2015年12月20日日曜日

北村晃博士と高橋亮人博士によるICCF19報告

以下の記事を見て、http://jcfrs.org/file/iccf19-report.pdf に、北村晃博士と高橋亮人博士が書かれた第19回国際常温核融合学会(ICCF19)の報告書が公開されていたのに気付きました。

前回のイタリアでの第19回 常温核融合学会のレポートはこちらです。(日本語:http://jcfrs.org/file/iccf19-report.pdf)Here is a report from the ICCF19 in Italy in 2015.(English: http://coldfusionnow.org/iccf-19-start-of-new-cycle/)
Posted by ICCF20 on 2015年12月17日

表紙には以下のように両博士の写真が載っています。


報告の中で印象深かった部分を引用します。
上記のように派手な外面に反して、発表の運営に不満を持つ人は多かった。何と、アブストラクト集が配布されず、配布されたのはプログラムのみ、しかも、共著者名や発表者の所属すら記されていない冊子であった。席は椅子のみで、セッションは時間通りに始まらないし終らない。口頭発表者からはスクリーンが見えずレーザポインタを使えないので、発表者も説明に苦労したし、聞く方も理解に苦労した。ポスターの取り扱いも杜撰で、口頭発表の人にもポスター提出が求められて提出され掲示されていたまでは良かったが、パネル面が不足すれば「ポスター発表優先」と、遅れて提出されたポスターを上から貼り付けられた人もいた。
写真で見ると、会場のラジオーネ宮殿は荘厳な雰囲気があって素晴らしいと思っていたのですが、運営方法は学術会議に適したものではなかったようです。
最も注目されたのは、予めプレス発表されていたように、東北大学電子光理学研究センターの笠木治郎太研究教授と株式会社クリーンプラネット(吉野英樹代表)が「凝縮系核反応に関する共同研究部門」を設立したことである。その趣意説明等が、MHI から移籍した岩村康弘特任教授から説明があった[S1_003]。非常に意欲的な計画で、凝集系核物理全体の観点から過剰熱と核変換を科学として極めようとするものである。トヨタ中研から名古屋大学研究員に移籍した日置辰視氏の例もあり、気が付けば、日本におけるこの分野の中心的研究者の大半が大学に研究拠点をもつことになった。基礎回帰と言うべきか、やはり革新的技術の展開には、目先の利益にとらわれない環境の中でしっかりとした学問的基盤の上に立つことが必要だということであろう。
私は、基礎研究への動機付けのためにも実用化に向けたアプローチは重要だと思っていますが、たいへん根源的な物理に関わる現象なので、基礎研究にも力を入れるべきというご意見には両手を挙げて賛成です。日本の研究者の方々が基礎研究を重要視するマインドを持ち続けているのはたいへん素晴らしいことだと思います。

以上

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