まえがき
今回は、常温固体核融合とは関係ないかもしれない話題のエントリです。
重要だと思っているので、しばらくこの話題を続けるかもしれません。区別をつけるため、常温固体核融合のエントリには「常温固体核融合」というラベルを付け、今回から開始する地下への注水と地震の関係についてのエントリには「地下注水と地震」というラベルを付ける事にします。
以下のブログの記事が常温核融合を疑似科学とみなしておられたようなので、コメント欄で議論させていただきました。
民主党と常温核融合
元々の話題は、風間直樹議員が2007年10月31日の災害対策特別委員会で行った質疑(※3)の是非でしたが、議論が混線してもいけないので当初は特にコメントするつもりはありませんでした。
しかし、この記事を見た後、昨晩、アエラ09年10月12号(No.47)(※1)を見て、非常にビックリしたので、先ほど追加でコメントさせていただきました。【追記:2009年10月12日01時現在、私の追加コメントはまだ表示されていないようです。私の入力ミスなのか、未承認なのかは分かりません。本論にはさして影響がないし、何を書いたかを正確に思い出せないので、コメントの再録は致しません。】
コメント欄ではうまく手短に表現できなかったので、改めてここで述べさせていただきます。
まとめ
(※1)に示したアエラの記事「ダムが地震を誘発する」(P75~77)には、08年5月に試験湛水が終わった徳山ダムの周辺で09年1月18日から9月30日までに約1000回もの地震が起こった事実が記されています。一方、07年4月に発行された山本寛氏の著書「仮説 巨大地震は水素核融合で起きる!」(※2)では、地下への注水により地震が引き起こされる現象が指摘されており、実に徳山ダム周辺で地震が起こるリスクが予想されていたのです。もし、山本寛氏の想定が正しいとすると、徳山ダム周辺では今後も地震が続き、最悪の場合、大地震が起こるリスクがあると考えます。
早急に有識者による対策会議が必要だと思うので、いささか大袈裟かもしれませんが、まず風間議員に本件を連絡するつもりでいます。今後の動向には要注意だと思います。
参考文献
- (※1)アエラ09年10月12号(No.47)
「ダムが地震を誘発する」(P75~77) - (※2)仮説 巨大地震は水素核融合で起きる!
山本 寛 (著)
単行本: 239ページ
出版社: 工学社 (2007/04)
ISBN-10: 4777512819
ISBN-13: 978-4777512812
発売日: 2007/04
http://www.amazon.co.jp/dp/4777512819 - (※3)第168回国会 災害対策特別委員会 第3号 平成十九年十月三十一日(水曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/168/0019/16810310019003a.html
補足
幾つかの調査・研究結果から、「地下に注水すると地震が起こる」という奇妙な関係性が指摘されています。地下への注水により地震が起こった例や、ダムに湛水した後、ダム周辺で地震が頻発するようになった例は実は沢山存在するのです。
この現象を説明する仮説を提示したのが上記の(※2)の著作です。この本には、地下に注入された水が、地中に含まれる金属成分で酸素を剥ぎ取られ、水素原子状になって、何らかのプロセスで水素核融合爆発を起こすのが地震の正体ではないかとの仮説が述べられています。この仮説自体は「仮説」に過ぎませんが、仮説の元となった水と地震の相関関係(事実提示)には注目すべきです。
驚くべき事に、(※2)の本には、徳山ダムが地震を引き起こす事が予想されています。アエラの記事(※1)で記された今年発生している事態が07年4月発行の本で予想されていたのです。
ちなみに、風間議員が質疑の中で述べている仮説は理解が間違っていると思います。しかし、風間議員の本来の質問の趣旨は、CO2貯留やダム建設のプロジェクトでは、必ず誘発地震の可能性とリスクを調査すべきだというもので、至極真っ当な見解だったと思います。
風間議員の主張は以下と理解しています。
- 米国では水やCO2の地下への注入によって地震が発生する危険性がある事が公式に認知されていて、事業者が守るべき法律まで制定されている。
- また、「ダムを造ると、その後地震が発生する」という報告もされており、地質調査所で以下のような結論をまとめている
(1)貯水による誘発地震を考慮する必要がある。
(2-1)自然に起きる最大の地震よりも大きな地震を誘発することはないだろう。
(2-2)その地域で自然に起きる最大規模の地震の発生の可能性は高くなるかもしれない。
(3)もしダムを建設するなら、ダム着工前に地震計を多数配置して基礎データを集める必要がある。 - 既にこれだけの認識が米国にはあるのに、地震多発国日本では全く問題にされてないのはオカシイ。CO2貯留やダム建設のプロジェクトでは、必ず誘発地震の可能性とリスクを調査すべきだ。
以上
民主党と常温核融合のリンク先のブログ主は創価学会員なので政治的にも科学的にもかなりバイアスがかかっているようにみえます。
返信削除ご存知かと思いますがCBS60ミニッツでも常温核融合を取り上げました。↓
http://www.youtube.com/watch?v=Pl8PNbey3YM&feature=related
最近このブログを知ったのですがたまに見させてもらおうと思います。頑張って続けてください。
匿名さん、励ましありがとうございます。
返信削除Breakfast-Club氏が熱心な創価学会員だというのはコメントした後で気がつきました。私とは違う立場ではありますが、科学の話題については、ある程度は共通の認識に到達できると期待して議論していきたいと思います。
CBSの番組は、作っている人が良くポイントを押さえている感じがしますね。ダンカン博士は、これがきっかけで常温核融合に目覚めてしまったみたいだし、世の中に影響を与えた番組ですね。