本年最初の話題は、原油価格の下落と常温核融合の関係についてです。E-Catの第三者検証レポート第二弾をいち早くWebで公開したSifferkoll社は、このレポートが下落の引き金を弾いたという説を展開しています。12月30日にも「Big Banks and Big Oil Increasing their already Massive Short Position in WTI Crude Oil (/CL)」という題名の記事が公開されました。記事は以下のような文章から始まっています。
CFTC.GOV CoT data from December 16 reveales that while WTI oil went from $68 to $55 the big banks and oil companies were among the sellers. During the two week period from Dec. 2 to Dec. 16 they increased their already massive short position by ~40,000 contracts to a ~380,000 contract short position. A more than 10% increase in two weeks…これによると、WTI原油価格が$68から$55に値下がりしたにも関わらず、巨大銀行と石油会社はショートポジションを拡大している(=値下がりを予測した投資を行っている)ようです。まだまだ下落は続くと予想されているのです。(経済の知識が不足しているので間違っていたらすみません。気になる方は原文を確認してください)
そして、この値下がりが従来のトレンドを逸したものであることを示すために、米国株式市場における小型株式セグメントのパフォーマンスを示す指標であるラッセル2000と原油価格の比率を時系列で追ったグラフを載せています(下図)。
私は、この比率の意味を理解していません。しかし、右端の方にある10月初めから明らかに傾向が変わった事は分かります。そして、その節目で何が起こったか? 節目である10月8日は、ロッシ氏の常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾(通称Lugano Report)が公開された日なのです。
原油価格を決める要因は多数あります。今回の下落についても、世界的な不況による需要減退やシェールガス対抗のための供給過剰の要因などが指摘されています。まだ殆ど認知されていない常温核融合技術が要因になっているとは信じ難いところがあります。
それでも、この奇妙なタイミングの一致は気になります。もしかすると、常温核融合は私が想像していたよりも遥かに大きな衝撃を世界経済に及ぼし始めているのかもしれません。Lugano Reportでは、E-Catが32日間にわたって安定したエネルギーを生産し続けられる事と共に、使用前・使用後で燃料の同位体構成が変わっている事が確認されました。何らかの核反応によって、非常に高い効率で安全にエネルギーが生産できると分かったのです。
まだE-Catは実用化されていません。しかし、あと数年のうちに実用化されるのは間違いないでしょう。E-Catの主燃料は水素・ニッケル・リチウムと見られています。エネルギー発生効率の高さから見て、もはや人類はエネルギーの枯渇を心配する必要は無くなりました。つまり、石油の枯渇を気にする必要が無くなったのです。
これまで、石油は「いつか枯渇するエネルギー源」でした。余りにも当たり前で意識しなかったのですが、実はその前提が石油の価格を支えて来たのかもしれません。この前提が崩れたために、石油は売り手の多いコモディティ商品の一つになったのではないでしょうか。そうだとすれば、価格の叩き合いで、原価に「適正な」利益を乗せたところまで値下がりは続くでしょう。その適正さを決めるのは、原産国ではなく市場です。
私は、なぜオバマのような政治家が常温核融合を高らかに発表しないのか疑問に思ってきました。過剰な期待だっただけなのかもしれませんが、上記のような考察が正しいなら、もしかするとインパクトが大きすぎてコントロールできなくなるリスクが高いからなのかもしれません。2015年には政治や社会が大きく変わって行くでしょう。その真因を見極める際には、常温核融合を頭に入れて考えたいと思います。
以上
私見ですが、リチウムについて、中性子の減速材として利用されていると推定しています。酸化ニリチウム(Li2O)の熱中性子(低速中性子)に対する平均自由行程は、0.17cmと高熱下で安定している物質で一番短いためです。参考 核融合炉中性子工学 http://jasosx.ils.uec.ac.jp/JSPF/JSPF_TEXT/jspf1986/jspf1986_09/jspf1986_09-196.pdf
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