親子丼掲示板で教えて貰いました。
Physics Lettersという世界的に有名な論文誌に神戸大学の北村晃博士の論文が掲載されたとの知らせが以下に載っています。著名な論文誌では常温核融合関連の論文は色物扱いされて掲載が難しかったらしいのですが、ようやく認知が高まったのでしょうか。嬉しいニュースです。
また、この論文は、荒田吉明博士が公開実験されたシステムを詳細に評価・分析したものらしく、有名になった実験の再現確認が取られたという点でも意義があると思います。
以下、最初に報じていただいた記事から引用します。
■引用開始2009/9/12 < 北村博士らの論文、Physics Lettersに掲載される>1ヶ月ほど前に、北村晃先生(神戸大学教授)の論文が有名な雑誌Physics Lettersに掲載されたとの連絡がJCF経由で高橋亮人先生(大阪大学名誉教授)から入りましたので、お知らせします。。http://dx.doi.org/10.1016/j.physleta.2009.06.061“A. Kitamura et al, Anomalous effects in charging of Pd isotopes with high density hydrogen isotopes”この研究は高橋先生やテクノバとの共同研究であり、< JCF9報告 >で高橋先生が発表された内容とほぼ同一と思われます。つまり荒田先生らの実験の再現成功(He4の発生と過剰熱発生)とその詳細なる物理的考察が中心になっているようです。Physics Lettersに常温核融合の論文が掲載されたことは画期的なことだといえます。■引用終了
上記で言及されている<JCF9報告>とは、同じサイトの以下の記事を指していると思われます。該当部分を引用します。s
■引用開始●佐々木氏(神戸大学)荒田吉明先生の実験の再現実験に関する研究。双子構造をもつ新装置を作成し、ナノサイズPd粒子も様々な種類のものを使ってArata実験をさらに詳細に調査。熱出力、圧力等の詳細な実験データを提示。Arata実験の再現に成功。本実験は神戸大学、高橋亮人先生、テクノバの共同研究。●高橋亮人先生(大阪大学)上の佐々木報告に追加する形の詳細説明。Arata実験が再現できたことを補正の効果などを交えて説明。重水素ガスを流した方が軽水素ガスの場合よりはるかに多くの過剰熱が出ている。中性子やガンマー線の発生はなし。ナノサイズの複粒子Pd/PdO2/ZrO2粒子(これに重水素を通すと過剰熱発生)の特殊な物性にも言及。メゾスコピック効果がどうの。■引用終了
ちなみに、上記のリンク(http://dx.doi.org/10.1016/j.physleta.2009.06.061)を見ると掲載誌・題名・著者・概要は以下のように記載されています。
Physics Letters A
Volume 373, Issue 35, 24 August 2009, Pages 3109-3112
題名
Anomalous effects in charging of Pd powders with high density hydrogen isotopes
著者
Akira Kitamuraa, Takayoshi Nohmia, Yu Sasaki, Akira Taniike, Akito Takahashi, Reiko Seto and Yushi Fujita
Abstract
A twin system for hydrogen absorption experiments has been constructed to replicate the phenomenon of heat and 4He generation by D2 gas absorption in nano-sized Pd powders reported by Arata and Zhang, and to investigate the underlying physics. For PdZr oxide nano-powders, anomalously large energies of hydrogen isotope absorption, 2.4±0.2 eV/D-atom and 1.8±0.4 eV/H-atom, as well as large loading ratio of D/Pd=1.1±0.0 and H/Pd=1.1±0.3, respectively, were observed in the phase of deuteride/hydride formation. The sample charged with D2 also showed significantly positive output energy in the second phase after the deuteride formation.
ちなみに、こういうニュースを見ても、Physics Lettersの価値(権威)が分からないのが素人の悲しさです。ちょっとググってみた所、Physics Letters A と Physics Letters B があってカバーする分野が異なるようですが、B誌については以下のような記事がありました。非常に権威のある論文誌のようです。また、ここで集計されているランキングにも注目ですね。10月になったらチェックしてみなければ。
■引用開始基礎教育センターの 志摩一成 教授の研究論文: On Origin of Mass and Supersymmmetry (邦訳:「質量の起源と超対称性」)が素粒子理論の分野で「世界で最も有名な論文雑誌」の一つであるPhysics Letters B 誌において、2007年1-3月期の理論部門第四位(総合14位)にランクインしました。ランクインしたのは Science Direct 社が 集計している 「Top 25 hottest articles」というランキングです。ランキングの仕組みなど、詳しい内容は以下のリンクから辿ることが出来ます。Science Direct - www.sciencedirect.com -論文が掲載された Physics Letters B という論文雑誌は「Review of Particle Physics」という、素粒子物理学者にとってバイブルと言えるデータブックを出版している、世界有数の老舗論文誌です。■引用終了
また、水野忠彦博士が常温核融合関連の研究経緯を詳しく語ってくれている「常温核融合プロジェクト」にもPhysics Letterへの投稿した経験が語られていました。この時は、レフェリーの壁に阻まれてしまったとの事。9年を経て物理研究者のコミュニティでの認識が変わりつつあると思って良いのかもしれませんね。
■引用開始2000 年にはICCF-8(Lerici)で電解と真空の重水素透過法について発表することができた。岩村は不純物と間違わない元素の検出ということで、Cs を使って実験したのだ。この時決定的といえるPr を検出する。この元素は自然界ではきわめてまれで、他の元素と違って、不純物ということがない。さらにまた、Sr を使った場合には同位対比の違うMo を検出することができた。この結果は論文にしてNature に投稿するが、他の研究者が、皆経験させられた、レフェリーとの果てしない戦いになるのであった。結局Nature は査読に入る前に拒否したのであった。またPhysics Letter は、いい線まで行ったが、一人のレフリーが拒否し、結局掲載不可となり、発表の機会を奪われることになる。■引用終了
以上
「Top 25 hottest articles」のページをチェックしているのですが、なかなか「7月~9月」の分が掲載されません。さすがに12月までには掲載されると期待して楽しみにしております。
返信削除「Top 25 hottest articles」に「7月~9月」の分が掲載されていますが、残念ながら北村博士の論文は入っていませんでした。
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