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2016年11月21日月曜日

ナノ銀による放射線低減現象の研究とは (通称:ナノ銀除染)

別のブログに書いた内容と同じです。むしろ、こちらのブログの方が適している内容なので転載させていただきます。

2016年7月19日火曜日

ナノ銀による放射線低減実験で過剰熱は測定できるか?

以下の記事にて、第53回アイソトープ・放射線研究発表会で岩崎信博士の研究発表があった事をお伝えしました。

4-5nm粒径ナノ銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象
http://amateur-lenr.blogspot.jp/2016/07/4-5nm.html

この研究について、板橋区の松崎いたる区議からペテンに等しいという発言がありました。


現状、この現象について分かっているのは放射線低減を記録した実験結果だけであって、機序の探求はこれからの課題だと思っています。
したがって、「熱や放射線量の増加が観測されるはず」というのも、ある仮説に基づいた推測に過ぎない筈です。この推測を元にして、放射線の低減という実験結果をペテンだと否定する論理は全く理解できません。

とは言え、常温核融合実験で良く使われる「過剰熱検出」が、ナノ銀による放射線低減実験(以降、ナノ銀実験)では使われていない背景は明らかにしておいた方が良いと思って、この記事を書いています。

さて、結論から言うと、ナノ銀実験の試料の規模では、熱発生があったとしても、たいへん小さく、現状の室内環境では測定できるレベルに達しないと思われます。逆に言うと、放射線測定はたいへん感度が高い測定方法であり、試料準備や測定方法等に間違いがなければ、測定精度を高められる方法なのだと思います。

以降、その評価(計算)を説明します。

想定するナノ銀実験は例えば ここ に示すものです。単純に言うと、U9容器に数g~数10g程度の汚染物質(土壌や汚染水乾燥物)を入れ、そこにナノ銀を担持させたコラーゲン溶液や骨炭を入れて放射線量の変化を見ています。

岩崎信博士は、発表によると、ナノ銀実験の説明として、放射性セシウム元素が他の元素に変換される核変換を有力な仮説と考えておられます。しかし、松崎いたる区議は、放射性セシウムの壊変が加速されるという仮説を念頭に議論しているようなので、ここでは放射性セシウムが通常よりも早く壊変したと仮定してみます。

放射線の測定値から見て、試料にはだいたい数10ベクレル程度の放射性セシウムがあったと思われます。

多めにみて、また、単純化して、100ベクレルのセシウム137があったと想定します。

1ベクレルのセシウム137は約1.4×10^9個の原子からなります。
( ^ はべき乗を表します)
100ベクレルだと、その100倍の1.4×10^11個の原子があることになります。

セシウム137の1個が壊変して安定した元素になるまでに、大雑把に1MeV程度のエネルギーが放出されるようです。このエネルギーが全て熱に変換されたとして(※)、1MeVは熱量では1.6×10^-13ジュールに相当します。

(※) 但し、実際には、ガンマ線は透過力が強くて系外に飛び出て行ってしまいますし、ベータ崩壊の場合にはエネルギーへの変換はもっと難しいらしいので、エネルギーの全量が熱に変換されるという仮定には無理があります。ここでは、見積もりの最大値を得るための架空の想定として全量が熱に変換されたとします。


ここで、100ベクレルのセシウム137が全て壊変して安定元素に変わり、その全てのエネルギーが熱に変換されたとします。

この時に発生する熱量は、
1.4×10^11(個)
× 1.6×10^-13 (ジュール)
= 0.022 (ジュール)
 となります。

0.022ジュールは約0.005カロリー相当です。
つまり、1グラムの水の温度を0.005度ほど上げるくらいの熱量です。

これだと周囲の環境温度の変化より遥かに小さいですから、今の実験環境での測定は不可能です。この実験では、放射線に比べて熱量の方がずっと測定が難しいのです。

上記の計算に間違いがありましたら、是非、コメント欄などでご指摘をいただければ幸いです。

松崎いたる区議がどのような計算に基づいて、過剰熱が出る筈だと主張しておられるのかは不明です。松崎いたる区議は過剰熱の証拠が出ないならペテンに等しいとまで断言されているので、この実験における全ての機序を説明できるのかもしれません。是非、その説明をお願いしたいものです。

以上

2016年7月11日月曜日

4-5nm粒径ナノ銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象

第53回アイソトープ・放射線研究発表会にて、ナノ銀による放射線低減現象の発表がありました。
カテゴリと題名は以下のようになっています(発表に適したカテゴリが存在しないようで、畑違いの「動植物」に分類されています)。
東電福島第一原発事故関連 動植物(1)
2a-Ⅱ-12
4-5nm粒径ナノ銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象
-諸間接証拠に基づくメカニズムの検証-
岩崎 信(元東北大・院工)、阿部宣男(元東京都板橋区ホタル生態館)、綾部斗清(日大・生物資源学)
この研究発表会は以下で広報されています。


発表のプログラムは以下に公開されていて、上記の発表はP8に載っています。

http://www.jrias.or.jp/seminar/seminar/pdf/file1_53program20160627.pdf

今回の発表では、たいへん重要な事実が幾つか報告されましたが、詳細については省かせていただきます。私が特に重要だと思ったのは以下です。
  • 初期に採取された汚染土壌にナノ銀を添加して一ヶ月経過した試料の放射線量はほぼバックグラウンドレベルとなった。
  • 詳しく解析すると、Cs134とCs137の放射線減少率には微妙な差がある。
また、LENR(常温核融合)を仮説として提示したのは、もしかするとこの研究発表会では初めてのことかもしれません。論文が出てくるのが楽しみになってきました。

以上

ナノ銀によるゴミ焼却灰の放射線低減実験(2)

2013年5月に以下のような記事を書き、ゴミ焼却灰に対してナノ銀を施すと、放射線が低減するのではないかという実験結果を紹介しました。

素人が知りたい常温核融合: ナノ銀によるゴミ焼却灰の放射線低減実験
http://amateur-lenr.blogspot.jp/2013/05/decontaminating-radioactive-ash-of.html

この実験に対して、以下のまとめのコメント欄で疑問があるとの意見がありました。このまとめで扱った室内での実験とは異なるので、まとめの趣旨に変更はありませんが、この疑問について考察してみました。

ナノ銀による放射線低減現象の検証実験では対照実験も行われていますよ - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/980202


結論として以下と考えます。
  • ゴミ焼却灰実験での対照系の設計や測定方法には問題があり、この実験ではナノ銀と一緒に投入した溶液や骨炭の影響を除外できない。この実験だけでナノ銀による放射線低減があるとは言い難い。
但し、こういった実践的なフィールド実験で効果を検証する意義は大きいと思っており、効果を示すのに失敗したデータであっても公開する姿勢は非常に重要だと思います。
また、この実験には問題がありましたが、その後、条件を制御しやすい室内で行われた実験では対照系も測定方法も改善され、より精度の高い設計と実測がなされています。

この測定結果レポートは、松崎いたる区議に対する名誉毀損訴訟で裁判所に提出された原告側資料の中にあります。但し、この資料の公開は原告側の了解を得たものではないので、敢えて元のURLは示さず、この記事の末尾に実験レポートの画像を載せました。非公開が前提であり、プライバシー侵害のおそれのある裁判資料をそのまま公開する松崎いたる区議に姿勢には疑問を感じます。

測定結果レポートの冒頭には、以下のように記載されています。
立会者(測定方法指導) 岩崎 信(元東北大学教授)
しかし、岩崎博士本人に確認したところ、岩崎博士は現場で立ち会っていたが、実験目的設定や実験の実施要領に関して関与していなかったとのこと。また、この時点(2012年3月28日)では、ナノ銀の実験や課題についてほとんどご存知なかったとの事です。
したがって、この実験には、岩崎博士の持つ放射線計測の専門家としてのノウハウは活かされていませんでした。

ホタル飼育の繁忙期であった阿部博士には余りお話を伺えてませんが、この測定は制約の厳しい環境で行われたとのこと。フィールド実験の難しさがあったようです。

以下に問題点の一例を挙げます。

1)実験A(対照系)で放射線量が下がっていない

3.6リットルの水を下から注入していますが、以下のように施行30分後の方が放射線量が高くなっています。
施行前:4.82μSv、施工直後:4.38μSv、施行30分後:4.93μSv

本来、水も遮蔽効果を持つので、放射線量は下がると想定されるのですが、下がっていません。原因は不明ですが、下から注入した水が焼却灰に混ざっていなかったのかもしれません。この状況ですと、同等の条件での比較が難しくなると思います。

2)実験B(本実験系)で注入された遮蔽物がAと同等ではない

実験Bでは以下を注入しています。対照系との違いをできるだけ「ナノ銀だけ」に近づけるためには、Aに入れるものはナノ銀を担持しないコラーゲン溶液と、ナノ銀を担持しない骨炭であるのが望ましいのですが、そうなっていません。
ナノ純銀担持コラーゲン溶液 (10ppm) 3.0リットル
ナノ純銀担持骨炭 3.0kg
但し、ナノ銀担持コラーゲン溶液はほぼ水と同密度らしいので、同量の水を対照系で使う近似はあり得ると思います(遮蔽の強さは殆ど物質の密度で決まるため)。

しかし、Aの水の量とBのナノ銀担持コラーゲン溶液の量は異なっており、またBのナノ銀担持骨炭に相当するものがAには入っていません。

したがって、実験Aと実験Bの差を見ても、それが遮蔽物による差なのか、ナノ銀による差なのかの判別が非常に難しいのです。

以上

実験レポート(9ページ): 松崎いたる区議に対する名誉毀損訴訟で提出された証拠書類













2016年5月29日日曜日

ナノ銀による放射線低減現象の検証実験では対照実験も行われていますよ

「理科の探検(RikaTan)」誌の2016年4月号に「ナノ銀除染のニセ科学」という記事が載りました。目次は以下の通りです。


この記事には納得できない点が多々あるのですが、最も気になったのは、阿部宣男博士と岩崎信博士によるナノ銀による放射線低減実験では全く対照実験がなされていないかのような記載があった事です。「対照実験が皆無である」という題名の節に以下のように書かれています。

<引用開始>発表1では、試料Aが試料Bの対照実験となっ ています。しかし、発表予稿中に、試料Aを測定した結果は書かれていませんし、試料Aと試 料Bの比較も行われていませんでした。発表2と3では、ナノ銀を担持させていない溶液等を用いた結果との比較が必要であるところ、そのような実験をしたという記述はありませんでした。
阿部氏の実験では対照実験が行われていないた め「ナノ銀を担持させた材料を加えたら放射能が減った」という測定結果が得られたとしても、それがナノ銀の効果であるという結論を出すことができません。<引用終了>
この「対照実験が皆無である」という認識は間違いです。私自身、発表予稿だけでは分からなかったので、直接、阿部宣男博士に連絡して色々な実験データを見せていただきましたが、条件が許す限り丁寧に対照実験が行われており、そのデータも取られていました。

更に、2014年7月7日に行われた第51回 アイソトープ・放射線 研究発表会で、岩崎信博士が以下の題名で口頭発表しており、その中で、対照実験との対比についても説明しています

1a-III-01 4-5nm銀粒子の土壌中の134Csと137Csおよび加理肥料中の40K放射能低減効果

見えにくくて恐縮ですが、以下の写真はその時の発表資料を撮影したものです。ナノ銀コラーゲン液を使ったB試料に対して、唯のコラーゲン液を使った対照実験用にA試料を用意し、その放射線低減を比較しているのが分かります。



この点について、Twitter上で、著者の天羽優子氏とやりとりする機会がありました。以下のように、対照実験が行われている事を納得いただけたようです


対照実験の有無やそれを公表しているかについては、阿部宣男博士や岩崎信博士に問い合わせれば直ぐに分かった筈ですが、実際には問い合わせはなかったそうです。通常、雑誌に記事が載る時には、カウンターコメントを取ったり、裏付け取材をするのが必須だと思うのですが、「理科の探検」誌では、そうではないようです。

この点について編集長の左巻健男氏に以下のようなツイートをしてみたのですが、左巻健男氏からは何も返事をいただけず、逆に左巻健男氏からブロックされてしまいました。

以上

2016年1月2日土曜日

ナノ銀による抗セシウム加工技術の話

今回も常温核融合との関係は良く分からない話題です。

2015年3月に開催された第3回国連防災世界会議に、関西学生発イノベーション創出協議会が、ナノ銀を繊維に織り込むことで、抗セシウム性を持たせた衣類をデモ展示していました。この方々のホームページは、 http://www.world-protection.jp/index.html にあります。



抗セシウム性がどういうものか気になったので少し調べてみました。まず、抗セシウム加工を施した繊維は「エイブリーチ」としてダイワタオル共同組合から商品化されているようで、以下にカタログが掲載されています。

エイブリーチのカタログ
このカタログには、京都大学原子炉実験所が測定協力していると記されています。探してみると、以下のレポートが見つかりました。商品名は明記されていませんが、ダイワタオルの方々も著者となっているので、論文中の「抗菌を目的に銀ナノ粒子を付着させた」資料Eがエイブリーチ相当のタオルだと考えました。



このレポートでは以下の5種類の綿100%タオルについてセシウムによる汚染度と洗濯による除去効果を測定しています。

  • タオルA: 企業の PR などに使われている薄手のタオル
  • タオルB: 家庭用のごく一般的なタオル
  • タオルC: バスタオルなどに使用されている厚手のもの
  • タオルD: タオル B にポリエステルポリマーやエチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテルなどを含む薬剤(プリシェード SR-2,一方社油脂工業株式会社)で防汚処理を施したもの
  • タオルE: 抗菌を目的に銀ナノ粒子を付着させたもの

興味深いのは、湿式汚染実験の結果です。以下のように記載されています(赤字は引用者による)。これが「抗セシウム」性を示す結果だと思われます。
湿式汚染実験における各種類のタオルにおける付着量を Table 3 に示した。タオル A,B,C で,それぞれ,28.9,48.7,及び 57.2 Bq/sample の付着量であり,これは負荷した土壌中 137Cs 量の,それぞれ,3.9,6.5,及び7.6%/sample であった。タオル地が厚くなるほど,137Csによる付着量は増加するが,タオル重量当たりでみると,普通の厚さのタオルは,薄いタオルや厚いタオルに比べ有意に単位重量当たりの付着量が多かった(p = 0.04)。 
乾式で汚染させた時と同様,防汚処理による効果は認められなかったが,銀ナノ粒子による防菌加工されたタオルではセシウムによる付着量は通常のタオルに比べ約半分程度であった

たしかに、Table 3では、資料Eの「Before Washing(洗濯前)」のセシウム付着量が減っているように見えます。しかし、この機序は以下のように不明とされています(赤字は引用者による)。
今回の実験では,市販の防汚加工剤(プリシェードSR-2)による防汚加工はとくに汚染量の低減に有効ではなかった。この防汚加工は,繊維の親水性,親油性を少なくすることにより,汗や食品等の付着を低減する処理である。今回の結果は,セシウムで汚染された土壌粒子によるタオル生地の汚染は,このような一般的な防汚加工が対象としている繊維の汚染とは異なる機序によっていることを示唆している。銀ナノ粒子による処理は,繊維や塗料,プラスチックなどに銀の微粒子を付着・含有させ,導電性や抗菌性を付与するものである。タオルや服地にシルクプロテインと合わせて処理し,抗菌性と光沢を向上させるためなどに使用されている。今回,このような処理によりセシウムで汚染された土壌によるタオル地の汚染,特に湿式での汚染が低減された。その機序については不明であるが,銀ナノ粒子の処理により繊維表面の電荷状態などが変化し,それによって土壌微粒子の付着が低減されたものと推察している
このブログの読者の方々には、ここで述べられた「推察」以外の仮説が思い浮かぶでしょうが、上記の実験結果だけでは、これ以上の追究は無理でしょう。真相に迫るためには様々な実験を適切に関連付けて見ていく必要がありそうですね。

以上


2016年1月1日金曜日

繊維表面に銀ナノ粒子を固定化する技術の話

今回は常温核融合とは関係ない話題です。
ナノ銀(銀ナノ粒子)が抗菌性を持っている事は広く知られています。工夫のポイントは、ナノ銀を何に担持させるか、そのためにどのような技術を使うか、という所です。たまたま、ナノ銀を「繊維」に担持させる方法を記した資料を見つけたのでご紹介します。
優れた抗菌性を示す銀ナノ粒子固定化技術 粒子固定化技術の開発大阪大学大学院工学研究科准教授 清野 智史
概要は以下の通りです。繊維表面にナノ銀を担持することで、その繊維に抗菌性/殺菌性を持たせています。


幅広い菌種に対して抗菌性/殺菌性を示すことが検証されています。


100回洗濯しても性能はほとんど低下していません。


色々な種類の繊維に担持できるそうです。


そして、安全性の面でも問題がなさそうだとしています。


既にAg Bulletという名前で商品化もされているそうです。今後の展開に期待しましょう。



以上

2015年3月22日日曜日

ナノ銀による放射線低減実験~応用光研FNF-401を使った測定

久しぶりに、ナノ銀による放射線低減現象の実験結果を投稿します。
応用光研工業株式会社の出しているFNF-401というかなり精度の高い測定器を使用して2012年11月8日に計測された実験結果を阿部宣男博士からいただいたので以下にまとめます。

FNF-401の設置写真

測定は以下の2ステップで行われました。
  1. 二本松市の一般のご家庭から採取したセシウム汚染土壌25gの放射線量を測定
  2. この汚染土壌25gにナノ銀を担持させたコラーゲン溶液40cc(約40g)を添加し、計65gとなった試料の放射線量を測定
上記2回の測定結果データをSPViewerというツール可視化したものを以下に置きました。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/95398078/SPViewer/spviewer.html

複数のデータを表示する機能を使って2回の測定結果データをグラフにしたのが以下の図です。放射性セシウムに特徴的な3つのピークがそれぞれ減少している事が見てとれます。

2つの測定結果の比較

上記のデータから、1回目と2回目で試料の質量が変わっている事に注意して、それぞれの試料に含まれていたセシウムのベクレル数を比較してみます。

1回目:汚染土壌25g

日時:2012/11/08 10:15:39
質量:25g
測定時間:1800秒
Cs-134: 121912Bq/kg
Cs-137: 232378Bq/kg
したがって、25gの試料全体に含まれるセシウム量は、
Cs-134: 121912 Bq/kg × 0.025 kg = 3048 Bq
Cs-137: 232378 Bq/kg × 0.025 kg = 5809 Bq

2回目: 汚染土壌25g + ナノ銀コラーゲン液40cc(40g)

2012/11/08 11:27:32
質量:65g (ナノ銀溶液40gを付加)
測定時間:1800秒
Cs-134: 42055Bq/kg
Cs-137: 79941Bq/kg
したがって、65gの試料全体に含まれるセシウム量は、
Cs-134: 42055 Bq/kg × 0.065 kg = 2734 Bq
Cs-137: 79941 Bq/kg × 0.065 kg = 5196 Bq

したがって、2回の間のセシウムの減少率は以下の通り。(時間間隔は1時間12分)
Cs-134の減少率: 2734/3048 = 89.7%
Cs-137の減少率: 5196/5809 = 89.4%

10時15分から11時27分まで1時間余りしか経っていないにも関わらず、89.7%や89.4%といった率でベクレル数が減少するのは、何か異常な現象が起こっていると思われます。また、Cs-134とCs-137という異なる同位体が同じような率で減少しているのも非常に興味深い現象です・・・ナノ銀は特定の放射性同位体に選択的に効果を及ぼすのではなく、複数の放射性同位体に同じように効果を及ぼしているように見えます。

FNF-401のような精度の高い測定器があると、減少率を継続的に計測するなど、様々な検証が可能になりそうです。もし、FNF-401をお持ちの研究室があれば、是非、追試に取り組んでいただきたいと思います。

ちなみに、FNF-401の説明書には以下のような利点が記されています。強力な遮蔽によってバックグラウンドの影響を抑えている点が素晴らしいと思います。
  • 検出限界値が低い(1kg の試料を 1000 秒測定した場合 10Bq/kg まで測定出来る)
  • シンチレータが大きい(φ3 インチ×3 インチ) (精度を上げる為の部品選定。効率が良い測定が出来る)
  • 鉛遮へいが厚い(5cm) (バックグラウンドが低いので、より正確な測定が出来る)
  • 上部から下部まで鉛で遮へいされている (バックグラウンドが低いので、より正確な測定が出来る)

以上

2014年12月31日水曜日

ナノ銀担持骨炭によるヨウ素の除去実験

ナノ銀による放射線低減実験は、主として阿部宣男博士と岩崎信博士によって複数回実施報告が出されています(実験報告へのインデックスはここにあります)。今回紹介するのは、2011年に東京都水道局によって実施されたヨウ素の除去実験です。レポートを見るまでは、「放射性ヨウ素」を対象とした放射線の低減実験だと誤解していたのですが、実態は、非放射性ヨウ素の除去(吸着)実験でした。そして、ナノ銀担持牛骨炭が高いヨウ素除去性能を持っているとの結果が得られていました(但し、ナノ銀や牛骨炭の役割は分かっていません)。

今回、関係者から東京都水道局の出したレポート(以下)を見せていただいたので、私見を含めてまとめてみます。


1. 目的

「ナノ純銀粒子を担持した牛骨炭や御影石のヨウ素の除去性について検証した」とあります。
放射性ヨウ素の放射線の減衰を検証しようとしたのではなく、水道の原水からのヨウ素の「除去性」を検証目的として挙げている点に要注意です。水道局の関心がそこにあったのは当然だと思うのですが、私の期待とは少し違っていました。

2. 予備実験結果

このレポートには、「予備実験」と「本実験」の2つの実験結果が書かれています。
まず予備実験では、浄水場の原水に放射性ヨウ素を加えてヨウ素が減るかどうかを、高周波誘導結合型プラズマ質量分析計で確かめています。ここで、「放射性ヨウ素」を使っているのは以下の2つの理由によると考えます。
  • 実験の観点がヨウ素の除去性の評価にある。
  • 放射性ヨウ素は放射性物質の研究施設でなければ扱えない。
結果は以下の図に示されています。説明文を引用します。
御影石では約15%、牛骨炭では約60%の除去率であった。ナノ純銀粒子を担持させても、その支持体によって除去性が異なることが分かった。牛骨炭で除去率が高かった原因として、フッ素の除去方法である骨炭法と同様に、主にイオン交換により除去されると推測される。

どうやら、ナノ銀の関与は不明ながら、「ナノ銀担持牛骨炭」のヨウ素除去性能が高いようです。ちなみに、「骨炭法」を検索してみると、例えば、「生物系産業廃棄物からの活性炭製造と水処理への応用」といった報告が出てきます。骨炭がフッ素除去に効果があると述べられています。参考までに要旨を引用します。
現在,骨炭の国内での工業的な使用は製糖工場における糖液の脱色に限られているが,海外ではフッ素沈着病の予防法として飲料水中のフッ素除去に使われ始めている.一方,国内では半導体工場等から排出されるフッ素の問題が起きており,今後早急な除去対策が必要であると考えられる.従来のカルシウム沈殿法では新しい法規制値を満足させることが難しいため,フルオロアパタイト (FAP) 生成法に準じた方法として骨炭を選び,作製条件およびフッ素除去に関する検討を行った.
その結果,同一作製条件であっても骨の部位によっては大きな比表面積を持つものが得られ,特に肋骨から作製した骨炭は市販骨炭と同等のフッ素吸着能力を示した.

3. 本実験結果

本実験は、「流水中」での除去性確認を目的としたようです。ここでも、「放射性ヨウ素を定量した」とあります。結局、放射線低減効果については検証されなかったようです。

結果は以下の図に示されています。説明文を引用します。
牛骨炭で約50%、粒状活性炭新炭で約60%の除去率であり、その他の材料の除去率は低かった。牛骨炭は、主にイオン交換によりヨウ素を除去すると考えられることから、イオン交換能がなくなった後は再生処理(1%苛性ソーダ溶液を通水するなど)が効果を持つと見られる。

ここで最も効果の高かった「新炭」が何者なのかを知りたくなります。しかし、報告書本文に「粒状活性炭新炭」という記載がある他は組成についての記述がありません。阿部宣男博士に当時の事情を伺ったところ、詳細は不明ながら、当時水道局が持っていた濾過用の活性炭にナノ銀担持御影石やナノ銀担持牛骨炭を全部混ぜた「全部入り」濾過材だという話を聞いたとのことでした。そうだとすると、ヨウ素除去の主役はナノ銀担持骨炭だった可能性もあります。

4. まとめ

この実験結果について以下のように言えるでしょう。
  • 放射線低減の実験であると期待していたが、そうではなかった(放射性ヨウ素を使っておらず、放射線測定もしていない)。
  • 原水からのヨウ素の除去性を確認するための実験であり、効果を確認できた素材があった。
  • ナノ銀の関与は不明だが、ナノ銀担持牛骨炭はヨウ素の高い除去性を持つ素材のようだ。
放射線低減について分からなかったのは残念ですが、ナノ銀担持牛骨炭がヨウ素除去に役立つと分かったのは大きな成果ではないかと思います。今後、ナノ銀の関与や放射線への効果も含めて、この素材が原発事故時の飲料水の浄化に役立つかどうか検証が進むことを期待します。

以上

2014年11月3日月曜日

ナノ銀によるピッチブレンドの放射線低減実験

ナノ銀による放射線低減実験に興味を持っている私の友人が、たいへん興味深い実験結果を送ってくれました。

ピッチブレンド(pitchblende、瀝青ウラン鉱)と呼ばれる鉱石があります。ピッチブレンドは、ウラニウムやウラニウムの崩壊によって生成されたラジウムなどの放射性物質を含んでおり、強い放射線を放っています。今回の実験では、このピッチブレンドをナノ銀コラーゲン溶液の中に漬け込んで(いわゆるドブ漬け)放射線の低減を観測しています。私と同じく、実験を行った友人はただの素人で、研究者ではありません。実験の組み立て方や測定に不十分な点があるかもしれませんが、ドブ漬けにしたピッチブレンドの放射線を測るという(根気のいる)単純な実験なので、それなりに実験の信頼性はあると考えています。

U8容器の中にピッチブレンドの塊をナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)でドブ漬けにした状態の写真と使用した放射線測定器(Inspector+)の写真を以下に示します(2014年1月2日撮影)。

写真1:2014年1月2日(ナノ銀ドブ漬けの測定開始日)の測定状況

具体的な実験の様子と測定値を以下にまとめます。
  • 測定器: Inspector+、β線とγ線の双方を計測します。
  • 測定値: CPS(Count per Second)、秒当たりの放射線検出カウント数です。
  • 測定対象とするピッチブレンドの重量は、29.75グラムです(写真3)。【2014-11-09追記】
  • ピッチブレンドは、U8容器の中に市販の瞬間接着剤で固定してあります。このU8容器にナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)を満たし、Inspector+を下に置いた状態で、その上にU8容器を載せてCPS値を計測します。
  • 測定位置を一定とするため、油性マジックでU8容器底面に黒印、Inspector+側に赤印を付け、測定時には2つの線「黒印」「赤印」が重なる状態で測定を行っています(写真4)。【2014-11-09追記】
  • 測定時にはできるだけ3回測定を繰り返すようにしましたが、時には1回だけのこともあります。
  • ナノ銀コラーゲン溶液で計測する前に、水を満たして計測した結果を最初の行に示してあります(2014年1月1日、平均66.26 CPS)。1月2日以降の測定はすべてナノ銀コラーゲン溶液にドブ漬けしたものの結果です。

測定結果: 

以下が放射線量をグラフにしたものです。


測定値のリストは ここ に載せました。

2014年1月2日に測定を開始した時点で3回測定の平均が64.50 CPS、その後も2月上旬くらいまでは同じような計測値が続いています。ところが、3月12日の測定で54.21 CPSに値がガクッと下がりました。その後も若干上下していますが、10月23日の測定でも53.95 CPSと値は下がったままです。元の値からすると84%になっており、16%もの低減が観測されたことになります。

写真2: 2014年10月5日の測定状況

写真3:ピッチブレンドの重量測定

写真4:黒印と赤印を合わせて測定している様子

考察: 

これまで、ナノ銀による放射線低減効果は、セシウムとカリウムについて観測されてきました。
今回、別の実験者によって、ピッチブレンドに対しても放射線低減効果がありそうな結果が示された事になります。ナノ銀がピッチブレンドに対してどのように作用しているのか、特に表面より下の層に対してどのように作用しているのかは未解明ですが非常に興味を惹かれます。
もし、ピッチブレンドに含まれるウラニウムやラジウムに対しても放射線低減効果が発揮されるなら、世界や日本でも厄介モノとなっている放射性廃棄物の処理に大きな光明となるかもしれません。これを見ておられる研究者の方々にも是非追試をお願いしたいと思います。

参考: ピッチブレンドの放射線測定の様子(YouTubeに公開されている動画)

当実験での秒当たりのカウント数が高過ぎるのではないかと思ったのですが、ピッチブレンドは非常に強い放射線を出すらしく、このぐらいは出てもおかしくないようです。YouTubeには強烈な値を計測しているピッチブレンドの計測画像が色々とあがっています。

以上



2014年8月18日月曜日

続・夏休みにナノ銀素人実験を試してみる

前回、ナノ銀による放射線低減効果を試す素人実験を行おうとして、材料を揃えたは良いが、最初のカリウムの放射線測定のところで躓いた話を書きました。

どうやら、ただでさえ弱いカリウム40の出す放射線を手持ちのエアカウンターSで測るのは無理だったようです。かと言って、せっかく入手したナノ銀コラーゲン溶液をこのまま使わずにいるのも勿体無い・・・と思って、別の実験をやってみたところ、意味ありげな結果が得られたので、まだまだ不正確な実験ではありますが、書いておきます。

ちなみに、利用しているナノ銀コラーゲン溶液は、UFS REFINE社の販売しているものを純水で薄めて、20μg/mlの濃度に調整されたものです。元が160μg/mlなので、8倍に希釈されていることになります。20μg/mlの濃度を選んだのは、「ナノ銀による放射線低減効果とナノ銀濃度の関係」に記したように、色々な濃度の溶液の中で最も効果があったものだからです。

仮説と実験内容


  • 素人仮説で、ナノ銀粒子は、放射性物質の崩壊を加速する効果があると想定してみます。そうだとすると、カリウム40がナノ銀コラーゲン溶液に浸された時に、少しの間だけ、通常より多くの崩壊が起こり、通常よりも強い放射線が計測できるのではないでしょうか。
  • この仮説に従って、カリ肥料にナノ銀コラーゲン溶液をかけた時の放射線量を計測してみる事にしました。要するに、カリ肥料にナノ銀コラーゲン溶液をぶっ掛けたら放射線量が上がるかどうか確かめてみよう、という事です。

1回目の実験


  • 浴槽実験を繰り返して疲れていたので、1回目の実験はとてもお気楽に行いました。浴槽など用いず、ガラス瓶の中にカリ肥料を4gほど取り、その上から目分量で数ccくらいのナノ銀コラーゲン溶液を垂らして線量計を見ていました。
    ガラス瓶に入った4gのカリ肥料とは以下のような感じです。
  • 最初の数分間は、0.05~0.08μSv程度の放射線量でした。
  • 混ざり具合が悪いのかと思って、容器のままグルグル回してみたり、少し左右に振ってみたりしたところ・・・急に放射線量が上がり始め、最高で0.14μSvくらいまで上がりました。しかし、その高線量の時間は長く続かず、1分もしない内にまた0.05~0.08μSv程度の放射線量に戻りました。
  • これが、本当にナノ銀による放射性物質の崩壊加速によるものなのかどうかは分かりません。たまたまその時に空間線量が高くなったのかもしれませんし、何か測定器にノイズが入ったのかもしれません。とは言え、もしかすると、本当に一時的な線量増加があるのでは・・・と期待を持たせる結果でした。



    2回目の実験


    • 少なくとも外部からの放射線の影響を少しでも取り除くため、防水された冷水筒の中にナノ銀コラーゲン溶液をかけたカリ肥料のガラス瓶と測定器(エアカウンターS)を入れて、水を張った浴槽に沈めて、その計測値を見ていました。
    • 今回使ったカリ肥料の量は約12gです。前回よりも多目にしました。またナノ銀コラーゲン溶液も少し多目に10ccくらい入れました(全て目分量といういい加減さです・・・笑)。
    • 実験時間は合計で10分間です。実験中、見えないところにタイマーを置いてしまったので、以降の時間は全て感覚頼りの不正確なものです。冷水筒を押さえるのに両手を使っていて、タイマーの位置を直せなかったのです。
    • 1回目と同じく、最初の数分間は0.05~0.08μSv程度の放射線量でした。
    • 痺れを切らして、1回目と同じように、冷水筒をグルグル回したり、傾けたりしました。
    • そうした所、急に放射線量が上がり始めました。エアカウンターSでは10秒ごとに測定値が更新されるのですが、0.08→0.09→0.10→0.13→0.14と1分間くらいかけて最高0.14μSvまで放射線量が上昇しました。
    • その後は、すぐに降下を始め、0.05~0.08μSv程度の元の状態に復しました。



      実験のまとめ


      • とても不確かな実験ではありますが、2回とも急な放射線量の増加と減少が見られました。今までにも時々0.14μSvくらいのスパイクが出ることはあったのですが、2回目の実験では、1分間くらいかけて徐々に0.14μSvまで上昇しており、これまでのスパイクとは違うとの印象を持ちました。
      • この放射線量増加の特徴は以下の通りです。
        (1) ナノ銀コラーゲン溶液とカリ肥料を混ぜてから起こるまでに数分はかかる。
        (2) 放射線量の上昇は1分間程度しか見られない。そのため、長い時間の平均値になると、エアカウンターSでは見えなくなる。リアルタイムに表示値を見ているしかない。

      以上が今回の実験の結果です。
      ご覧になった通り、不正確な要因は幾つもありますし、何かのノイズを拾ったという可能性もあります。この結果だけで何かが言えるという訳ではありません。

      しかし、2回の実験で全く同じような線量増加が見られたので、ナノ銀によって放射性物質の崩壊が加速されたのでは・・・という疑いを更に強く感じるようになりました。逆に、不用意に大量のカリ肥料に対してナノ銀コラーゲン溶液を入れるのは、強い放射線を出す危険性があるのかもしれません。今後の実験では気をつけたいと思います。

      ちなみに、浴槽の中に沈めた冷水筒の中のエアカウンターSの表示値が、10秒毎に高くなって行くのを見るのはなかなか刺激的な光景でした。


      以上


      2014年8月17日日曜日

      夏休みにナノ銀素人実験を試してみる

      この夏に、ナノ銀による放射線低減実験を自分でも試してみてます。色々と問題に突き当たっていて、まだ結果を出せていませんが、失敗から学ぶことも多いので、自分のメモ代わりにまとめます。(結果を出せずに終わるかもしれませんが・・)

      方針

      • 素人でも安全に実験できること。放射性セシウムは入手も困難だし、危ないので扱わない。放射性物質としては市販されているカリ肥料(K40を僅かに含有)を使う。
      • 安価に実験する。これは財布事情から必然です(笑)。

      集めた素材

      • ナノ銀コラーゲン溶液:UFS REFINE社のものを20ppmに希釈したものを有償で分けて貰いました。タルクを使ったものにするか、あるいは、もっと濃い溶液にするか、色々と選択肢があって迷う所ですが、余り悩まずに決めました。まずはやってみようという精神です(笑)。工業用で一般には市販されていないようなので、もし入手したい方がいたらご相談ください。



        • カリ肥料:ホームセンターで300円程度で購入。中身は白い粉末です。
        • 放射線計測器:今では5000円以下で手に入るエアカウンターSを使います。(手軽で良い機種なのですが、この実験には良い選択ではありませんでした。後述します)
          ちなみに、放射線セシウムで校正されているので、放射性カリウムの放射線は正しく測れていない筈です。絶対値ではなく相対値は使えるだろうと考えました。
        • カリ肥料の入れ物:測定時にカリ肥料を入れるビンです。百円ショップで1個100円でした。
        • 冷水筒:後述しますが、測定器とカリ肥料ビンを一緒にして、浴槽に沈めるために使いました。冷蔵庫に横に置けるように、キャップが防水になっているのがポイントです。ぴったり合わせておけば、浴槽に沈めても中に浸水しませんでした。

        バックグラウンド放射線の測定

        • まずは、バックグラウンドを測るべく、室内・室外を色々と測ったのですが、どうも安定しません。測る時間や微妙な場所の差によって、0.05〜0.08μSvぐらいのブレが頻繁に出ました。
        • 遮蔽用に鉛板を買う気はなかったので、遮蔽物の代用品を考えました。水です。水であれば厚さ55cmでガンマ線を1/10に減らせるそうです。
        • そのため、室内にある最大の水槽である浴槽を使うことにしました。浴槽一杯に水を張り、濡れないようにエアカウンターSを冷水筒に入れて、真ん中あたりに沈めました。上下の高さは50cmには足りませんが、縦横はそれなりに厚みがあります。
        • 結果として、バックグラウンド線量を減らすのにはたぶん成功したようです。5分間ずつ3回測りましたが、いずれもエアカウンターSの測定下限である0.05μSvに張り付いたまま測定を終えました。
        • 問題は2点。
          ① エアカウンターSでは0.05μSvが測定の下限で、これ以下の線量が測れません。この実験では、これでは全く不十分でした。
          ② 冷水筒を沈めるのは手でやりましたが、じっと抑えているのは、かなり疲れます。何か固定する器具なり重石なりがあった方が良いです。

        カリ肥料の放射線測定

        • 保存ビンにカリ肥料を268g入れて、エアカウンターSと一緒に冷水筒に入れて浴槽に沈めて計測しました。(ビンの上の方まで入れたら286gになった、という事です)
        • ところが! 0.05μSvを上回る線量がなかなか出ないのです。時々0.14μSvとかにスパイクするので、放射線が出ているらしい事は分かるのですが、平均すると微妙に0.05μSvを上回るかどうか・・というように見えます。
        ・・・という事で、カリ肥料で有意な強さの放射線を計測できていない状態なので、これ以上先に進めなくなってしまいました。精度の高い計測器を借りるなり何なり、今後の進め方はもう一度考えてみます。

        以上

        2014年7月26日土曜日

        東京都知事選でアピールされかかったナノ銀除染

        今年5月に発売された『月刊『紙の爆弾』2014年6月号』にナノ銀除染に関して興味深い記事が出ていました。「自民党内「反安倍」勢力、小泉&細川新法人設立 「保守系反原発」に期待すべきか」という題名の記事で、著者は山田厚俊氏です。


        政治家の平野貞夫氏がナノ銀による放射線低減効果の研究を支持しており、常温核融合(LENR)を重要視されている事は、これまで何度も表明されてきました。平野貞夫氏は、小沢一郎氏のブレーンとしても知られていますが、細川護煕氏からも信頼されているとのこと。その細川氏が東京都知事選出馬に際して、平野氏に連絡を取ったそうです。そして、平野氏が脱原発の秘策として用意していたのが、実は「ナノ銀除染」だったと記されています。以下、記事より引用します。
        実は、細川氏が出馬した都知事選においても、このナノ純銀の除染処理方法は訴えられようとした。その”幻のアピール文”の要旨がある。「東京都に は、福島原発事故問題を解決すべき責任がある。と同時に、その『知恵』を持っている。」と題されたA4用紙二枚に、ナノ純銀の”効果”が記されている。
        それによると、東京都は電力の大消費地であり、福島第一原発の電力に依存して豊かな生活を享受することができた”恩恵”がある以上、原発事故に苦しむ人を救済し、諸問題を解決しなければならない責任があると道義的、倫理的な問題提起がはじめに書かれ、ナノ純銀の効果や研究経緯が記されている。
        そして、<今後は直接的証拠の確認のために、諸研究機関等での追試・検証が待たれる。>としながらも、<昨年来、『追試』を求めて各方面に働きかけてきたが、政府機関・学会等からは無視され続けている現状がある。><この技術を認めようとしない理由は、「核分裂」に拘る原子力村にとっても「高熱高圧核融合」の研究グループにとっても、【死活問題】となりうる研究><板橋区に住む下村文科大臣は、野党時代には強い関心を示していたが、大臣就任と同時に無関心になった。>と、一刀両断。最後には、<放射能の低減化、無害化を世界に先駆けて『東京』で挑戦し、東京オリンピックまでに『新しい技術』を完成させることが、我々に課せられた新しい使命ではないか。>と締めくくる。
        準備不足や選対事務所のゴタゴタにより、表面には出ずに終わったが、この要旨をまとめたのも当然のことながら、平野氏だった。つまり、平野氏は細川氏、小泉氏が掲げる「脱原発」を具現化するための最重要人物だというのである。
        東京都知事選でアピールされていたら、研究を進める上で非常に大きな力になっていたであろうと思うと、細川氏陣営の準備不足が残念でなりません。ナノ銀除染以外にも、振動攪拌による核変換現象微生物による放射線低減など、放射性廃棄物や放射能汚染を軽減できるかも知れない様々な技術が提案されています。福島原発災害を引き起こしてしまった日本こそ、常識に囚われず、実験事実を冷静に見て、こういった新たな研究へ取り組むべきだと思います。

        以上

        2014年7月13日日曜日

        ナノ銀による放射線低減実験(2)初期の低減実験結果

        第51回アイソトープ・放射線 研究発表会では、以下のポスター発表も行われました。
        ポスター発表 7月7日(月)11:30 〜 7月8日(火) 11:00
        ⅠP-18 4-5nm粒径銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象
        −その発見と初期の線量計データを中心に−
        (元東京都板橋区ホタル生態環境館)○阿部宜男、
        (個人)坂本圭磯、綾部斗清、望月將地、
        (東北工大・共通教育セ)岩崎信
        このポスター発表では、ナノ銀による放射線低減効果を示す初期の実験結果が紹介されました。以下に発表内容をまとめます。

        端緒

        発表者の阿部宣男博士は、2011年3月末にナノ銀担持コラーゲン液を板橋区ホタル生態環境館の敷地や土壌に噴霧・滴下した。その結果、残留ガンマ線量がかなりの程度低減した。この結果を受けて、2011年5月から、5つの土壌試料を用いた系統的線量計測を開始した。

        系統的線量測定

        1)4種の土壌を使った計測結果

        • 測定方法
          4種の土壌を市販のポリエチレン製の円筒容器(外形54mm、高さ35mm)に入れ、初期値を測定後、ナノ銀溶液を噴霧して蓋を閉めて測定開始。その後、毎日、測定を行った。
        • 土壌
          A: ホタル生態環境館の雨樋下で採取した土壌 2011-05-01(2ヶ月間)
          B: 福島県内1 家庭からの採取土壌 2011-07-01(45日間)
          C: 福島県内2 家庭からの採取土壌 2011-08-01(2ヶ月間)
          D: 福島県内3 家庭からの採取土壌 2011-09-01(11日間)
        • 噴霧したナノ銀溶液
          A, B, D: 20 ppm ナノ銀担持コラーゲン液を噴霧
          C: ナノ銀担持タルク水を噴霧
        • 計測環境
          A: 実験机の上で線量計を使用
          B, C, D: 四角く薄い携帯用鉛遮蔽体(下図)
        • 留意点
          この時の実験では、いずれもバックグラウンド放射線(BG)を計測していない。
        • 計測結果
          4土壌の線量値の変化を以下のグラフに示す。概ね指数関数的な減衰である。但し、初期に鋭い減衰が存在する。概ね40日以降はBGレベルの線量となっている。

        2)ホタル生態環境館の雨樋下の土壌を使った対照実験

        • 測定方法
          ホタル生態環境館の雨樋下で採取した土壌を18 g と19 g 取り、一方(A')には 20 ppm ナノ銀担持コラーゲン液を噴霧、他方は対照試料とした。
          日立アロカ線量計により、初期値測定後、時間を置いて3回測定した。
        • 測定器
          日立アロカ線量計
        • 測定結果
          以下のグラフに示す。初期に鋭い減衰が見られる。

        補足(使用されているナノ銀)

        この実験で使用されているナノ銀担持コラーゲン液とナノ銀担持タルク(パウダー)は、UFS-REFINE株式会社が提供しているものです。ナノ銀担持コラーゲン液については、原液を純水で希釈して20 ppm等の濃度のものを作っているとの事です。
        以下はUFS-REFINE株式会社にホームページに載っている製品の紹介です。いずれも、この会社の特許技術で作った4ナノメートルから5ナノメートルのナノ銀を担持させているのが特長です(一般に売られている他社の製品では10ナノメートル以上のものが多いようです)。




        発表資料の中の写真では、ナノ銀を担持させたコラーゲン液(左)と、ただのコラーゲン液(右)の色の違いを示されていました。
        以上

        2014年7月8日火曜日

        ナノ銀による放射線低減実験(1)カリウム40への適用

        第51回アイソトープ・放射線 研究発表会が東大弥生講堂および教室を使って開催されました。プログラムは ここ に、正誤表は ここ に掲載されています。


        この中で、ナノ銀による放射線低減実験についての口頭発表とポスター発表が行われました(発表者はそれぞれ岩崎信博士と阿部宣男博士)。

        口頭発表 7月7日(月)
        放射線効果(1) 10:00〜11:00 
        座長 鷲尾方一(早大・理工研)
        1a-III-01 4-5nm銀粒子の土壌中の134Csと137Csおよび加理肥料中の40K放射能低減効果(東北工大・共通教育セ)○岩崎信、
        (元東京都板橋区ホタル生態環境館)阿部宜男、
        (個人)坂本圭磯、綾部斗清、望月將地
        ⇒ 口頭発表の様子は、ツイキャスの動画で見る事ができます。

        ポスター発表 7月7日(月)11:30 〜 7月8日(火) 11:00
        ⅠP-18 4-5nm粒径銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象 −その発見と初期の線量計データを中心に−(元東京都板橋区ホタル生態環境館)○阿部宜男、
        (個人)坂本圭磯、綾部斗清、望月將地、
        (東北工大・共通教育セ)岩崎信

        興味深い内容が盛りだくさんなので、何回かに分けて報告しようと思います。

        これまでも、放射性セシウムを含む土壌に対してナノ銀を混ぜると、土壌の放射線強度が低下したという実験結果が発表されていました。今回の発表では、その具体的な実験方法やこれまでの経緯が説明された他、放射性カリウム(40K)に対してもナノ銀による放射線低減現象が起こった事が報告されました。

        この結果は以下の点で非常に重要だと思います。
        • ナノ銀による放射線低減効果が、放射性セシウム以外の放射性物質(40K)に対しても有効である事が示された。
          従来の実験で、セシウム134とセシウム137の両方に対して低減効果がある事が分かっていたので、他の放射性物質に対しても効果があるのではないかと思われていましたが、少なくとも40Kに対して効果があると判明しました。
        • 実験に使用された試料は誰でも購入できるカリウム肥料。使用しているナノ銀もUFS-REFINE社で販売されている。そのため、両者を組み合わせた今回の実験の追試はかなり容易になると期待できる。
        予稿集から読み取れる実験の要点部分は以下の通りです。
        • 40Kは天然に存在する放射性物質で、存在比0.01%、T1/2=12億年。
        • 用いているスペクトロメータ(クリアパルス社A2702)の有感体積が小さいため、測定には大量のカリウムが必須。そのため、U9標準容器にカリウム肥料を目一杯(76.7g)入れたものを試料とした。
        • 鉛遮蔽箱の底に上記検出器を平らに置き上に試料を直接置く配置(「表」)と、試料を底に置き試料容器の蓋の上に検出器を伏せて置く配置(「裏」)の二測定を一組とし(各12時間)、これらの平均値を求めた。
        • 実験は2013年2月12日にシリーズIを開始。
          初期値測定後、容器を開けて中を確認し、カリウムをバットに一旦戻し、ナノ銀担持タルク粉300ppm 5gを均一に混ぜ、更にナノ銀担持コラーゲン液160 ppm 10ccを注入。全体を丁寧に混ぜたあと容器に詰め、テープで蓋の併せ目部分を封じ,ナノ銀滴下後一連の測定を8月9日まで8回実施。
        • この間バックグラウンド(BG)を何度も測定(各12時間)。
        • 内2回で「裏」測定が抜けたので6回の結果を示す。
          [(40Kの光電ピーク領域の総計数)-(同領域のBG) ]値の「表/裏」平均値の初期値に対する相対値:
          初期値 2月13日表/14日裏 1.00;
          15日/16日 0.83; 
          17日/18日 0.87; 
          4月8日/ 9日 0.81; 
          5月5日/6日 0.79; 
          6月27日/27日 0.80; 
          7月24日/25日 0.77; 
          8月9日/9日 0.80
        • 上記の通り、この期間で約20%の減衰率となった
        • なお、「表/裏」差を考慮した各平均値の不確かさの大きさは概ね3%~12%(内統計的変動は2.5%弱)と推定された。  
        • 9月10日に上記の試料を開封し中を点検して試料の中間部に注射器でナノ銀コラーゲン液20ppm 5ccを追加注入し、容器を封じて一日経過してからシリーズⅡを開始し、今も継続中。似た結果を得ている。
        カリウムにナノ銀(を担持したコラーゲン液とタルク)を混ぜただけで、放射線の強度が20%もの減衰を示しています。仕組みは未解明ですが、何らかの核変換を想定せざるを得ないのではないかと思います。これからの除染や核廃棄物処理にとって極めて重要な結果であり、是非、様々な科学者の追試をお願いしたいと思います。

        以上