2012年1月15日日曜日

E-Cat登場一周年

E-Catが初めて世界に姿を表したのは、昨年1月14日にボローニャ大学で行われた公開実験でした。それからちょうど一年たちました。E-Cat登場一周年おめでとうございます。

この一年、E-Catに関する様々な動きがありましたが、最近フォローできていなかったので、主に以下のサイトのニュースを中心に紹介してみます。
http://cold-fusion.asia/
常温核融合 常温核融合LENRエネルギーのニュース

ちなみに、このサイトは自動翻訳かと思っていたのですが、翻訳の質が良いので、もしかすると誰かが人力翻訳してくれているのかもしれません。この場を借りて御礼申し上げます。特に、作家のFrank Aclandさんが良質の記事を載せているE-Cat Worldの内容を把握するのに助かっています。

ロッシ氏は、昨年暮れにE-Catのビジネス・開発戦略を大きく変更しました。以前は、1MWプラントのような大型の装置の販売を主力とし、家庭用のような小型の装置はまだ先の話と位置付けていました。しかし、今や、家庭用の小型E-Catの開発・販売を戦略の主力に変更し、今年の冬に大量販売を成功させようとしています。
おそらく、デフカリオン社やFrancesco Piantelli博士らがライバルとして市場に名乗りをあげるのは近いとみて、装置の大量製造技術や販売網の整備を先に行う事で、先行者の優位性を固める方針に変えたのでしょう。

それでは順不同で紹介します。

■PESNのSterling Allan氏によるロッシ氏のインタビュー (1月15日)
http://www.e-catworld.com/2012/01/andrea-rossi-interviewed-on-the-smart-scarecrow-radio-show/
一周年を記念した1時間半にわたるロッシ氏のインタビューです。英語を聞きとるのはつらいので、インタビューの要旨をまとめてくれた以下の投稿を勝手に和訳してみます。
http://www.mail-archive.com/vortex-l%40eskimo.com/msg61170.html

10 kW home E-Cat is the size of a portable computer.
10 kW の家庭用E-CatはポータブルPCの大きさです。

Rossi calls the recharges "Energy Sticks", fits with the ball point pen refill statement.
ロッシ氏は、交換燃料を「エネルギースティック」と呼んでいる。ボールペンの替芯(リフィル)のようなイメージ。

Replacement is simple and can be done by anyone.
燃料交換は簡単で、誰にでもできます。

No H2 canisters used. Reactor stores and recycles the H2. Only uses picograms of H2.
水素補給のための容器は使いません。反応装置が水素を保持し、再利用します。ピコグラム程度の水素しか使われません。

Reactor control is via regulation of operational heat point.
装置の制御は、熱源の出力を一定にする事で行われます(意味がよく分かりませんでした)。

Fuel lasts 4,320 operational hours (180 days at 24 hours a day).
燃料は4320時間持つ。つまり、24時間運転で180日間。

E-Cat will signal when refill is needed.
燃料交換が必要な時はE-Catが知らせます。

Customer can purchase several refills and keep them in stock.
顧客は複数本のリフィルを買い置きしておけます。

Cost of the refill to the customer will be $10 plus installation if needed.
リフィルの価格は10ドル程度。

Will be available via internet sales.
インターネットでも販売もします。

Home units will run in self sustain mode.
家庭用装置はセルフサステインモードで運用されます。

512 keV 180 deg Gammas have been detected.
512 keV 180 degのガンマ線が検出されています。

1st 1 MW plant is in modification. Should be operation in 1 - 2 months.
最初の1MWプラントは改修中です。1〜2ヶ月で運用できるようになります。

12 additional 1 MW plants are being built.
12台の1MWプラントを製造中。

1 additional 1 MW plant has been sold to another customer.
もう1台の1MWプラントが別の顧客に売れている。

UL certification of the home E-Cat is in process.
現在、家庭用E-CatのUL認証を得る作業中。

2.7 to 2.9 kWs needed for 1 hour to start the home 10 kW E-Cat.
家庭用E-Catを起動するのには、2.7〜2.9 kWの電力が1時間ほど必要です。

Home E-Cat has only 1 reactor.
家庭用E-Catは1台の反応装置からなります。

Rossi claims the RFG helps the Coulomb barrier work with the reaction and not against it.
ロッシ氏は、RFG(何の事でしょう?)がクーロン障壁を乗り越える手助けをしていると主張しています。

First E-Cat factory is in Florida. Rossi is going to Massachusetts to further discuss building another E-Cat plant there.
最初のE-Cat製造工場はフロリダにあります。もう一台のE-Cat製造工場をマサチューセッツ州に建設する意向です。

Home E-Cat production will start in the US fall. Sales will start in the US winter.
家庭用E-Catの製造は秋に開始予定。冬に米国で販売開始予定。

Rossi is not interested in family investors as the business is still risky.
ロッシ氏は個人投資家(?)に興味はない。まだビジネスがリスキーだから。

Large hedge funds are welcome but only with a small % investment.
大きな機関投資家は歓迎します。但し、小さい割合の投資ならば。

Does plan to go public.
計画は公開していきます。

Home E-Cat has a 30 year expected life.
家庭用E-Catの想定寿命は30年。

Customer price between $400 to $500 for a home E-Cat 10 kW thermal unit.
家庭用E-Cat(10 kWの熱出力)の価格は400ドルから500ドル程度を予定。


■燃料補給計画の変更
http://cold-fusion.asia/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E6%B0%8F%E3%81%AFe-cat%E3%81%AE%E7%87%83%E6%96%99%E8%A3%9C%E7%B5%A6%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%82%92%E5%A4%89%E6%9B%B4
ロッシ氏はE-catの燃料補給に関しての計画を変更

以前、ロッシ氏は、家庭用E-Catの半年毎の燃料交換は、専門の代理店によって実施する予定と語っていましたが、彼のブログの中でこれを訂正。お客自身の手で燃料交換できるようにすると語りました。
これが上述のインタビューで詳しく語られた話です。

■ホーム・デポとの交渉(1月3日〜4日)
http://cold-fusion.asia/e-cat%E6%B5%81%E9%80%9A%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%9D%E3%81%A8%E3%81%AE%E4%BC%9A%E8%AB%87%EF%BC%8Dcah-flow%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA
E-cat流通のためのホーム・デポとの会談-Ca$h Flowラジオでジェームズ・マルティネス氏とのインタビュー

元の記事は以下だと思われます。
http://www.e-catworld.com/2012/01/rossi-in-talks-with-home-depot-for-e-cat-distribution-interview-with-james-martinez-on-cah-flow-radio/
Rossi in Talks With Home Depot For E-Cat Distribution — Interview With James Martinez on Ca$h Flow Radio
January 3, 2012

Ca$h Flowというラジオ番組でのインタビューで、家庭用E-Catの流通について、Home Depot(米国最大の住宅リフォーム小売チェーン店)と話をしていると明かしました。
この件には続きがあって、ネット上でかなり話題になったせいか、ロッシ氏は「協議している段階であって、まだ何も契約には至っていない」と追加の声明を出しました(以下)。

http://www.e-catworld.com/2012/01/rossi-on-home-depot-talks-no-agreement/
Rossi on Home Depot — Talks, No Agreement
January 5, 2012

■ナショナル・インスツルメンツ社(NI社)との協業がE-Catの発展に大きく寄与 (1月9日)
http://cold-fusion.asia/%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%84%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E6%B0%8F%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AFe

元の記事は以下だと思われます。
http://www.e-catworld.com/2012/01/the-national-instrumentse-cat-connection/
The National Instruments/Rossi Connection Strengthens Case For the Validity of E-Cat
January 9, 2012

ロッシ氏は、NI社との協力関係がE-Catに対して非常に良い影響を与えたことを認めています。家庭用E-Catのプロジェクトが現実性を帯びてきたのも、NI社の協力による制御・製造技術の進化が背景にあったからではないかと想像します。
また、Frank氏が文中で指摘しているように、NI社が公式にロッシ氏との関係を認めている事は、ロッシ氏の主張を裏付ける強力なエビデンスです。
以下のように、NI社はプレスリリースの中で、ロッシ氏のレオナルド社がNI社のツールを用いる意向であると公式に認めているのです。

http://digital.ni.com/worldwide/bwcontent.nsf/websearch/2c6b449a3f0f8f3a862579480060a07f
 In physics specifically, NI has contributed product solutions to some of the most advanced projects including the CERN Large Hadron Collider (LHC) and tokamak fusion device control systems. Additionally, the Leonardo Corporation has intentions to incorporate NI tools in its control system.

■E-Catを信頼する理由 (1月12日)

http://cold-fusion.asia/%E3%81%AA%E3%81%9C%E7%A7%81%E3%81%8Ce-cat%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%81%8C%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%8B%E3%81%A8%E4%BF%A1%E3%81%98%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%80%80%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3
なぜ私がE-cat革命が起こると信じているか フランク・アクランド

元の記事は以下だと思われます。
http://www.e-catworld.com/why-i-believe-in-the-e-cat/
この記事の中で、著者のFrank氏がE-Catを信じる理由として、Sergio Focardi、Guiseppe Levi、Sven Kullander、Hanno Essenといった科学者達がロッシ氏の主張を支持している点を挙げています。彼らにとってみれば、インチキを看過するのは学者生命に関わる重大事でしょう。もしE-Catがインチキだとして、彼らの目の前で実験をして、それでも嘘をつき通すことができるだろうか、という話です。Frank氏は、E-Catによって世界に変革がもたらされると信じています。もちろん、私も信じています。

最後にFrank氏の本の宣伝です。Frank氏が、What if Energy Was Free? というブログ記事で語ったところによると、以下の小説は、エネルギーが誰でも自由に幾らでも使えるようになった社会を想定して書かれているそうです。残念ながら英語だと読む気力が起きないので、早く日本語訳が出るのが待ち遠しいです。と言いながら、英語のKindle版は購入してしまいましたが・・


以上