2015年12月27日日曜日

群分離・核変換技術評価作業部会でのImPACTの凝縮系核科学への言及

文部科学省の「原子力科学技術委員会 群分離・核変換技術評価作業部会(第9回)議事録」の中に、ImPACTの藤田玲子プログラムマネージャーが凝縮系核科学(常温核融合)について説明されている部分がありましたので紹介します。プロジェクト説明としては当たり前のことでしょうが、文部科学省の議事録の中に「凝縮系(核科学)」や「常温核融合」の文字を見るのは新鮮な感じがしますね。



藤田玲子博士(国立研究開発法人科学技術振興機構革新的研究開発推進室ImPACTプログラムマネージャー)の発言で、常温核融合に言及しているのは以下の部分です。
23ページ目の下半分,新しい核反応制御に対するアイデアを募集しました。実は10件応募がありまして,1年のフィージビリティということで8チームを一応採択しております。東京都市大学,東北大学,原子力機構のグループと東北大学,MHI,それから核融合研,中部大,阪大2件と原子力機構,理研,それから京大,原子力機構,兵庫県立大,原子力機構というグループです。
まず24ページ目ですけれども,都市大学のグループは,冷中性子を使う。冷中性子を使うと非常に核変換の効率が上がるというアイデアでして,これを1年間フィージビリティしていただいて評価しています。
2番目が凝縮系で,これは1989年ごろに常温核融合という言葉を聞いたことがおありだと思いますが,これを核変換に転換したものでして,実は,三菱重工がこれをメインに開発されていた研究者が東北大に移られたということもありまして,東北大と三菱重工が共同して進めているものです

藤田玲子博士は以下のプレゼン資料を使われたようです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/070/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/11/09/1361284_1_2.pdf


以下のページに「凝縮系」の説明があります。


凝縮系
“常温核融合”以来、継続して研究を続け、Pdを添加したナノ反応膜に重水を透過させることにより核変換を起こす現象の観測で世界をリード。
理論が解明できていないものの革新的な提案であり、その現象が解明できれば社会的に大きなインパクトをもたらす。
→東北大
核物理の専門家を擁し、放射性元素を用いた試験が可能な施設を有しており、これまでも当該研究を実施してきている。
→三菱重工業
当該研究の発案者がおり、元素変換技術に関する豊富な経験と知見を有する。

以上

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