前回の記事でリンクだけ張ったJed Rothwell氏の記事「Notes on ICCF15, part 1」から興味深い部分を引用させていただきます。以下、※を付けた文は私の感想です。
[Vo]:Notes on ICCF15, part 1
Jed Rothwell
Mon, 12 Oct 2009 06:45:43 -0700
■引用開始Many new and important results were presented. In contrast to recent conferences, there were no rehash presentations of research done long ago or results presented at earlier ICCF conferences, although many described progress or incremental improvements to work presented earlier. Both the audience and the presenters included many younger people, especially from the U.S. Navy, the ENEA and Japanese universities. By "younger" I mean people in their 30s and 40s, rather than retired professors in their 70s.■引用終了
赤字部分の勝手な和訳:
聴衆にも発表者にも多くの若い人々が見受けられ、特に米国海軍研究所、ENEA、日本の大学からの参加が目立っていた。ただ「若い」と言っても30代や40代の事であり、70代の退任した教授達と比較しての話である。
※30代・40代の研究者が増えたのは朗報だと思います。常温固体核融合研究の一番の懸念は研究者の高齢化だったので、若い新規参入者が増えるのは素晴らしい事だと思います。
■引用開始There appears to be lot of new funding for the research, perhaps a million dollars or more per year. That's a lot by the standards of cold fusion. There may be more effective funding now than there has been since 1990. I cannot judge whether the dollar amounts are greater, but the talent and instruments being brought to the subject are the best they have ever been, with people from the NRL and two or three U.S. universities with capabilities that rival long-time researchers at SRI and the ENEA.■引用終了
赤字部分の勝手な和訳:
研究に対して新たに多額の投資が集まったようだ。おそらく年間100万ドル(約1億円)かそれ以上の額ではないだろうか。これは、常温核融合の標準からすれば十分に多額なのだ。1990年代に行われた投資に比べると今の投資はずっと効果的だろう。この金額がかつての投資金額を上回っているかどうかは分からないが、過去最高の人材と設備が集まってきている。NRLや2、3の米国の大学の人材や能力は長年にわたって研究を続けているSRIやENEAに匹敵するものがある。
※これも良いニュースです。熱核融合の予算に比べれば雀の涙かもしれませんが、政府機関や企業の認知が進んでいる事を示していると思います。
■引用開始(I have to be circumspect about some aspects of this report, such as describing which universities are doing what. They have not yet gone public. They do not want to alert people such as Robert Park who oppose cold fusion. Park and others like him try to derail funding and destroy the researchers' reputations by various methods such as publishing assertions in the mass media that the researchers are frauds, lunatics and criminals.)■引用終了
赤字部分の勝手な和訳:
このレポートのある部分は慎重に書かなければならない。例えば、どの大学が何をしているかについての記述だ。これらはまだ公になっていない。研究者は、ロバート・パークのような常温核融合に反対する人間に警戒体制を取らせたいとは望んでいない。パークや彼に類する人達は、投資を頓挫させ、研究者の評価をぶちこわそうとする。例えば、研究者が詐欺師、変人、犯罪者だとマスメディアで主張するといった様々な手段を使って。
※ロバート・パーク博士については、「常温核融合を否定するパーク博士は論文を読んでなかった?」でも取り上げましたが、常温核融合研究をまるで親の敵のように思っているようです。ニセ科学だと非難する人が必ずしも科学的とは限らない皮肉な例になっています。常温核融合の研究者側にも積年の恨みがある感じですね。Jed氏の記事はまだまだ続きますが今日はこの辺で終わります。
以上
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