2010年2月21日日曜日

核廃棄物の処理にも使われるレーザー核融合

今回は常温核融合ではなく「高温」な核融合の話題です。
先日、米国の国立点火施設(NIF)で、レーザー核融合の実験に成功したとの報道がありました。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100129001
核融合発電の実現へ、一歩前進
Ker Than
for National Geographic News
January 29, 2010

■引用開始
今回の実験では小指の先ほどの純金製シリンダーに燃料ペレットを格納し、それを目掛けて複数のレーザー・ビームを照射するという方法をとった。
レーザーのエネルギーはシリンダーに吸収され、X線熱エネルギーに変換された。X線はシリンダー内を四方八方跳ね回った後、最終的にあらゆる側面から燃料ペレットに衝突した。そしてX線を吸収したペレットは約3300万度まで加熱され、爆縮したのである。
この実験はレーザーによるシリンダーの加熱効率をテストする目的で行われた。したがって燃料ペレットはプラスチックとヘリウムが主成分であり、実際の燃料はほとんど使用されなかった。本来、水素の同位体である固体の二重水素と三重水素で作られたペレットが燃料となり核融合の点火に至るという。
■引用終了


核融合で有望と見られて多額の投資が行われている方式は以下の2つです。

  • 磁場閉じ込め核融合(MFE):トカマク方式に集約され、国際協力体制でフランスに実証炉を建設中(ITER計画)
  • 慣性閉じ込め核融合(IFE):レーザ核融合方式。米国NIFが最も進んでおり、フランスのLMJ計画も後を追う。(日本は阪大を中心に小規模高利得な別方式を研究)
米国は1990年頃まではITERを牽引するリーダーだったらしいのですが、1999年にITERから撤退したとのこと。レーザ核融合方式を有望と見たため投資優先順位を変更したのが原因と言われています。この経緯については、立花隆氏が2005年に「メディア ソシオ-ポリティクス」で詳しい記事を書いています(以下に残っています)。

http://blog.livedoor.jp/ayaka222a/archives/28485541.html
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
・第24回 国際熱核融合炉「ITER」 日本への誘致“失敗”の舞台裏
・第25回 1枚の写真が指し示すアメリカ「ITER」撤退の真相
・第26回 アメリカの最新核融合拠点 国立点火施設「NIF」の全容


また、以下のサイトに米国の両方式に対する投資金額の推移が載っており、1990年代後半には投資額がレーザ>トカマクに逆転しているのが分かります。なお、この2~3年で投資傾向が違ってきている原因は良くわかりません。

http://aries.ucsd.edu/FPA/OFESbudget.shtml
US Fusion Budgets for MFE and ICF


さて、冒頭の記事や立花隆氏の記事を読むと、レーザ核融合方式は驚くべき順調さで研究が進んでいるように見えますが、素人からすると、この実験成功の後、どのような階梯を登って実用化されていくのかサッパリ分かりません。
少し探してみたら、以下の報告書の中でLLNL(ローレンスリバモア研究所)のレーザ核融合プロジェクトのリーダー E.Moses氏の講演が分かりやすく解説されており、驚くような構想が書かれていました。

http://www.ilt.or.jp/forum/chousa/IAEA.html
22nd International Atomic Energy
Agency Fusion Energy Conference
(国際原子力機関 核融合エネルギー会議)報告
光産業創成大学院大学 学長 中井 貞雄 (元大阪大学レーザー核融合研究センター長)

驚いたのは、レーザ核融合を単体で発電に使うのではなく、レーザ核融合炉から発生する大量の中性子をウラン等の核分裂物質に当てて核反応を起こさせ、エネルギーを増幅するという構想です。
これはエネルギー利得を大幅に増大させるだけでなく、原子力発電所や廃棄核兵器から取り出された核廃棄物を「燃やして」しまい、低レベルの放射線しか出さない物質にして処理を容易にします。

■引用開始
2010年に物理実証の最終段階である核融合点火・燃焼・エネルギー利得実証を達成し、そこからの豊富な中性子を核分裂物質に導くことにより、さらにエネルギー増倍させるものである。これにより既存の原子力発電所より出る放射性廃棄物、天然ウランのみならず減損ウランまでも燃料とし、ワンスルーで埋設処理可能なレベルまで燃やしきるというものである。このコンセプトをLIFE(Laser Inertial Fusion Energy)と名付けて、NIFによる点火実証実験の後に続くものとして発表したのである。核融合―核分裂ハイブリッド炉の考えは、1951年頃よりザハロス(Sakharos)、ベーテ(Bethe)等により研究されてきている。
■引用終了

おそらく、原子力発電所や核兵器を多数抱える米国やフランスは核廃棄物の処理に困っている筈です。発電と核廃棄物の処理の一挙両得を狙えるとなれば、この研究に戦略的な投資をするのは当然と言えるでしょう。

熱核融合の方も、こんなにホットな状況になっているとは知りませんでした。

以上

DARPA(米国国防高等研究計画局)の常温核融合研究予算

以下のような記事が出ていました。

http://bearmarketnews.blogspot.com/2010/02/navy-scientists-zip-lips-on-cold-fusion.html
Friday, February 19, 2010
Navy Scientists Zip Lips on Cold Fusion
(勝手な訳:常温核融合の事を口にしない海軍の研究者)

興味深いのは、DARPA(米国国防高等研究計画局)の予算の中に常温核融合評価の項目があると指摘している箇所です。

■引用開始
Darpa may be home to many crazy ideas, but they don’t talk about cold fusion, either. At least not openly. However, a close look at their budget documents under "Alternate Power Sources" reveals that in 2007 they "Completed independent evaluation of recently reported experimental protocol for achieving excess heat conditions in Pd cathodes."
Excess heat being generated by Palladium (Pd) cathodes is a signature of cold fusion. And in the 2008 research budget we find that Darpa are set to "Determine the correlation between excess heat observations and production of nuclear by-products."
■引用終了

■勝手な和訳
DARPAは多くの常軌を逸したアイデアを育てているが、常温核融合については何も語っていない。少なくとも公開の場では。しかし、DARPAの予算資料の「代替電力源」という項目を見ると、2007年に「重水素を吸蔵したパラジウム電極に過剰熱が発生すると近年報告されている実験手順の独立した評価」を達成したとある。
パラジウム電極に発生する過剰熱は常温核融合の痕跡である。そして、2008年の予算項目には「過剰熱発生と核反応の副産物との相関関係の測定」が記されている。
■終了

文中から参照されているDARPAの予算資料と思われる以下の文献には確かに上記の項目が記述されています。

http://www.dtic.mil/descriptivesum/Y2009/DARPA/0602715E.pdf

■引用開始(関連部分を抜粋)
FY 2007 Accomplishments:
- Completed independent evaluation of recently reported experimental protocol for achieving "excess heat" conditions in Pd cathodes loaded with deuterium.
FY 2008 Plans:
- Determine the correlation between excess heat observations and production of nuclear by-products.
■引用終了

■勝手な和訳
2007年度の成果:
重水素を吸蔵したパラジウム電極に過剰熱が発生すると近年報告されている実験手順の独立した評価
2008年度の計画:
過剰熱発生と核反応の副産物との相関関係の測定
■終了

米国の軍事関連組織による常温核融合への認知の高まりは以前にも書いてきた通りですが、少なくともDARPAでは2007年から既に予算化されていたようです。

以上

Jed氏の常温核融合文献リスト

Jed氏のvortex-lへの投稿によると、Jed氏が収集した常温核融合関連の文献リストを以下で参照できます(英文ですが)。

http://lenr-canr.org/DetailOnly.htm

LENR-CANRのサイトで公開されている文献リストと内容は同じだと思いますが、検索するには上記のHTMLファイルが便利です。

また、以下に上記の著者名リストが投稿されています。少し重複は残っているかもしれないが合計4571名とのこと。

http://www.mail-archive.com/vortex-l@eskimo.com/msg37794.html

以下の投稿だと、Jed氏は常温核融合研究者数は2~3千人と見積もっているようです。意外に多くの研究者がいるのですね。

http://www.mail-archive.com/vortex-l@eskimo.com/msg37660.html

■引用開始
By the way, the actual number of cold fusion scientists is closer 2,000 or 3,000 than 1,000. I cannot easily count them, but there are 4,800 authors in my EndNote database. Huizenga, Park and other skeptics are listed, but there are surprisingly few published skeptics.
■引用終了

以上

2010年2月14日日曜日

岩手大学の常温核融合研究について

平成20年度の「電気関係学会東北支部連合大会」という学会で、岩手大学の山田弘博士の研究チームと思われる方々が常温核融合関連の研究発表をされていました。その発表論文(A4一枚)が公開されていたので、末尾に一覧を示します。論文は1枚にまとまっているので、素人にも取っつき易いものです。

常温核融合現象というと重水素を使った過剰熱発生の実験ばかりが注目されるきらいがありますが、常温核融合現象の面白さはそれだけではありません。実験の中でヘリウム以外の様々な元素の生成が観測されており、理論は構築されていないものの、常温でも多種多様な元素変換が起こるらしいのです。

この学会での5つの発表は、元素変換やその過程での荷電粒子放出に着目して、生成された元素や荷電粒子を報告しています。

以下、発表の題名リストを示します。余計なお世話ですが、自分の理解のために勝手に私がまとめた内容を数行付加しています。★をつけた文は私の感想です。

目次は以下で参照できます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/tsjc/2008/0/_contents/10/-char/ja/

<プラズマ・放電 (2)>
8月21日(木) 10:30~12:15
座長:向山 政治(岩手大学)

■Li2SO4軽水電気分解法による各種陰極表面元素分析
http://www.jstage.jst.go.jp/article/tsjc/2008/0/338/_pdf/-char/ja/
*馬場 秀晴, 長尾 慎也, 曽根 悌輔, 成田 晋也, 山田 弘

以下の条件で軽水電気分解を49日間行ったところ、35日目の陰極表面にAl(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)を検出(TOF-SIMS分析)。
陰極:Pd(パラジウム)
陽極:Pt(白金)
電解液:Li2SO4(硫酸リチウム)を超純水で希釈
電流:約3mAの定電流
★長い期間実験すると現れる、という不確実性が面白いですね。これが常温核融合現象の特徴だと思います。


■高気圧軽水素透過法によるPd表面の元素分析
http://www.jstage.jst.go.jp/article/tsjc/2008/0/339/_pdf/-char/ja/
*三原 崇史, 佐々木 皓成, 佐々木 智世, 佐藤 大輔, 飯田 恒司, 大畑 秀壮, 成田 晋也, 山田 弘

Li2SO4溶液の電気分解によりPd表面にLiを添加。
H2(軽水素)ガスを1MPaの圧力で2週間透過。温度は120度。
未透過試料では質量数27、28近傍の2つのピークが存在するが、透過試料では新たに質量数23、32、39にピークが現れた。
特に質量数23及び28のカウント数の増加が顕著である。
これらのピークに対応する元素はそれぞれ23Na(ナトリウム)、27Al(アルミニウム)、28Si(ケイ素)、32S(硫黄)、39K(カリウム)と考えられる。
★「軽水素」透過での元素変換現象の確認である所が新しいとの事。


■重水素透過法による質量数137元素の変換生成
http://www.jstage.jst.go.jp/article/tsjc/2008/0/340/_pdf/-char/ja/
*飯田 恒司, 佐藤 大輔, 大畑 秀壮, 佐々木 皓成, 三原 崇史, 佐々木 智世, 成田 晋也, 山田 弘

CaO層(厚さ2nm)とPd層(厚さ18nmと40nm)を交互に5層堆積。電気分解によって表面にCs(セシウム)を添加。Cs添加面からD2ガスを透過させる。透過は10日間行い、その間試料台を70℃に保つ。
結果として141Pr(プラセオジム)の生成は確認されなかったが、質量数137付近にピークが観られた。
★質量数137というとバリウムでしょうか。


■薄膜パラジウムからの重水素放出過程における核反応事象の探索
http://www.jstage.jst.go.jp/article/tsjc/2008/0/341/_pdf/-char/ja/
*福田 義朗, 高橋 達郎, 永井 浩貴, 成田 晋也, 山田 弘

水素吸蔵合金であるPd(パラジウム)箔に、Pd、Au、CaOなどを片面または両面に修飾。この試料に重水素を加圧吸蔵(10気圧、20時間)し、吸蔵率を計測。その後、試料を真空内に設置し、電流印加によって脱蔵。その際に発生する荷電粒子を計測。
実験の結果、表面の修飾によって吸蔵率が異なること、試料からの突発的な重水素放出(脱蔵)時に荷電粒子が生成されたことを観測。


■金属複合膜陰極を用いた重水素気中放電における核現象の検証
http://www.jstage.jst.go.jp/article/tsjc/2008/0/342/_pdf/-char/ja/
*檜山 伸也, 鳴海 純也, 村上 達政, 成田 晋也, 山田 弘

Pd/Au試料およびPd/CaO多層膜試料を陰極に用いた重水素気中放電を行い、陰極試料への重水素照射の際の核変換生成物について調査。Pd/CaO試料では、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hg(水銀)が、Pd/Au試料では、Mg、Al、Mn(マンガン)、Hgが検出された。


以上

東北大学の常温核融合研究

昨年(2009年)の12月18日に東北大学電子光理学研究センターで「金属-水素系核現象研究」のミニ研究会が開かれていたようです。以下のPDFにプログラムが載っていました。東北大学での常温核融合の研究活動内容を全く知らなかったので、少しググってみました。

http://www.lns.tohoku.ac.jp/forusers/ws20091218r2.pdf

上記のプログラムを見ると、俗称の「常温核融合」という言葉は使われていませんが、常温核融合に深く関わる研究発表が行われていたようです。

■引用開始
1.はじめに 笠木治郎太 (東北大学) (11:00-11:10)

2.液体金属 Li・重陽子ビーム照射における諸現象 (11:10-12:10)座長:成田 晋也 (岩手大学)
  • 笠木治郎太(東北大学)「液体Li標的による Li+p,d 反応」(25)
  • 池上 栄胤(ウプサラ大学)「液体金属リチウム中で観測した重水素分子イオンによるブレーク・イーブン核融合」(35)

昼食(12:10-午後 1:20)

3.ナノPd-水素・重水素吸蔵における諸現象 (1:20-3:50) 座長:福原 幹夫 (東北大学)
  • 北村 晃(神戸大学)「Pd・ZrO2ナノパウダの水素吸蔵による発熱と放射線計測」(30)  コメント:核理研 (10)
  • 東 博純、本廣 友美 (豊田中研)「Pd微粒子系の水素・重水素吸収特性と発熱現象」(30)
  • 山崎 敏光(理研)「Pd-水素系の異常現象」(30)
  • 福谷 克之、米村 博樹(東京大学)「Pd膜,Pdクラスター,Pd単結晶への水素吸収と水素化過程」(50)

コーヒーブレーク(3:50-4:10)

4.Pd 薄膜・重水素ガス透過における諸現象 (4:10-5:50) 座長:笠木 治郎太 (東北大学)
  •  岩村 康弘(三菱重工)「Pd多層膜・重水素ガス透過による核変換」(50)
  •  寺田 靖子(高輝度光科学研究センター)「SPring8での X線実験解析」
  •  成田 晋也 (岩手大学)「Pd多層膜・重水素吸脱蔵および透過実験」(30)  コメント:神戸大学、豊田中研(20)
■引用終了

開会の言葉を述べられている笠木治郎太博士は、東北大学の電子光理学研究センターの施設長をされており、研究分野紹介のページには以下のような紹介が載っています。

■引用開始
核物理学・凝縮系核科学
金属固体、液体という凝縮系での低エネルギー核融合反応を研究しています。核力が短距離力のため、核融合反応は原子核どうしが接触しないと起きません。超低エネルギーでは原子核間の電気的な反発力が大きいため原子核どうしは接触できず、核融合は量子力学的なトンネル効果により起こりえます。そのため核融合の反応率はエネルギーの減少にともない指数関数的に減少します。原子核を取り巻く物理的、化学的環境により反応率を変化させることができるかどうかを調べるため、低エネルギー重陽子を用いた核融合反応の反応率を系統的に測定しています。
研究者:笠木 治郎太
■引用終了

笠木博士の執筆された論文・文献をJ-GLOBALで探すと、例えば以下のような文献が挙がっており、長年にわたって常温核融合の研究に取り組まれている事が分かります。


<常温核融合は検証されたのか> 高速荷電粒子の発生 応用物理 62/7, 710 1993 (その他)

固体金属内での核融合反応 日本科学技術振興財団 科学技術館 日本の科学と技術 35/, 34 1994 (学術雑誌)

ミニレビュー、低エネルギー重陽子照射による金属中での異常核反応 日本アイソトープ協会 RADIOISOTOPES 46/8, 600-603 1997 (その他)

低温核融合とサイエンス 東京化学同人 現代化学 /376, 22-24 2002 (学術雑誌)

固体金属中の核融合:金属は核反応の特殊環境か? 日本物理学会 日本物理学会誌 BUTSURI 58/, 190-194 2003 (その他)


また、メンバー一覧を見ると、「凝縮系核科学」を研究されている学生やOB&OGの方々が載っていて、若い研究者が活躍されている様子が伺えます。以下、メンバー一覧から凝縮系核科学を専門とされている方々のお名前を抜き出してみました。

研究者

名前
名前 (英語表記)
職名
専門分野
電子メール
電話
笠木 治郎太Jirohta KASAGI教授、施設長核物理学・凝縮系核科学kasagi3420東北大研究者紹介
王強Qiang Wang客員研究員核物理学・凝縮系核科学qwang3414

学生

名前
名前 (英語表記)
学年
所属グループ
電子メール
電話
鳥谷部 祐Yu TORIYABE博士課程3年核物理学・凝縮系核科学toriyabe3417
吉田 英二Eiji YOSHIDA修士課程2年核物理学・凝縮系核科学yoshida3417
方开洪Fang Kai Hong研究生核物理学・凝縮系核科学fang3417

OB&OG

名前
名前 (英語表記)
最終学歴、職名
専門分野
学位論文
就職先、転出先
米村 博樹Hiroki YONEMURA博士課程3年核物理学・凝縮系核科学博士論文2008年4月 東京大学生産技術研究所へ、2009年3月学位取得
中川 明憲Akinori NAKAGAWA修士課程2年核物理学・凝縮系核科学修士論文2008年4月 日本原子力研究開発機構
菅原 崇宏Takahiro SUGAWARA修士課程2年核物理学・凝縮系核科学修士論文2009年4月 就職


若い研究者の方々が良い環境で研究できるよう、世の中の認知が高まると良いですね。

以上

2010年2月11日木曜日

常温固体核融合関連のリンク集

常温核融合(常温固体核融合)関連のリンクを載せています。
2010-02-11: 夢エナジー氏のHPとブログ、最速口コミ班のリンクを追加しました。
2010-03-28: 常温核融合は本当だった! その14 を追加しました。


【個人・組織】
LENR-CANR
http://www.lenr-canr.org/
常温核融合(常温固体核融合)関連資料が網羅されている超優良サイトです。
但し、殆ど英語資料なので素人には厳しいのが難点です(^^;
ちなみにLENRとCANRは以下の略です。
LENR: Low Energy Nuclear Reactions
CANR: Chemically Assisted Nuclear Reactions

常温核融合は本当だった!
その13
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page285.htm
その14
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page286.htm
2004年からずっと常温核融合関連のニュースがフォローされており非常に参考になるサイトです。
日本語なので助かります。

常温核融合研究所(CFRL)
http://www.geocities.jp/hjrfq930/Gdnc/gdncj.htm
常温核融合研究で有名な小島英夫博士が1999年に設立された私設研究所のホームページです。
例えば以下のような文献が公開されています(目次)。
  • 「固体内中における原子核反応(常温核融合)」,核データニュ-ス 61, 23-33 (1998), 核データセンタ-(日本原子力研究所).
  • 「常温核融合研究の現状」『放射線科学』 Vol.42 Nos.10 pp.310-315 &11 pp.351-358 (1999).
  • 「科学する心と常温核融合現象」『理大サロン』(2007, 掲載予定).
夢エナジー氏のHPとブログ
荒田博士の公開実験に関する資料が豊富です。



    【新着記事の検索】
    最速口コミ班~「常温核融合」
    http://kaze.benigumo.com/常温核融合
    「常温核融合」のキーワードが出現する新着ブログ記事が検索されて表示されるようです。


    【学会等】
    Japan CF-Research Society
    http://dragon.elc.iwate-u.ac.jp/jcf/index.html
    日本CF研究会の公式ホームページのようです。
    CFとはCold Fusionだけを意味するのではなく「Condensed-matter(solid-state) Fusion, Coherently-induced Fusion, Cold Fusion」等の略となっています。
    数年来、ほとんど更新や記事追加が行われていないように見えます。

    15th International Conference on Condensed Matter Nuclear Science
    http://iccf15.frascati.enea.it/
    第15回凝集系核科学国際会議のホームページです。
    毎年、色々な国々で会議が開かれているようです。
    2009年はイタリアのローマで10月5日~9日に開かれるようです。

    The International Society for Condensed Matter Nuclear Science
    http://www.iscmns.org/
    2004年3月に英国で発足した「凝集系核科学国際学会」(ISCMNS)のホームページです。

    【メーリングリスト】
    VORTEX-L(メーリングリスト)
    常温核融合の話題を扱うメーリングリストとしてVORTEX-Lがあります。英語でやりとりされています。
    おなじみのJed Rothwell氏も投稿されています。
    案内は以下にあります。

    現在のアーカイブは以下にあります。


    【2ch等の掲示板】
    2ch:常温核融合【荒田実験、再現成功】
    http://science6.2ch.net/test/read.cgi/sci/1238754409/
    2chには幾つかスレが立っているようですが、その一つです。
    煽りのレスも多いですが、中には真っ当な批判や助言・情報が含まれている事があるので、できるだけ目を通すようにしています。

    独立党:【常温固体核融合】 荒田方式によるエネルギー革命への道
    http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/2092/1226647846/
    リチャード・コシミズ氏とその後援組織である独立党が運営する掲示板のスレです。

    以上

    2010年2月7日日曜日

    常温核融合に肯定的な記事が増えている?

    最近、小さくはありますが、常温核融合の存在を肯定的に評価する記事が増えているようです。といっても、英文記事で十分中身が理解できていませんし、私が気がついた範囲に過ぎないので統計的な裏付けもありませんが。日本には優秀で実績のある研究者がたくさんおられるのに、残念ながらマスコミは殆ど常温核融合を取り上げません。科学ジャーナリストの活躍を期待したいですね。

    以下、今年になって常温核融合を取り上げた記事の一覧です(私の気付いた範囲のみ)。

    ●The National (2010-02-06)
    http://www.thenational.ae/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100206/BUSINESS/702069960/1005
    Hotheads debunk cold fusion theory too soon
    Last Updated: February 06. 2010 7:20PM UAE / February 6. 2010 3:20PM GMT

    ●Disclose.tv (2010-02-05)
    http://www.disclose.tv/forum/room-temperature-cold-fusion-may-now-be-a-scientific-reality-t15717.html
    ROOM TEMPERATURE Cold Fusion may now be a scientific reality
    Posted: Fri Feb 05, 2010 6:01 pm

    ●Physicstoday.org (2010-02)
    http://ptonline.aip.org/journals/doc/PHTOAD-ft/vol_63/iss_2/10_1.shtml
    Muons, deuterium, and cold fusion
    February 2010, page 10

    ●The New York Times (2010-01-07)
    http://greeninc.blogs.nytimes.com/2010/01/07/qa-googles-green-energy-czar/
    Q&A: Google’s Green Energy Czar
    January 7, 2010, 8:32 AM


    以上

    2010年2月2日火曜日

    ACS 239th(第239回アメリカ化学会)で常温核融合のセッション(続2)

    以前、第239回米国化学会議での常温核融合セッションの開催の記事を載せましたが、そのプログラムが公開されていました。
    以下のリンクをご覧ください。

    http://abstracts.acs.org/chem/239nm/program/divisionindex.php?act=presentations&val=New+Energy+Technologies&ses=New+Energy+Technologies&prog=93

    以下、日本人研究者の発表と思われる題名を拾い出して見ました。

    ■3月21日AM
    New Energy Technologies - AM Session
    Location: Parc 55
    Room: Cyril Magnin I
    Organizers: Jan Marwan
    Duration: 8:30 am - 12:00 pm

    9:50 am Theoretical aspects on deuterons-to-4He channels
    Akito Takahashi, Prof., PhD
    (高橋亮人博士)

    10:05 am Final products of 4D-fusion by tetrahedral symmetric condensate
    Akito Takahashi, Prof., PhD
    (高橋亮人博士)

    10:40 am Underlying mechanism of the nuclear CF implied by the energy-momentum consevation
    Tetsuo Sawada, Dr.
    (沢田哲雄博士)


    ■3月21日PM
    New Energy Technologies - PM Session
    Location: Parc 55
    Room: Cyril Magnin I
    Organizers: Jan Marwan
    Duration: 1:30 pm - 5:00 pm

    3:00 pm Heat and radiation generation during hydrogenation of CH compound
    Tadahiko Mizuno, Dr, PhD
    (水野忠彦博士)

    4:40 pm Anomalous heat evolution in charging of Pd nano-powders with hydrogen isotopes
    Akira Kitamura, Prof. Yu Sasaki, Yuki Miyoshi, Akira Taniike, Assoc. Prof. Akito Takahashi, Prof. Emeritus Reiko Seto, Yushi Fujita,
    (北村晃博士他)


    ■3月22日AM
    New Energy Technologies - AM Session
    Location: Parc 55
    Room: Cyril Magnin I
    Organizers: Jan Marwan
    Duration: 8:30 am - 12:00 pm

    10:20 am Low Energy Nuclear Transmutation Reactions Induced by Deuterium Permeation through Multilayer Pd and CaO thin Film
    Yasuhiro Iwamura, Dr. Takehiko Itoh, Noriko Yamazaki, Noriko Watari, Dr. Jirohta Kasagi, Prof. Yasuko Terada, Dr. Tetsuya Ishikawa, Dr.
    (岩村康弘博士他)


    以上