2015年11月29日日曜日

NEDOのプログラムに常温核融合「クリーンエネルギー生成技術」が採択される

少し古いニュースになりますが、10月26日にNEDOの「エネルギー・環境新技術先導プログラム」の研究テーマとして、常温核融合の研究が採択されました。NEDOの以下のページで広報されています。


上記のページからリンクされている「採択テーマ一覧」を見ると、以下のようにリストアップされています。
http://www.nedo.go.jp/content/100763137.pdf


「金属水素間新規熱反応の現象解析と制御技術」というテーマがそれです。提案者は4社あり、株式会社テクノバ、日産自動車株式会社、九州大学、東北大学電子光理学研究センターの名前が挙がっています。この中では「日産自動車」の名前が新しいですね。トヨタ自動車に続いて、いよいよ日産自動車も常温核融合研究に関与を始めたのでしょうか?

この件は、クリーンプラネット社のファイスブックのタイムラインでも報告されました。


NEDO 平成27年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」において、弊社と東北大学が進める共同研究部門の「クリーンエネルギー生成技術」についての案件を採択して頂きました。誠にありがとうございました。安全かつ強靭な次世代型エネルギー社会...
Posted by 株式会社クリーンプラネット on 2015年10月26日


また、最近になって、Steven B. Krivit氏のブログで以下のように取り上げられています。海外から見ると、NEDOという公的な機関が常温核融合研究に投資を行い、そこに日産自動車が参加するという風に見えますから、非常に刺激的なのでしょう。残念なのは、実態としては、国内での認知が殆ど進んでいないことですね。



以上

2015年11月28日土曜日

JCF-16のプログラムとアブストラクトが公開されました

12月11日から開催されるJCF-16(日本常温核融合研究会第16回年会)のプログラムとアブストラクトがJCFのホームページで公開されました。

プログラム
http://jcfrs.org/JCF16/jcf16-program.pdf

アブストラクト
http://jcfrs.org/JCF16/jcf16-abstracts.pdf

楽しみですね。






以上

2015年11月8日日曜日

中国の白石山に開設された中国・米国科学技術国際イノベーションパークのテーマの一つは常温核融合(2)

前回の記事で紹介した中国の白石山に設立された国立米中科学技術国際イノベーションパークの開所式で使われたと思われるプレゼン資料が以下に公開されています(ファイルの日付が古いのが気になりますが)。

http://chinauspark.com/appUpdata/file/20140925/20140925152226_9375.pdf

興味深い中身なので、簡単に紹介します。
1ページ目: LENR(Low Energy Nuclear Reaction)のことを、あえて「LENR – Low Energy Nickel Reaction」としてニッケルを使う反応であることを強調しています。

2ページ名: 「第三次工业革命的基础」・・・第三次産業革命の基礎だと言ってますね。
3ページ目: 常温核融合の利点が挙げられています。温室効果ガスを出さない、放射性廃棄物を出さない、石油やガスを必要としない。
4ページ目: 太陽光発電や風力発電と比べて接地面積が遥かに小さいことをアピール。
5ページ目: コストを比較しています。図では3セント/kWhになってますが、脚注で、これは高めの見積もりであり、1.5セント/kWhくらいまで下がるだろうと言ってます。
6ページ目: 世界のエネルギー消費量を示し、この内、発熱と電気で消費される64%に常温核融合技術が適用できると言ってます。かつ、既存設備の改修で対応できると。
7ページ目: 適用方法が挙げられています。基本は発熱と(熱による)発電ですね。そして、発展途上国に適していると。
8ページ目: 発生する熱量は(入力の)3倍から20倍と幅がある表現になっています。温度は、120℃から500℃であると。
9ページ目: スケールアウトできることを示しているのでしょう。20フィートコンテナ(1MW相当)を200台で200MW、600台で600MWだと示しているようです。
10ページ目: このページが非常に興味深いです。第一段階は既存市場への適用で、まず石炭発電を置き換え、800コンテナを手始めとして、毎四半期に1万コンテナずつ供給すると書いてあるようです。そして、第二段階は、エンジンブロックとして組み込めるような形態への進化を考えているようです。

以上

中国の白石山に開設された中国・米国科学技術国際イノベーションパークのテーマの一つは常温核融合(1)

2014年5月にアンドレア・ロッシ氏のE-Cat技術に投資するIndustrial Heat社のDom Darden社長が、中国の天津に常温核融合の研究施設の開所式に参列したというニュースがありました(中国天津ニッケル水素(常温核融合)研究センター設立)。どうやら常温核融合の研究やビジネスで何らかの協調活動を行っているらしいと推測していましたが、それを裏付けるニュースが公式に発表されました。

本件については、E-Cat Worldの記事が情報をまとめてくれています:
Industrial Heat Slideshow Posted
http://www.e-catworld.com/2015/11/06/industrial-heat-slideshow-cobraf-com/

以下の写真をご覧ください。中国語で「白石山国家中美科技国际创新园」で表記されている施設の開所式でトム・ダーデン氏が握手しています。日本語だと「白石山 国立米中科学技術国際イノベーションパーク」といったところでしょうか。


この施設の紹介記事を見ると、ニッケルを使った熱生成炉という表現が出てきます。トム・ダーデン氏が協力している事からもE-Catの活用がテーマなのは明らかです。

Park Profile - Park Profile - Baishishan national Sino-US Science and Technology International Innovation Park
http://www.bsscustip.com/intro.aspx
Baishishan national and international content of Sino-US Science and Technology Innovation Park building includes research and development park, manufacturing park, the World Innovation Forum permanent venue like. The total area of ​​14.5 square kilometers. Including R & D manufacturing 7.25 square kilometers, the World Innovation Forum venue, commercial, residential, tourism and other ancillary facilities 7.25 square kilometers. Settled early projects include "Industrial reaction heat energy use Nickel" project, "American HANKOR new fireproof materials," project, "Israel NPG natural poultry breeding technology projects," "Hughes satellite operations center", "ITURAN" car network, "China Telecom pico base station "satellite application industry base, the transfer mobile video Internet content distribution platform," iron "satellite industry base," L-band multimedia transmission network "industrial base," Beidou satellite "civilian commercial operation projects.
2014年4月15日の写真も掲載されていて、ここにもトム・ダーデン氏が写っています。長い時間をかけて準備してきた事が伺えますね。


開所式で発表されたと思われる資料も見つかっています(ファイル名の日付が古いのが気になりますが内容はE-Catに関するものです)。非常に興味深い内容なので、別途記事にしようと思います。それにしても、国策で設置する中・米共同の産官学複合施設に常温核融合炉がテーマとして組み入れられているのには驚きます。世界は静かに常温核融合のある世の中を目指して動き出しているようです。



以上

2015年11月1日日曜日

日経BP社のテクノロジー・ロードマップにエマージング技術として常温核融合が取り上げられる

これは中身を見てないのですが、「日経BP社の「テクノロジー・ロードマップ2016-2025 [全産業編]」という資料でも常温核融合が取り上げられています。


30万円の資料なので、なかなか中身を見るチャンスがありませんが、上記のページに載っている目次を見ると、「第12章 エマージング」の中に「4.常温核融合」として取り上げられています。


日経BP社には、もっと常温核融合の技術動向を取り上げて貰いたいですね。

以上

日経エレクトロニクス2015年11月号に常温核融合の記事

日経エレクトロニクス誌の2015年11月号に常温核融合の記事が掲載されています。2ページの記事ですが、有償なので部分的な引用しかできません。簡単に内容を紹介します。


前半では、これまでの常温核融合研究の歴史を簡単に振り返り、「地道な研究によって熱発生や核種変換の再現性が飛躍的に向上するとともに、実用化を念頭にした低コスト実現の可能性も出てきたからだ」と締めています。

後半では、三菱重工の「新元素変換」実験を簡単に紹介し、東北大学に初の常温核融合研究部門が設置されたと述べています。クリーンプラネット社の吉野英樹社長が資金を支援し、東北大学が施設と人材を提供する形で立ち上がった経緯があるとのこと。三菱重工で新元素変換を主導してきた岩村康弘博士、水素技術応用開発社の水野忠彦博士、そして、東北大学で低エネルギービームによる凝縮系核反応率を研究してこられた笠木治郎太博士が結集したことを伝えています。

日本のメジャーなメディアが常温核融合を記事にし始めたことを素直に喜びたいと思います。日経エレクトロニクス誌には、日本だけでなく世界の常温核融合研究の動向を伝えて欲しいですね。

以上