2015年12月27日日曜日

群分離・核変換技術評価作業部会でのImPACTの凝縮系核科学への言及

文部科学省の「原子力科学技術委員会 群分離・核変換技術評価作業部会(第9回)議事録」の中に、ImPACTの藤田玲子プログラムマネージャーが凝縮系核科学(常温核融合)について説明されている部分がありましたので紹介します。プロジェクト説明としては当たり前のことでしょうが、文部科学省の議事録の中に「凝縮系(核科学)」や「常温核融合」の文字を見るのは新鮮な感じがしますね。



藤田玲子博士(国立研究開発法人科学技術振興機構革新的研究開発推進室ImPACTプログラムマネージャー)の発言で、常温核融合に言及しているのは以下の部分です。
23ページ目の下半分,新しい核反応制御に対するアイデアを募集しました。実は10件応募がありまして,1年のフィージビリティということで8チームを一応採択しております。東京都市大学,東北大学,原子力機構のグループと東北大学,MHI,それから核融合研,中部大,阪大2件と原子力機構,理研,それから京大,原子力機構,兵庫県立大,原子力機構というグループです。
まず24ページ目ですけれども,都市大学のグループは,冷中性子を使う。冷中性子を使うと非常に核変換の効率が上がるというアイデアでして,これを1年間フィージビリティしていただいて評価しています。
2番目が凝縮系で,これは1989年ごろに常温核融合という言葉を聞いたことがおありだと思いますが,これを核変換に転換したものでして,実は,三菱重工がこれをメインに開発されていた研究者が東北大に移られたということもありまして,東北大と三菱重工が共同して進めているものです

藤田玲子博士は以下のプレゼン資料を使われたようです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/070/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/11/09/1361284_1_2.pdf


以下のページに「凝縮系」の説明があります。


凝縮系
“常温核融合”以来、継続して研究を続け、Pdを添加したナノ反応膜に重水を透過させることにより核変換を起こす現象の観測で世界をリード。
理論が解明できていないものの革新的な提案であり、その現象が解明できれば社会的に大きなインパクトをもたらす。
→東北大
核物理の専門家を擁し、放射性元素を用いた試験が可能な施設を有しており、これまでも当該研究を実施してきている。
→三菱重工業
当該研究の発案者がおり、元素変換技術に関する豊富な経験と知見を有する。

以上

イタリア議会で常温核融合が報告される

先月末の話ですが、Facebook上でMFMPが2015年11月24日にイタリア議会で開かれた会議について書いてくれていました。これは「超革新的研究」に関する会議で、地震予知と常温核融合がテーマとして議論され、常温核融合については、著名なFrancesco Celani博士が40分間以上を使って報告したそうです。


Francesco Celani was a key speaker at recent, public, Italian Senate meeting about LENRThe successful meeting was...
Posted by Martin Fleischmann Memorial Project on 2015年11月29日


興味深いのは、常温核融合が研究テーマの一つに取り上げられている日本のImPACTプロジェクトについて言及されている点です。MFMPが参照しているCelani博士の報告書の中にはImPACTと岩村康弘博士の研究に言及しているページがあります。

Francesco Celani’s presentation to the Senate of November 24, 2015
https://goo.gl/klKrXB


日本のImPACTがイタリアに影響を与えて、イタリアでも国家的な常温核融合研究プロジェクトが立ち上がると良いですね。最後にMFMPが参考文献として挙げている文献リストを引用します。

A) Transmutation project of Iwamura;
Iwamura MIT 2014
First public presentation, after Congress ICCF-18 (2013), where they showed that the rate of transmutation by electrolytic methods is about a thousand times faster than previous gas based approach. (Presentation to the prestigious MIT in Cambridge-Boston (USA))
https://goo.gl/Mj27bk

B) ImPACT project in Japan;
Iwamura ICCF-19
Introduction of project ImPACT, from a purely scientific point of view and limited organizational, given by Iwamura Conference at ICCF-19 (Padua, 13 to 18 April 2015).
https://goo.gl/4rAktG

C) LOS methodology;
AIRM. 15/11/2014 FS3A
Figure 3 Summary of the procedure LOS (Live Open Science) in Italian language.
The text is, in intent, self-explanatory
https://goo.gl/CFhXiO

D) Francesco Celani’s presentation to the Senate of November 24, 2015
https://goo.gl/klKrXB
Additional detail:
Dr. Kazuko + Kyuma
Document, complex and diverse, essentially policy-Scientific-Technological Entrepreneurship.
https://goo.gl/vn17eM


以上

2015年12月26日土曜日

E-Cat Xは直接電力を取り出せるとロッシ氏が発言

ロッシ氏が開発中のE-Cat次機種 "E-Cat X" については前々から「熱」ではなく「電力」を直接取り出せるような発言をしていました。今回、E-Cat Worldが取り上げたブログ上の応答では、E-Cat Xでは明確に電力を直接取り出しているとロッシ氏が述べています。以下に引用します(赤字は引用者による)。
James Watt December 26th, 2015 at 5:59 AM
Dr Andrea Rossi,
Can you finally tell us if the E-Cat X is able to produce electricity directly? That would be a Christmas gift!
Happy New Year,
J. Watt
Andrea Rossi December 26th, 2015 at 8:30 AM
James Watt:
Here is the big new: yes, the E-Cat X produces directly electric power.
We are working to harness and make it work.
The E-Cat X is very, very promising, as I always said. But still: the results of the tests on course could turn out to be NEGATIVE.
Let’s work on it more and more, as it is necessary before chanting victory.
Happy New Year to you,
A.R.
どうやって電力を直接取り出しているのかは不明ですし、ロッシ氏自身もまだ本当に成功するかどうかは分からないと言ってますが、実現すれば非常に価値のある発明になるでしょう。

以上

2015年12月20日日曜日

北村晃博士と高橋亮人博士によるICCF19報告

以下の記事を見て、http://jcfrs.org/file/iccf19-report.pdf に、北村晃博士と高橋亮人博士が書かれた第19回国際常温核融合学会(ICCF19)の報告書が公開されていたのに気付きました。

前回のイタリアでの第19回 常温核融合学会のレポートはこちらです。(日本語:http://jcfrs.org/file/iccf19-report.pdf)Here is a report from the ICCF19 in Italy in 2015.(English: http://coldfusionnow.org/iccf-19-start-of-new-cycle/)
Posted by ICCF20 on 2015年12月17日

表紙には以下のように両博士の写真が載っています。


報告の中で印象深かった部分を引用します。
上記のように派手な外面に反して、発表の運営に不満を持つ人は多かった。何と、アブストラクト集が配布されず、配布されたのはプログラムのみ、しかも、共著者名や発表者の所属すら記されていない冊子であった。席は椅子のみで、セッションは時間通りに始まらないし終らない。口頭発表者からはスクリーンが見えずレーザポインタを使えないので、発表者も説明に苦労したし、聞く方も理解に苦労した。ポスターの取り扱いも杜撰で、口頭発表の人にもポスター提出が求められて提出され掲示されていたまでは良かったが、パネル面が不足すれば「ポスター発表優先」と、遅れて提出されたポスターを上から貼り付けられた人もいた。
写真で見ると、会場のラジオーネ宮殿は荘厳な雰囲気があって素晴らしいと思っていたのですが、運営方法は学術会議に適したものではなかったようです。
最も注目されたのは、予めプレス発表されていたように、東北大学電子光理学研究センターの笠木治郎太研究教授と株式会社クリーンプラネット(吉野英樹代表)が「凝縮系核反応に関する共同研究部門」を設立したことである。その趣意説明等が、MHI から移籍した岩村康弘特任教授から説明があった[S1_003]。非常に意欲的な計画で、凝集系核物理全体の観点から過剰熱と核変換を科学として極めようとするものである。トヨタ中研から名古屋大学研究員に移籍した日置辰視氏の例もあり、気が付けば、日本におけるこの分野の中心的研究者の大半が大学に研究拠点をもつことになった。基礎回帰と言うべきか、やはり革新的技術の展開には、目先の利益にとらわれない環境の中でしっかりとした学問的基盤の上に立つことが必要だということであろう。
私は、基礎研究への動機付けのためにも実用化に向けたアプローチは重要だと思っていますが、たいへん根源的な物理に関わる現象なので、基礎研究にも力を入れるべきというご意見には両手を挙げて賛成です。日本の研究者の方々が基礎研究を重要視するマインドを持ち続けているのはたいへん素晴らしいことだと思います。

以上

2015年12月18日金曜日

ICCF20のページがFacebookに開設されました

ICCF20(第20回 国際常温核融合学会)のページがFacebookにも開設されました。随時情報が更新されると思いますので、ぜひ「いいね!」「ええやん!」をお願いします。





ICCF20のウェブサイトが、アップされました。The website for the ICCF20 was launched.www.iccf20.net
Posted by ICCF20 on 2015年12月15日

以上

2015年12月14日月曜日

2015年12月13日日曜日

ICCF20のホームページが開設されました

ICCF20のホームページが開設されました。2016年10月2~7日に仙台で開催されます。



このサイトの開設はJCF16の会場で東北大学の岩村康弘博士から発表されました。



JCF16の会場では、以下のようなパンフレットも配布されました。なかなかオシャレなパンフレットです。常温核融合の認知を広げるためには、ICCFの開催はまたとない絶好の機会です。多くの方々が参加するよう、呼びかけて行きましょう。
以上

2015年11月29日日曜日

NEDOのプログラムに常温核融合「クリーンエネルギー生成技術」が採択される

少し古いニュースになりますが、10月26日にNEDOの「エネルギー・環境新技術先導プログラム」の研究テーマとして、常温核融合の研究が採択されました。NEDOの以下のページで広報されています。


上記のページからリンクされている「採択テーマ一覧」を見ると、以下のようにリストアップされています。
http://www.nedo.go.jp/content/100763137.pdf


「金属水素間新規熱反応の現象解析と制御技術」というテーマがそれです。提案者は4社あり、株式会社テクノバ、日産自動車株式会社、九州大学、東北大学電子光理学研究センターの名前が挙がっています。この中では「日産自動車」の名前が新しいですね。トヨタ自動車に続いて、いよいよ日産自動車も常温核融合研究に関与を始めたのでしょうか?

この件は、クリーンプラネット社のファイスブックのタイムラインでも報告されました。


NEDO 平成27年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」において、弊社と東北大学が進める共同研究部門の「クリーンエネルギー生成技術」についての案件を採択して頂きました。誠にありがとうございました。安全かつ強靭な次世代型エネルギー社会...
Posted by 株式会社クリーンプラネット on 2015年10月26日


また、最近になって、Steven B. Krivit氏のブログで以下のように取り上げられています。海外から見ると、NEDOという公的な機関が常温核融合研究に投資を行い、そこに日産自動車が参加するという風に見えますから、非常に刺激的なのでしょう。残念なのは、実態としては、国内での認知が殆ど進んでいないことですね。



以上

2015年11月28日土曜日

JCF-16のプログラムとアブストラクトが公開されました

12月11日から開催されるJCF-16(日本常温核融合研究会第16回年会)のプログラムとアブストラクトがJCFのホームページで公開されました。

プログラム
http://jcfrs.org/JCF16/jcf16-program.pdf

アブストラクト
http://jcfrs.org/JCF16/jcf16-abstracts.pdf

楽しみですね。






以上

2015年11月8日日曜日

中国の白石山に開設された中国・米国科学技術国際イノベーションパークのテーマの一つは常温核融合(2)

前回の記事で紹介した中国の白石山に設立された国立米中科学技術国際イノベーションパークの開所式で使われたと思われるプレゼン資料が以下に公開されています(ファイルの日付が古いのが気になりますが)。

http://chinauspark.com/appUpdata/file/20140925/20140925152226_9375.pdf

興味深い中身なので、簡単に紹介します。
1ページ目: LENR(Low Energy Nuclear Reaction)のことを、あえて「LENR – Low Energy Nickel Reaction」としてニッケルを使う反応であることを強調しています。

2ページ名: 「第三次工业革命的基础」・・・第三次産業革命の基礎だと言ってますね。
3ページ目: 常温核融合の利点が挙げられています。温室効果ガスを出さない、放射性廃棄物を出さない、石油やガスを必要としない。
4ページ目: 太陽光発電や風力発電と比べて接地面積が遥かに小さいことをアピール。
5ページ目: コストを比較しています。図では3セント/kWhになってますが、脚注で、これは高めの見積もりであり、1.5セント/kWhくらいまで下がるだろうと言ってます。
6ページ目: 世界のエネルギー消費量を示し、この内、発熱と電気で消費される64%に常温核融合技術が適用できると言ってます。かつ、既存設備の改修で対応できると。
7ページ目: 適用方法が挙げられています。基本は発熱と(熱による)発電ですね。そして、発展途上国に適していると。
8ページ目: 発生する熱量は(入力の)3倍から20倍と幅がある表現になっています。温度は、120℃から500℃であると。
9ページ目: スケールアウトできることを示しているのでしょう。20フィートコンテナ(1MW相当)を200台で200MW、600台で600MWだと示しているようです。
10ページ目: このページが非常に興味深いです。第一段階は既存市場への適用で、まず石炭発電を置き換え、800コンテナを手始めとして、毎四半期に1万コンテナずつ供給すると書いてあるようです。そして、第二段階は、エンジンブロックとして組み込めるような形態への進化を考えているようです。

以上

中国の白石山に開設された中国・米国科学技術国際イノベーションパークのテーマの一つは常温核融合(1)

2014年5月にアンドレア・ロッシ氏のE-Cat技術に投資するIndustrial Heat社のDom Darden社長が、中国の天津に常温核融合の研究施設の開所式に参列したというニュースがありました(中国天津ニッケル水素(常温核融合)研究センター設立)。どうやら常温核融合の研究やビジネスで何らかの協調活動を行っているらしいと推測していましたが、それを裏付けるニュースが公式に発表されました。

本件については、E-Cat Worldの記事が情報をまとめてくれています:
Industrial Heat Slideshow Posted
http://www.e-catworld.com/2015/11/06/industrial-heat-slideshow-cobraf-com/

以下の写真をご覧ください。中国語で「白石山国家中美科技国际创新园」で表記されている施設の開所式でトム・ダーデン氏が握手しています。日本語だと「白石山 国立米中科学技術国際イノベーションパーク」といったところでしょうか。


この施設の紹介記事を見ると、ニッケルを使った熱生成炉という表現が出てきます。トム・ダーデン氏が協力している事からもE-Catの活用がテーマなのは明らかです。

Park Profile - Park Profile - Baishishan national Sino-US Science and Technology International Innovation Park
http://www.bsscustip.com/intro.aspx
Baishishan national and international content of Sino-US Science and Technology Innovation Park building includes research and development park, manufacturing park, the World Innovation Forum permanent venue like. The total area of ​​14.5 square kilometers. Including R & D manufacturing 7.25 square kilometers, the World Innovation Forum venue, commercial, residential, tourism and other ancillary facilities 7.25 square kilometers. Settled early projects include "Industrial reaction heat energy use Nickel" project, "American HANKOR new fireproof materials," project, "Israel NPG natural poultry breeding technology projects," "Hughes satellite operations center", "ITURAN" car network, "China Telecom pico base station "satellite application industry base, the transfer mobile video Internet content distribution platform," iron "satellite industry base," L-band multimedia transmission network "industrial base," Beidou satellite "civilian commercial operation projects.
2014年4月15日の写真も掲載されていて、ここにもトム・ダーデン氏が写っています。長い時間をかけて準備してきた事が伺えますね。


開所式で発表されたと思われる資料も見つかっています(ファイル名の日付が古いのが気になりますが内容はE-Catに関するものです)。非常に興味深い内容なので、別途記事にしようと思います。それにしても、国策で設置する中・米共同の産官学複合施設に常温核融合炉がテーマとして組み入れられているのには驚きます。世界は静かに常温核融合のある世の中を目指して動き出しているようです。



以上

2015年11月1日日曜日

日経BP社のテクノロジー・ロードマップにエマージング技術として常温核融合が取り上げられる

これは中身を見てないのですが、「日経BP社の「テクノロジー・ロードマップ2016-2025 [全産業編]」という資料でも常温核融合が取り上げられています。


30万円の資料なので、なかなか中身を見るチャンスがありませんが、上記のページに載っている目次を見ると、「第12章 エマージング」の中に「4.常温核融合」として取り上げられています。


日経BP社には、もっと常温核融合の技術動向を取り上げて貰いたいですね。

以上

日経エレクトロニクス2015年11月号に常温核融合の記事

日経エレクトロニクス誌の2015年11月号に常温核融合の記事が掲載されています。2ページの記事ですが、有償なので部分的な引用しかできません。簡単に内容を紹介します。


前半では、これまでの常温核融合研究の歴史を簡単に振り返り、「地道な研究によって熱発生や核種変換の再現性が飛躍的に向上するとともに、実用化を念頭にした低コスト実現の可能性も出てきたからだ」と締めています。

後半では、三菱重工の「新元素変換」実験を簡単に紹介し、東北大学に初の常温核融合研究部門が設置されたと述べています。クリーンプラネット社の吉野英樹社長が資金を支援し、東北大学が施設と人材を提供する形で立ち上がった経緯があるとのこと。三菱重工で新元素変換を主導してきた岩村康弘博士、水素技術応用開発社の水野忠彦博士、そして、東北大学で低エネルギービームによる凝縮系核反応率を研究してこられた笠木治郎太博士が結集したことを伝えています。

日本のメジャーなメディアが常温核融合を記事にし始めたことを素直に喜びたいと思います。日経エレクトロニクス誌には、日本だけでなく世界の常温核融合研究の動向を伝えて欲しいですね。

以上


2015年10月18日日曜日

トム・ダーデン氏へのインタビュー記事がFortune誌に掲載される

少し古いニュースで恐縮ですが、9月末にFortuneのWebサイトにTom Darden氏のインタビュー記事が載りました。チェロキー投資組合を率いるトム・ダーデン氏は、E-Catの研究開発を進めるIndustrial Heat社を立ち上げ、投資しています。今回、Fortuneのような有名な一般紙に登場したのは、E-Cat技術の市場投入に向けて、徐々に露出を増やそうという意図なのかもしれません。たいへん興味深い記事だと思います。



この記事の中で、印象に残るやりとりに以下があります。・・・以下は私の勝手な和訳です。パラダイム・シフトに対する科学者の姿勢への皮肉も強烈ですが、Woodford投資管理社が常温核融合に投資を開始したというのが非常にインパクトのあるニュースでした(この件についてはまた別稿で述べたいと思います)。

Q: What changed your mind?  
・・・何があなたの判断を変えたのですか?

A: Scientists get locked into paradigms until the paradigm shifts. Then everyone happily shifts to the new truth and no one apologizes for being so stupid before. Low temperature fusion could be consistent with existing theories, we just don’t know how. It’s like when physicists say that according to the laws of aerodynamics bumblebees can’t fly but they do.
・・・科学者は、パラダイムシフトが起こるまで(古い)パラダイムに縛られます。そして、誰もが喜んで新しい真実にシフトし、誰もそれ以前に愚かであったことを謝罪しません。常温核融合は、既存の理論と一致しているだろうと思いますが、それがどのように一致するのかは分かりません。これは、空気力学に従えばマルハナバチは飛べる筈はないと物理学者は言うが、実際にはハチは飛んでいるというのに似ています。



But let me make one thing very clear. We don’t know for sure yet whether it will be commercially feasible. We’ve invested more than $10 million so far in Rossi’s and other LENAR technology and we’ll spend substantially more than that before we know for certain because we want to crush all the tests. (Recently, we have been joined by Woodford Investment Management in the U.K., which has made a much larger investment into our international LENR activities—so we are well funded.)
・・・我々は$10Mドルを遥かに越える額をロッシや別の常温核融合技術に投資してきました。・・・最近、英国のWoodford投資管理社が参加して、我々の国際的な常温核融合活動に大きな投資をしてくれました。

以上

スウェーデンの科学者が新たな常温核融合理論仮説を発表

常温核融合を深く取材しているスウェーデンのジャーナリストMats Lewan氏が重要ニュースとして取り上げたものです。スウェーデンの著名な科学者2名~Rickard Lundin博士とHans Lidgren博士~,が常温核融合の新たな理論仮説を発表したというものです。この内容は、エアバス社で開かれた「水素吸蔵金属の異常現象に関する国際ワークショップ第11回」でも議論されたとのこと。


この件については、E-Cat Worldにも分かりやすい解説記事が載っています。常温核融合の理論仮説は研究者の数だけあると言われており、まだまだ百家争鳴状態にあります。今後、この仮説がどのように評価されるのか分かりませんが、仮説を特徴付けるのは「ponderomotive force (ポンデロモーティブ力)」を使っている所のようです。



またまた、分からない概念が出てきてしまいましたが、東大の石川顕一研究室には以下のように解説されていました。いやはや、さっぱり分かりません(笑)。早く、研究者の一般向け解説書が出るようになることを祈ります。
ポンデロモーティブエネルギー[ponderomotive energy]
定義
空間的に振幅が変化する電磁波中におかれた荷電粒子が感じるポテンシャルエネルギー。ポンデロモーティブポテンシャルともいう。このポテンシャルが荷電粒子に及ぼす力を、ポンデロモーティブ力と呼ぶ。振動電場中におかれた荷電粒子の振動エネルギーに対応し、量子力学的には動的シュタルク効果として理解することができる。
以上

エアバス社で開催された常温核融合ワークショップの発表資料

このブログでもお知らせした通り、2015年10月15日~16日に「水素吸蔵金属の異常現象に関する国際ワークショップ第11回」がフランスのエアバス社のキャンパスで開催されました。


この時に使われた発表資料が、EGO OUTブログで公開されました。



以下に、著者・発表題名・リンクのリストを転写させていただきました。論文のようなものや発表スライド、サマリーのみの資料と形式はマチマチです。

Henry-Couannier From Dark Gravity to LENR
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BVkRSbU02akQxWXRlZjZ2MVdKM1lsa2w1bTRr/view?usp=sharing



Neuville Quantum Electronic Atomic Rearrangement in Solids by H2 Recombination Energy Release On DD Nuclear Syntheses Under Irradiation of Deuterium
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BWm5mdjM0eVhWOXhrWWpRaWpxdDVNcEoyVTJr/view?usp=sharing



J-L Paillet Electron Deep Orbits of the Hydrogen Atom
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BZ3Y0Z1N4WGFReUg5Z19UVEJlWE43cU56d0lV/view?usp=sharing



Fabrice David Hydrogen Isotopes in alloys hypotheses and experiments
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BdGt3N0xyV2hnMG5kQ1ZMUlpFTC13blFCdzJ3/view?usp=sharing



Fruchart, N. Skryabina Is Super Abundant Vacancy a singular state in the Hydrogen-in-Metal paradigm?
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BaFRPZnUzSE9admRXQ0Rha1pVQllIMlhKTjU4/view?usp=sharing



Yu K. Kurilenkov et al: Nuclear Syntheses Under Irradiation of Deuterium Loaded Pd Anode by Auto Electron Beams at Pulse Vacuum Discharge
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BSFluekpXWDJ4S3hDeVZUbll6Zm1ua1dmOGJz/view?usp=sharing



J-F Geneste Reverting the Burden of Proof of the Non-Existence of LENR to Orthodox Physicists
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BQkdsbGhWNl9rVXUwbG1qSHVxNVBlNmZhcGNj/view?usp=sharing



Jacques Dufour Unconventional Heat Observation in the Hydrogen/Iron/Sodium System
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BR1FYUmJTbGdNQ2pIQ1dyZk9ZZkxOdXdDWTVr/view?usp=sharing



R. Lundin Power Generation by Resonant Isotope Transmutation of Nuclides
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BNFNqSVJWSUhPRl95OTNRX2lQTllkYlRNbVJJ/view?usp=sharing



J.P. Biberian Replication Attempts of the Parkhomov Experiment
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BVHZuSDlWRHRsNVc2X3FpZU5wZ1RIUXdCWThR/view?usp=sharing



Leonid Urutskoev Phenomenological model of collective Low Energy Nuclear Reactions
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BdkhSYm5mdFBCOUVjeWY4WWY2OWtIZEJ4UElz/view?usp=sharing


Budko, A. Korshunov Calorimetric Investigation of Anomalous Heat Production in Ni-H Systems
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BeXZmbXBpZ3c5QkhfelNjYTh1azIzaTduM2Fr/view?usp=sharing


J.Ruer Analysis of the Potential Behavior of the Energy Catalyzer as Described in the US Patent 9,115,913 B1
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BaXpUNlJjaEVSeE85TTJkNFBTbVQ0VXBabWtv/view?usp=sharing


J. Ruer Can Craters and Hot Spots Be Explained by Erzions or Exotic Particles?
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BQTBMWXJPVm9XamljQmFCdVQ1LXd4NUxKSEVR/view?usp=sharing


J-F Geneste LENR: from Experiment to Theory
https://drive.google.com/file/d/0B1_tFmz65k8BZ3RXejdnZm9ZN3ljZzN4YjZvXzI2dEktUVVV/view?usp=sharing


以上

2015年10月4日日曜日

JCMNSのVol.17発行される

少し古いニュースですが、国際常温核融合学会の論文誌であるJCMNSのVol.17が発行されました。

http://www.iscmns.org/CMNS/JCMNS-Vol17.pdf



目次は以下のようになっています。

Strained Layer Ferromagnetism in Transition Metals and its Impact Upon Low Energy
Nuclear Reactions
Louis F. DeChiaro, Lawrence P. Forsley and Pamela Mosier-Boss

Nuclear Exothermic Reactions in Lattices: A Theoretical Study of D–D Reaction
Fulvio Frisone

Empirical Models for Octahedral and Tetrahedral Occupation in PdH and in PdD at High Loading
Peter L. Hagelstein

O-site and T-site Occupation of α-phase PdHx and PdDx
Peter L. Hagelstein

On the Path Leading To The Fleischmann–Pons Effect
Stanislaw Szpak

Cold Nuclear Fusion in Metal Environment
E.N. Tsyganov, M.D. Bavizhev, M.G. Buryakov, V.M. Golovatyuk, S.P. Lobastov and
S.B. Dabagov

Silica Favours Bacterial Growth Similar to Carbon
N. Vasanthi, S. Anthoni Raj and Lilly M. Saleena

Thermal Analysis of Explosions in an Open Palladium/Deuterium Electrolytic System
Wu-Shou Zhang, Xin-Wei Zhang, Da-Lun Wang, Jian-Guo Qin and Yi-Bei Fu


以上

Peter Hagelstein博士のIEEE会議での発表資料

2015年9月23日にIEEE主催の常温核融合研究会がマサチューセッツ州で開催されました。講演者は、Peter Hagelstein博士とLouis DeChiaro博士です。Peter Hagelstein博士のプレゼン資料が公開されました。

http://coldfusionnow.org/wp-content/uploads/2015/09/Hagelstein-Talk-09-2015.pdf



以上

Louis DeChiaro博士のIEEE会議での発表資料

2015年9月23日にIEEE主催の常温核融合研究会がマサチューセッツ州で開催されました。講演者は、Peter Hagelstein博士とLouis DeChiaro博士です。この内、DeChiaro博士のプレゼン資料が以下で公開されています。

http://www.lenr-forum.com/forum/index.php/Attachment/386-IEEE-brief-DeChiaro-9-2015-pdf/

常温核融合の紹介資料として良くまとまっているので、引用しながら紹介します。
まず、表紙は以下の通りです。


最初の方は常温核融合研究の歴史を説明しています。以下のページでは常温核融合関連の論文が出た学術誌の一覧を紹介しています。
次のページには、どうやって評価したのか分かりませんが、国別のランキングが出ています。日本は堂々の2位。意外なのはドイツの順位が高いところです。
この後、事例が紹介されており、日本の水野忠彦博士の成果も以下のページで出ています。
上記に続いて、常温核融合関連のベンチャー企業が紹介されていますが、これは割愛します。
最後の方に、最近の特許一覧が載っています。米国でさえも常温核融合の特許申請が門前払い事はなくなったと。
また、以下のページにNASAのプレゼンの引用があるのですが、飛行機イメージの側面にLENR(常温核融合)マークが入っているのに初めて気が付きました。なかなか洒落てますね。

以上

RCCNT&BL-22でのParkhomov博士のプレゼン資料

常温核変換と球電現象に関するロシア会議(RCCNT&BL-22)が2015年9月27日~10月4日にソチで開催されました。
この会議でParkhomov博士も発表されたとの事で、早速、その資料の英訳版が公開されました(ロシア語版を公開してくれたParkhomov博士と、英訳してくれたBob Higgins氏に感謝します)。

本件については以下の記事で取り上げられています。
Alexander Parkhomov presentation at Soshi Translated - News - LENR Forum
http://www.lenr-forum.com/forum/index.php/Thread/2106-Parkhomov-presentation-at-Soshi-Translated/?postID=8106#post8106

Parkhomov Isotopic Analysis Report
http://www.e-catworld.com/2015/10/02/parkhomov-isotopic-analysis-report/

また、英訳版は以下にあります。
https://drive.google.com/file/d/0B5Pc25a4cOM2cHBha0RLbUo5ZVU/view

最初のページは以下。

今回のハイライトは、Parkhomov博士が過剰熱生成に成功した実験に使われた燃料の元素・同位体構成の変化の分析です。幾つかのページを抜粋して紹介します。まず、使用前・使用後の構成比の変化は以下のようになっています。
さらに、同位体の構成比に着目したグラフが以下です。Liの同位体構成が大きく変化しています。
ロッシ氏の第三者検証レポート第二弾で示された変化との比較が以下です。ロッシ氏の実験での変化が如何に大きかったかが分かります。

結論は以下に示されています。
以上