2015年1月17日土曜日

CFRL News 89 (2015.1.10)発行~軽水系の常温核融合反応発見者は誰だったのか?

小島英夫博士の常温核融合研究所ニュースの新しい号「CFRL News 89 (2015.1.10)」が発行されました。以下から英語版と日本語版の両方をダウンロードできます。


今回は、「CFP 研究の歴史から(3)― R.T. Bush et al. [Bush 1993,1994] による軽水系での核変換の検出」という記事を興味深く読みました。

記事の中にある以下の記述通り、重水素でも軽水素でも常温核融合反応は確認されてきました。
「常温における核反応が重水系と軽水系の両方で起こっている」と考えないと説明できない現象が常温核融合現象なのだということは、動かしがたい事実であると言ってよいでしょう
この中で、軽水系の常温核融合反応の証拠を最初に得た研究者は誰だったのか・・・という疑問について以下の指摘がされています。
Taubes と Huizenga が彼らの著書で同時に取り上げている、Pons についての逸話は、軽水系の常温核融合現象を最初に経験したのが Fleischmann たちではなかったのか、という疑いを持たせるものです。その逸話は、こういうものです:重水系の実験の参照実験(control experiment)として軽水系の実験を行う必要を指摘されたときに、Pons は「軽水系での参照実験をやったが、そこでも過剰熱が測定されることがあったので、重水系での発熱の基準として軽水系を使うことは適当でない」という意味のことを述べたということです・・・<略>
この逸話は、一般には、“Fleischmann たちの過剰熱測定は信用できない”という風に受け取られていて、常温核融合現象自体の存在がインチキだということの一証左、それも大きな証拠と考えられているようです。しかし、その後の 25年間におよぶ実験研究は、軽水系でも常温核融合現象が起こることを明瞭に示しています。重水系と軽水系とで、異なった原因で常温核融合現象が起こると考えることも可能で、多くの試みがなされているのは事実です。
しかし、両者に共通の、これまでに知られていなかった核物性が存在して、軽水系と重水系における常温核融合現象を共通の原因・機構で説明できるのではないか、という立場での解析をすることも可能です。
本当のことは分かりません。でも、もしかすると、フライシュマン博士とポンズ博士は軽水系での常温核融合反応をも発見していたのかもしれない・・・と考えるのは面白いですね。もしかすると、ずっと最初からヒントは投げかけられていたのかもしれません。

以上

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