2013年4月29日月曜日

スウェーデンのR&D会社ELSFORSKがE-Cat研究予算を確保

Ecat Worldの記事で知りました。スウェーデンのELSFORSKという名前のエネルギー分野のR&D会社が、2012年8月31日に発行した2013年開発計画書(PDF)で、E-Cat技術を研究対象として予算を確保すると表明しています。(以下の画像はこの文書の表紙です)
この文書のP51にE-Cat技術研究の目的と取り組みが載っています。スウェーデン語なので私にとっては暗号のようですが、E-Cat Worldがその英訳を掲載してくれています。その一部を引用すると以下のように、E-Catの過剰熱発生の科学的な研究、発熱のプロセス・パラメタ・リスク等の解明、将来の発電・発熱に向けた道程の分析が目的として挙がっています。
The goal of Elforsk’s project is to:
  • Support scientifically conducted studies that analyze whether energy catalyst E-Cat gives off the heating effect as stated in various demonstrations
  • Support the attempt to determine the process that can cause heat generation and how the variation of different parameters can influence and analyse possible risks or other adverse effects
  • Analyze the importance of the process (if it works) for future electricity and heat production.

具体的な予算額も記載されていて、2012年には20万スウェーデンクローナ(約300万円)、2013年からは200万スウェーデンクローナ(約3000万円)が計上されています。研究予算としては、それほど大きくありませんが、E-Catを名指しで研究対象としているのは驚きです。
面白いことに、以下のELFORSK社の紹介ページを見ると、電力産業などのエネルギー企業が集まって、このELFORSK社をR&Dのために設立したとのこと。私は、常温核融合技術の登場によって、既存のエネルギー企業は厳しい挑戦を受ける側だと思っていたので意外でした。しかし、考えてみればエネルギー企業がE-Cat等の常温核融合の取り込みに熱心になるのは必然なのかもしれません。常温核融合技術を放置しておけば、既存のエネルギー源を抱えたまま、価格下落・利益率圧迫の圧力に曝され続けるでしょう。それならば、逸早く常温核融合を取り入れて、既存のインフラの強みを活かしつつ、新たなエネルギー源ミックスで存続を図るのが当然の戦略になってもおかしくありません。

思い起こされるのは、ロッシ氏は今まで決して「既存エネルギーを食う」とは言ってなくて、水を向けられると必ず「既存エネルギーと共存、補完していく」と答えている事です。もしかすると、ロッシ氏には既存エネルギー会社が大顧客として見えているのかもしれません。今後のエネルギー産業の有為転変は非常に興味深いものになりそうです。


以上

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