ポスター発表 7月7日(月)11:30 〜 7月8日(火) 11:00このポスター発表では、ナノ銀による放射線低減効果を示す初期の実験結果が紹介されました。以下に発表内容をまとめます。
ⅠP-18 4-5nm粒径銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象
−その発見と初期の線量計データを中心に−
(元東京都板橋区ホタル生態環境館)○阿部宜男、
(個人)坂本圭磯、綾部斗清、望月將地、
(東北工大・共通教育セ)岩崎信
端緒
発表者の阿部宣男博士は、2011年3月末にナノ銀担持コラーゲン液を板橋区ホタル生態環境館の敷地や土壌に噴霧・滴下した。その結果、残留ガンマ線量がかなりの程度低減した。この結果を受けて、2011年5月から、5つの土壌試料を用いた系統的線量計測を開始した。系統的線量測定
1)4種の土壌を使った計測結果
- 測定方法
4種の土壌を市販のポリエチレン製の円筒容器(外形54mm、高さ35mm)に入れ、初期値を測定後、ナノ銀溶液を噴霧して蓋を閉めて測定開始。その後、毎日、測定を行った。
- 土壌
A: ホタル生態環境館の雨樋下で採取した土壌 2011-05-01(2ヶ月間)
B: 福島県内1 家庭からの採取土壌 2011-07-01(45日間)
C: 福島県内2 家庭からの採取土壌 2011-08-01(2ヶ月間)
D: 福島県内3 家庭からの採取土壌 2011-09-01(11日間)
- 噴霧したナノ銀溶液
A, B, D: 20 ppm ナノ銀担持コラーゲン液を噴霧
C: ナノ銀担持タルク水を噴霧 - 計測環境
A: 実験机の上で線量計を使用
B, C, D: 四角く薄い携帯用鉛遮蔽体(下図)
- 留意点
この時の実験では、いずれもバックグラウンド放射線(BG)を計測していない。 - 計測結果
4土壌の線量値の変化を以下のグラフに示す。概ね指数関数的な減衰である。但し、初期に鋭い減衰が存在する。概ね40日以降はBGレベルの線量となっている。
2)ホタル生態環境館の雨樋下の土壌を使った対照実験
- 測定方法
ホタル生態環境館の雨樋下で採取した土壌を18 g と19 g 取り、一方(A')には 20 ppm ナノ銀担持コラーゲン液を噴霧、他方は対照試料とした。
日立アロカ線量計により、初期値測定後、時間を置いて3回測定した。 - 測定器
日立アロカ線量計 - 測定結果
以下のグラフに示す。初期に鋭い減衰が見られる。
補足(使用されているナノ銀)
この実験で使用されているナノ銀担持コラーゲン液とナノ銀担持タルク(パウダー)は、UFS-REFINE株式会社が提供しているものです。ナノ銀担持コラーゲン液については、原液を純水で希釈して20 ppm等の濃度のものを作っているとの事です。以下はUFS-REFINE株式会社にホームページに載っている製品の紹介です。いずれも、この会社の特許技術で作った4ナノメートルから5ナノメートルのナノ銀を担持させているのが特長です(一般に売られている他社の製品では10ナノメートル以上のものが多いようです)。
発表資料の中の写真では、ナノ銀を担持させたコラーゲン液(左)と、ただのコラーゲン液(右)の色の違いを示されていました。
以上
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