2014年10月9日木曜日

常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾~過剰熱と元素変換

とうとう、待ちに待った常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾が公開されました。最初に最も詳しく内容を伝えたのは、スウェーデンの科学ジャーナリストであるMatsさんのブログのようです。論文自体は、ここ(53ページのPDF文書)にあります。


上記のMatsさんの記事に貼られている写真は、新しいE-Catのものです。アルミナで作られていて、以前のものよりずっと細くなっています。

まだ読めていませんが、Matsさんの記事等で分かるレポートの特長は以下の通りです。

  • 予想通り非常にポジティブな結果です。
  • 第一弾の検証では過剰熱測定が中心でしたが、今回の検証では、過剰熱測定に加えて、反応が起こる前後の元素分析が行われています。
  • テスト期間は32日間。入力したエネルギーの3.2倍から3.6倍のエネルギーが出力されました。1グラムの燃料で1.5メガワット時のエネルギーが出力されたことになります(※1グラムの精度は不明です。たぶんレポートを読めば分かる筈です)。
  • 元素分析によって、反応の前後で、大きな同位体構成の差が検出されました。分析は5種類の異なる方法で実施されたとのこと。
  • このレポートは、オープンな論文公開場所であるArxiv.orgに投稿されたが、まだ公開はペンディングになっているそうです。同時に物理の論文誌「Journal of Physics D」にも投稿してあるとのこと。

このレポートの公開については、既に幾つか以下のような記事が出ています。
重要な結果が公開されたのは嬉しいのですが、まだ腑に落ちない点があります。
なぜ、このノーベル賞発表週間に公開したのか? 今週は、おそらく世界中の科学ジャーナリストはノーベル賞の発表に張り付いていて、常温核融合ウォッチャー以外の世間からすると、ひっそりと公開されたレポートなど全く注目されないでしょう。そういう事が分かっていて、この週に出してくるには何か意味があるのではないでしょうか。
また、レポートのAcknowledgementに、「This paper was partially sponsored by the Royal Swedish Academy of Sciences, and Elforsk AB.」という記載があるのも気になります。ノーベル賞を選考しているスウェーデン王立科学アカデミーがスポンサーに入っているのです。単なるレポートの公開だけではない何かが予定されていると期待したいところです。

以上

3 件のコメント:

  1. 浅学様  情報をありがとうございます。私もさっそくこのレポートをdownloadして読んでみます。

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  2. 記事に感謝します。早速読ませていただきました。pdfはこれから読みます。

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  3. 少し読んでみましたが、あまりにも画期的でこれを信じるかぎり常温核融合はまちがいなく存在するようです。商品としてももうすぐ出てくるのでは、と思っています。

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