まず、基本的な流れは以下のようになっています。
- E-Cat 1MW発熱プラントの350日間長期テスト(ERV)は終了した(実験終了は2016年2月15日)。
- ERVへ出資したのはインダストリアル・ヒート社とレオナルド社(ロッシの会社)であり、双方の手元にテスト報告書は届けられた。
- ERVが所定の条件を満足した時には、インダストリアル・ヒート社は、レオナルド社に対して$89M(約98億円)を支払う契約になっていた。
- しかし、インダストリアル・ヒート社は所定の条件を満たしていないとして支払いを拒否。これに対して、レオナルド社がインダストリアル・ヒート社を告訴した。
- この告訴資料が公開されており、上記の契約条件など詳細な情報が世に知られることになった。しかし、ERVレポート自体はまだ公開されていない。
この契約書を元に状況を紐解いた記事が以下にあります。契約ではCOPが6を越えれば、$89Mを払う事になっていたようなので、COP>50は大成功だったと言えるでしょう。しかし、インダストリアル・ヒート社はそれだけでは契約条件を満たさないとして払わなかったと。
支払い期限は、報告書が完成してから数日後だったらしいのですが、期限の後、間髪を入れずレオナルド社はインダストリアル・ヒート社を訴えたようです。要するに、レオナルド社はインダストリアル・ヒート社が払わないであろう事を前々から認識していたのですね。
また、E-CatのIP(知的財産権)はレオナルド社にあるようです。最初の頃のニュースでは、インダストリアル・ヒート社がIPを買い取ったと流れていたのですが、その後、ロッシ氏はIPは自分のものであり、インダストリアル・ヒート社は販売ライセンスを買っただけだと主張していました。どうやら、ロッシ氏の主張が正しかったようです。
盟友関係にあると思っていたインダストリアル・ヒート社とレオナルド社が訴訟で対峙することになるとは意外でした。ただ、この訴訟を機に、ロッシ氏は、積極的に情報を公開するスタンスを取る可能性が指摘されています。そうなるなら、世界全体にとっては良いことだったのかもしれません。いずれにしても、今後の展開を注意して見ていく必要があるでしょう。
以上
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