラジウムに対しても放射線低減効果が発揮されるなら、世界や日本でも厄介モノとなっている放射性廃棄物の処理に大きな光明となるかもしれません。これを見ておられる研究者の方々にも是非追試をお願いしたいと思います。

参考: ピッチブレンドの放射線測定の様子(YouTubeに公開されている動画)

当実験での秒当たりのカウント数が高過ぎるのではないかと思ったのですが、ピッチブレンドは非常に強い放射線を出すらしく、このぐらいは出てもおかしくないようです。YouTubeには強烈な値を計測しているピッチブレンドの計測画像が色々とあがっています。

以上



札幌で開催されたJCF-15のプログラムとアブストラクト

日本の常温核融合研究会JCFの第15回例会が11月1日〜2日に札幌で開催された筈です。
残念ながら、今回は仕事と旅費(笑)の都合がつかず参加できませんでした。




アブストラクトから、今回の発表案件を拾ってみると以下のようになっています。

Experiment-1 Chairman; Y. Iwamura (Mitsubishi H. I.)

13:10-13:45 JCF15-1 Kitamura et al. (Technova Inc., Kobe U.)
Comparison of some Ni-based nano-composite samples with respect to excess heat evolution under exposure to hydrogen isotope gas

13:45-14:10 JCF15-2 H.Kudo et al. (Iwate U.)
Deuterium adsorption test using Pd-Ni and Pd-Ag multi-layered samples.

14:10-14:45 JCF15-3 T. Mizuno et al. (Hydrogen Eng. A&D Co.)
Analysis of Heat Generation using Pd and Ni Fine Wires

Theory-1 Chairman; S.Narita (Iwate U.)

15:00-15:35 JCF15-4 A. Takahashi (Technova Inc.)
Background for Condensed Cluster Fusion

15:35-16:00 JCF15-5 K.Tsuchiya (NIT, Tokyo College)
Convergence Aspect of the Self-consistent Calculations for Quantum States of
Charged Bose Particles in Solids

Experiment-2 Chairman; T. Mizuno (Hydrogen Eng. A&D Co.)

10:00-10:25 JCF15-6 C. Nishimura et al. (National Institute for Materials Science)
Deuterium and hydrogen permeation of Pd-Ag and V-Ni alloy membranes with multi-layered CaO/Pd

10:25-10:50 JCF15-7 Y. Iwamura et al. (Mitsubishi H. I.)
Increase of Transmutation Products by Electrochemical Deuterium Permeation through Nano-Structured Pd Multilayer Thin Film

Theory-2 Chairman; K.Tsuchiya (NIT, Tokyo College)

11:05-11:30 JCF15-8 H. Miura
Computer Simulation of Hydrogen Phonon States in Palladium Metal

11:30-12:05 JCF15-9 A. Takahashi (Technova Inc.)
Is Gamma-Less Transmutation Possible? -The Case of Metal plus TSC and BOLEP-


以上