2010年1月24日日曜日

米国陸軍研究所が常温核融合ワークショップ開催

以下の記事で知りました。

http://newenergytimes.com/v2/conferences/2010/ARL/ARL-Agenda.shtml

正しい訳語を知らないのですが、米国陸軍研究所?(Army Research Labs (ARL))が来る2月11日にLENR(常温核融合)のワークショップを開催するとのニュースです。先日、米国国防情報局が常温核融合を肯定的に評価するレポートを発行して話題になりましたが、陸軍研究所でも関心が高まっているようです。米国は動きが早いですね。日本の政府や企業も早くこの科学の重要性に気がついて、基礎研究への投資を始めて欲しいものです。

■引用開始
The Workshop’s goal is to supply the Army P&E Leadership Team (and subsequently the Army leadership) with information on the LENR process, to detail the state of the art, to identify feasibility of research efforts to validate or mature the LENR technologies, and to guide possible investments by the Army in this area. Subject matter experts in the fields such as reproducibility, calorimetry, materials, and triggering reactions will discuss their research and findings. After the presentations, we will hold a discussion forum which will probe questions about the current state of LENR and what role the Army's research labs may play in this area.
■引用終了

■勝手な和訳
このワークショップの目的は、陸軍の電力&エネルギー研究の首脳陣(ひいては陸軍の首脳)に常温核融合プロセスの情報を提供し、最先端の状況を詳らかにすると共に、常温核融合技術を検証したり成長させる研究活動の実現性を確認し、この分野での陸軍による投資をガイドする事にあります。再現性や、熱量測定や、材料や、引き金となる反応などの分野の専門家が研究成果について議論します。プレゼンテーションの後には、常温核融合の現状と、陸軍研究所が果たせる役割についての疑問点を精査するディスカッション・フォーラムを開催します。
■和訳終了

以上

2010年1月17日日曜日

インフルエンザ・スキャンダル、クライメートゲートと科学

クライメート・ゲート事件の余波が続くなか、インフルエンザ「ビジネス」への疑惑を解説した以下の記事は科学への関わり方を考える上で参考になります。この記事は全文が無償で提供されているので、是非ご覧ください。

http://tanakanews.com/100112flu.htm
インフルエンザ騒動の誇張疑惑
2010年1月12日   田中 宇

疑惑は以下の文に端的に示されています。

■引用開始
特に同委員会は、WHOが昨年6月に豚インフルエンザに対する警戒度を最高まで高めて「2つ以上の地域の国々で大規模な感染」を意味する「パンデミック(世界的感染症)」(6段階の危険度の最高位の「6」)を宣言したことが、不必要に高い警戒度だったと考えており、製薬会社がワクチンや医薬品を売るために影響力を行使した結果ではないかと疑っている。同委員会の委員長(Wolfgang Wodarg。ドイツ議員)は医師だが、この問題について「医薬業界における今世紀最大のスキャンダルの一つだ」と述べている。
■引用終了


興味深いのは、クライメートゲートにも今回のインフルエンザ騒動にも、科学の権威の乱用が大きな役割を果たしているとの指摘です。

■引用開始
国際的なインフルエンザ騒動が、製薬業界による金儲けのための誇張策の結果かもしれないという疑惑は、以前に書いた「クライメートゲート」の地球温暖化の誇張疑惑と本質的に同種である。インフルエンザ誇張疑惑は、WHOという国連機関の方針決定を左右できた学者たちが、学界での権威を乱用して誇張を行い、国際的なマスコミ界がそれを増幅した疑惑である。温暖化誇張疑惑は、IPCCという国連機関の方針決定を左右できた学者たちが、学界での権威を乱用して誇張を行い、国際マスコミ界がそれを増幅した疑惑だ。
■引用終了


科学の信頼性を保証するはずのピアレビュー(査読)制度が、異論を封殺する道具として悪用されたと改めて指摘されています。背景に利権があるかどうかは別として、常温核融合の世界でもビアレビュー制度が新たな知見の発表を封じる圧力となっているようです。ピアレビューが信頼性確保のために有益な制度であるとは言え、その運用方法について科学の世界でも真剣に議論して欲しいと思います。

■引用開始
いずれの問題にも「専門家しか語る資格がない」という社会的な縛りがかけられている。専門家(学者)の業界には「ピアレビュー」という国際的な制度がある。新たな主張を載せた論文を書いたら、同分野や近隣分野の世界の学者たちに論文を読んでもらって学術的な間違いがないかどうか確かめ、その上ではじめて正当な主張と認められる制度で、もともとは間違った主張が横行しないようにする良い制度だった。温暖化問題ではそれが悪用された。 ("Climategate": Peer-Review System Was Hijacked By Warming Alarmists)
英米の権威ある学者たちが、地球温暖化に懐疑的な学者の論文が出てくるとピアレビューで難癖をつけ、その学者の権威を落とす策を続け、温暖化懐疑論を封じ込めてきた。懐疑論を封じ込めるため、専門誌の編集者や、専門誌に併設されているピアレビューのための学者の編集評議会に圧力をかけることも行われていた。 (Subject: Re: Fwd: Soon & Baliunas)
■引用終了


以下の指摘を見ると、科学が政治や経済にもたらす影響が余りにも大きくなってきた現代では、たとえ無知な素人であっても、分からない事に対しては説明を求めると共に、科学の内容を理解すべく努力する必要があると改めて思いました。

■引用開始
こうした学界の状況の上に「専門家(学者)しか語る資格がない」という社会的縛りが作られる。「ピアレビューされた論文に書いてある主張以外は、無知な素人か勝手に言っているだけだから意味がない」という「常識」が作られる。クライメートゲートが暴露された後、FOXニュースのライブのテレビ番組のキャスターが、温暖化対策推進の著名な運動と討論し、キャスターが懐疑論を展開したのに対し、運動家が「お前は専門家じゃないんだから黙れ」と叫び続けたのが象徴的だった。
■引用終了

以上

2009年12月31日木曜日

ACS 239th(第239回アメリカ化学会)で常温核融合のセッション(続)

LENR-CANRのNewsに、以前紹介した来年3月に開催されるACS会議での常温核融合のセッションの概要が載っています。

■追記(2010年1月17日)
http://www.lenr-canr.org/News.htm に、「The sessions will be held on March 21 and 22, starting at 8:00 a.m. This is a schedule change. The final ACS program will be availble in February 2010.」とスケジュール変更のお知らせが載っています。22日~23日と言っていたのが、1日早く変更されて21日~22日になったようです。このブログを見て参加する人はいないでしょうが(笑)、ご注意ください。
■追記終了


■引用開始
American Chemical Society March 2010 meeting cold fusion program
December  2009
The American Chemical Society (ACS) Spring 2010 National Meeting & Exposition will be held in San Francisco, California, March 21 - 25, 2010. The cold fusion session at this year's conference includes 61 abstracts. Forty six papers will be presented in four sessions over two days, sessions: ENVR014, ENVR049, ENVR050 and ENVR051. Fifteen papers will be shown in poster sessions. Here is a letter from the session organizer, Jan Marwan, and a copy of the program:
http://lenr-canr.org/Collections/ACSMarch2010program.pdf
■引用終了

■勝手な和訳
ACSの2010年春の全国会議&展示会はサンフランシスコで2010年3月21日~25日に開催される。常温核融合のセッションには61編のアブストラクト(概要)が寄せられている。46編は2日間にわたる4つのセッションで発表される:ENVR014、ENVR049、ENVR050、ENVR051。15編はポスターセッションで発表される。以下はセッション事務局のJan Marwan氏から送られてきたレターとプログラムのコピーである。
http://lenr-canr.org/Collections/ACSMarch2010program.pdf
■勝手な和訳終了

ポスター含めて61編の発表があるという事でなかなかの盛況ではないでしょうか。米国化学会は常温核融合研究をすっかり再認知したと思ってよさそうですね。
上記のプログラムを見ると、日本人科学者の発表も予定されているようです。私が気がついたものを拾い出してみました。抜けや間違いがあったらご指摘ください。

3月22日AM Theory and Overview
ENVR014
高橋亮人博士
沢田哲雄博士

3月22日PM Excess Heat/Power and Calorimetry
ENVR049
水野忠彦博士
北村晃博士

3月23日AM Nuclear Transmutation and Neutron, Helium and Tritium Emission
ENVR050
岩村康弘博士

3月23日PM New Perspectives
ENVR051
なし

以上

2009年12月27日日曜日

荒田博士の公開実験で配付された論文について

2008年5月22日(木)に大阪大学名誉教授である荒田吉明博士が実施された固体核融合の公開実験のニュースはインターネット上で良く紹介されています。夢エナジー氏の以下のサイトにはこの公開実験関連の豊富な情報がまとめられています。

http://www10.ocn.ne.jp/~solid_fu/

常温核融合を巡る議論の際に、この公開実験時に配布された荒田博士の論文が引用されることがあります。しかし、この論文を読むと、素人ながら、論文としての信頼性に疑問を持ってしまいます。素人なので論文の中身は評価できませんが、素人にも分かる外形的な記述の問題から、論文としての質が低いと見えるのです。
荒田博士が常温核融合研究に大きな貢献をされている事は存じていますし、荒田博士が考案されたパラジウム合金パウダーによるガスローディング方式が非常に再現性の高い優れた実験方式だという事も存じています。それだけに、この論文を常温核融合を実証した代表作のように紹介するのは控えた方が良いのではないかと思っています。

この論文は前述の夢エナジー氏のサイトに掲載されています。

http://www10.ocn.ne.jp/~solid_fu/solid_nuclear_fusion_reactor.pdf
「固体核融合」実用炉の達成
The Establishment of Solid Nuclear Fusion Reactor
荒田 吉明・張 月嫦
Yoshiaki ARATA and Yuechang ZHANG
(Received February 20, 2008)
高温学会誌 第34巻 第2号(2008年3月)

以下、素人ながらも論文の質に疑問を持つ点を挙げさせていただきます。論文から抜き書き(引用)して、問題と感じる部分を赤色にしました。いずれも論文の「中身」には関係ない事柄ですが、私の拙い経験からも、外部公開される論文としては目立つ瑕疵であり、十分な推敲がされていないという疑いを持ってしまいます。

1.自慢話のように受け取られる表現が繰り返されている。

P85
筆者らは20年間以上にわたり、固体核融合の実用化を目指して、その特性の解明と実用炉開拓のみの研究に集中し、世界的にも独走状態で展開した
P86
従来筆者らは、この 20 年を通じ[1)-53)]「固体核融合の実証」について、常に世界で独走的な立場で先行、その成果を示したことはよく知られている。筆者等はこれらの装置を「実証炉」と命名した。つまり一種類だけでなく、数種類の実証炉を次々に開発し、その都度「固体核融合の実証」を確認し、発表してきた。そのレポートは現在までに70編を越えている[1)-53)]。
P90
更に上記結論もうひとつの決定的実験結果を紹介する。それは重水素と水素の核燃料の立場からの比較である。従来筆者らは、この20年を通じ「固体核融合の実証」について、世界の追随を許さず、独走的な立場でその成果を示してきたことはよく知られている[1)-53)]。筆者等はこれらの装置を「実証炉」と命名した。つまり一種類だけでなく、数種類の実証炉を次々に開発し、その都度「固体核融合の実証」を確認し、発表してきた。そのレポートは現在までに 70 編を越えている。

2.情緒的な表現が用いられている。

P85
従来の学問体系では考えられないほどの重要な新しい“自然現象”である。
P86 
これは考えられないほど、つまり予測出来ないほど決定的であり、想像を絶する新現象である。この新現象は、Fig. 3 のように異なった活性バルク試料(Zr3NiO のようなバルク合金)でも Pd 単独の「ナノ粒子」の 2 倍程度多く吸収して、全く同じ共通現象が発生しており、これは「歴史的現象」として結論される。

3.同じ表現が繰り返して出現する。

P88
そこで今回も新しく開発した前記「実用炉」を使用して重水素と水素の核燃料としての立場で比較したわけです。
P90
そこで今回も新しく開発した前記「実用炉」を使用して重水素と水素の核燃料としての立場で比較したわけです。


4.53編の引用文献のほとんどが御自分の論文である。
P92~P93で引用されている53編のうち51編の著者に荒田博士の名前があります。


5.本論以外への言及があり、読者が混乱する。

結論部分で突然イーター(ITER)との比較が論じられています。しかし、本論文の趣旨は実験結果の報告と解析であり、政治的な投資判断を論じることではない筈です。また、基礎研究段階である常温核融合と、実用化に向けての実証段階にある熱核融合炉開発を同列に論じるのにも無理があると思います。私も「国際熱核融合実験炉(ITER)」への多額な投資は無理筋ではないかと懸念している一人ですが、たとえそのような意見を持っていたとしても、この論文の中で論じるのは不適当だと思います。

P92
従って結論として、この固体核融合の「実用炉」は一方では熱エネルギー発生装置であり、他方では 4-2-He 製造装置でもある。イーターのような熱核融合装置がよいか、上記のような固体核融合がよいか、どちらが人類のために重要であるか論を待つ必要はないと考えている。私は 50 年前、公開実験で、現在でさえ世界最高の電流と温度を発生させた記録的装置を製作 ・ 実験し、日本の熱核融合をスタートさせた立場上、それぞれの機能はよく理解しているので、特にその感を深くしている者である。国家として或いは人間社会としても、早く決断すべきと考えている。単に日本のためだけではなく、人類のためにも大切な事である
上記固体核融合は家庭、自動車、船、航空機、大型エネルギー源として活用可能と考えている。現在の空気汚染状況を考えるとき、速やかな対応が望まれる。また、更に新しい学問・産業の展開も可能と考えられる。
最後に、従来の“熱核融合反応”は危険物質を多量に放出し、その対策が極めて重要であることは一般によく知られている事実であるが、今回の“固体核融合反応”は全く無害であり理想的な実用炉であることを知っておくことは“人類のエネルギー源”として極めて重要なことである。

以上

2009年12月26日土曜日

ACS 239th(第239回アメリカ化学会)で常温核融合のセッション開催

来年3月にサンフランシスコで開催される第239回アメリカ化学会(ACS 239th National Meeting)でも常温核融合(LENR: low-energy nuclear reaction)が取り上げられるようです。

2009/12/23 < 2010年、再びアメリカ化学会ACSで! >
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page285.htm

■引用開始
2009年3月にアメリカ化学会(ACS)のシンポジウムで常温核融合が発表されるという快挙がありましたが、2010年3月のACSで再びCold Fusionがとり上げられる予定です。次のNew Energy TimesのHPに出ています。
http://newenergytimes.com/v2/conferences/2010/ACS/ACS-2010.shtml
■引用終了


凝集体核科学国際学会」(ISCMNS)のホームページにも開催のお知らせが載っていました。これを見るとAbstract(概要)の投稿締切は2009年10月19日だったようです。

■引用開始
March 1-26 2010: The Fourth International New Energy Technology Symposium will be held at the American Chemical Society in San Francisco, California, USA.  For the fourth year in a row, the American Chemical Society, the largest scientific association in the world, has provided the opportunity for researchers studying low-energy nuclear reaction research to contribute to and participate in mainstream science.
Abstract submission is now open. Deadline is 19 October 2009. Please feel free to submit your abstract, 150 words or less (Environmental Division ENVR ? Symposium on New Energy Technology).
■引用終了

以上

2009年12月21日月曜日

Physics Letters掲載の北村博士論文

著名論文誌Physics Lettersに掲載された北村博士の論文がLENR-CANRからダウンロードできるようになったようです。


Kitamura, A., et al., Anomalous effects in charging of Pd powders with high density hydrogen isotopes. Phys. Lett. A, 2009. 273(35): p. 3109-3112.

http://lenr-canr.org/acrobat/KitamuraAanomalouse.pdf

以上

ICCF-15のABSTRACTS

ICCF-15(第15回凝集系核科学国際会議)のホームページに、ABSTRACTSが掲載されています。
http://iccf15.frascati.enea.it/docs/Abstracts.pdf

135ページでポスターセッションの内容も含まれているようです。

以上