2011年7月3日日曜日

ロッシ氏のE-Cat発明に先立つ研究成果

ロッシ氏の発明は素晴らしいものですが、ロッシ氏が突然思いついたという類のものではなく、過去の常温核融合研究の積み重ねの上に花開いた発明だと思います。
5月6日にJedさんがvortex-lに投稿した記事に、ロッシ氏が参考にしたのではないかと思われるニッケル・水素系の研究論文が紹介されています。
論文URL: http://www.lenr-canr.org/acrobat/CampariEGphotonandp.pdf


これは、2004年にフランスのマルセイユで開催されたICCF-11(下の写真)で発表されたもので、9名の著者の中には、ロッシ氏の共同研究者であるFocardi博士とロッシ氏と特許争いをしているPiantelli博士がいます。


この論文では、ニッケル・水素を使った長時間のエネルギー発生の実験例が出てきます。一つは278日間で900MJを生成した例で、もう一つは319日間で600MJを生成した例です。Fig. 6は、発熱の測定結果のグラフです。発生熱量の大きさと発生時間の長さから、非常に素晴らしい実験成果だと思います。

http://imgur.com/6Leou.jpg


ちなみに、この実験では目に見える大きさのニッケルを使っていたようですが、ロッシ氏はナノパウダーを使っています。これは、荒田吉明博士の成果(パラジウムのナノパウダーと重水素を使った反応系の考案)を参考にしたのではないかと勝手に推測しています。

E-Catが有名になれば、今まで埋れていた研究成果が再び脚光を浴びて、新たなアイデアの源泉になっていくのではないでしょうか。常温核融合科学全体の発展のためにも、是非、E-Catには成功を収めて欲しいと願っています。

以上

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