2010年3月22日月曜日

最近の常温核融合関連の話題から

最近、常温核融合関連で色々な話題があって、なかなか考えも整理も追いつきません。まずは、バラバラと簡単に状況だけ報告させていただきます。

(1) リチャード・コシミズ氏と独立党による常温核融合の情報拡散ツール

コシミズ氏のブログ記事で、以下の3点セットが公開されました。
・SolidFusionチラシ.pdf
・SolidFusionマンガ.pdf
・SolidFusion論文概要.pdf
私も常温核融合の認知を広げたいと思っていますが、上記の内容には賛同できない部分があり、以下で幾つかコメントさせていただきました。問題と感じる点については、後日改めてまとめられればと思います。

■コシミズ氏のブログ記事
http://richardkoshimizu.at.webry.info/201003/article_34.html
荒田常温固体核融合技術を世に知らしめるために
2010/03/07 10:03

■独立党の掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/2092/1226647846/l50
【常温固体核融合】 荒田方式によるエネルギー革命への道


(2) 「よろんず」での常温核融合研究開発の支援提案

今回、初めて知りましたが「よろんず」というWeb誌のようなものがあって、そこにRichter氏という方が常温核融合(凝集系核融合)の研究開発へ公的な支援を提案される一文を寄稿されました。従来とは違った角度からのコメントがあって勉強になりました。

■よろんずの記事
http://www.the-journal.jp/contents/yoronz/2010/03/richter.html
Richter:新たなエネルギー革命を秘めた研究開発に国の支援を! ── 凝集系核融合反応熱を利用したクリーンエネルギー
日時: 2010年3月18日 13:04


(3) Journal of Nuclear Physicsに掲載された論文

vortex-lというメーリングリストへのJed Rothwell氏の投稿で知りました。Journal of Nuclear Physicsという2月頃に立ち上がったサイトに、Rossi氏とFocardi氏の論文が掲載され、その信頼性を巡って議論が起こっています。
論文は、ニッケルと(軽)水素を使った常温核融合実験で膨大な過剰熱の生成に成功したと主張しているのですが、実験方法の詳細が不明で、何とも評価のしようがない・・といった話になっているようです。Rossi氏は追加の情報を出す準備中らしいので期待して待つのが吉のようです。

■vortex-lのJed氏の記事
http://www.mail-archive.com/vortex-l@eskimo.com/msg38005.html

■Journal of Nuclear Physicsのサイト
http://www.journal-of-nuclear-physics.com/

■S. Focardi氏 と A. Rossi氏の論文
http://www.journal-of-nuclear-physics.com/files/Rossi-Focardi_paper.pdf
A new energy source from nuclear fusion
January 5, 2010


(4) Blacklight Power社が新たな論文を掲載

常温核融合のコミュニティでは余り信頼されてない感じのするBlacklight Power社のサイトに新たな論文が掲載されました。常温核融合とは違った原理を主張しており、どう評価して良いのか分かりませんが、色々実績を出してきているようなので気になります。

■Blacklight Power社の新着情報
http://www.blacklightpower.com/new.shtml

Blacklight has released engineering papers on the Thermally Coupled Multi-Cell Reactor System, the Continuous Thermal Power System, and BlackLight Power Motive. Also view Engineering Presentation. 03/19/10

Press Release: BlackLight Announces First Commercial License in Europe with GeoEnergie SpA, Energy Subsidiary of Geogreen- Non-Exclusive License To Produce Up To 750 MW of Continuous Power 03/19/10


(5) 槌田敦 vs 日本気象学会 損害賠償請求裁判

3月18日に表題の裁判の判決言渡しがあり、原告の敗訴となったようです。この裁判は学会のあり方について、非常に興味深い問題提起をしており、科学に興味を持つものとして見逃せない内容です。じっくり判決文を読まねばと思ってます。

■住田朋久氏のブログ
http://d.hatena.ne.jp/sumidatomohisa/20100321/1269171247
槌田敦 vs 日本気象学会 損害賠償請求裁判 判決

■原告側弁護士 柳原敏夫氏の報告
http://song-deborah.com/case1/


以上

0 件のコメント:

コメントを投稿