2012年4月15日日曜日

第10回 水素吸蔵金属異常現象 国際ワークショップ

先週4月10日〜14日にイタリアのシエラで、第10回 水素吸蔵金属異常現象 国際ワークショップ(10th International Workshop on Anomalies in Hydrogen  Loaded Metals)が開かれました。国際常温核融合学会のISCMNSのページに以下のように告知されています。
プログラムはここにあり、アブストラクトはここにあります。
今回は、日本からは高橋亮人博士と北村晃博士が以下のような題名で発表されたようです。
A. Takahashi
Are Ni + H Nuclear Reactions Possible?
A. Kitamura
Summary of the latest results of gas loading experiments

この他にも、先日CERNで常温核融合の講演を行ったCelani博士や、MITのHagelstein博士など、お馴染みの名前が並んでいます。生体内核変換の研究で有名なVysotskii博士の名前もあったのですが、今回は会議の趣旨からして生体内核変換の発表ではなかったようです。残念。
V.I.Vysotskii
About the effectiveness of Widom-Larsen theory for explanation of LENR phenomena
V.I.Vysotskii
Application of correlated states of interacting particles in nonstationary and modulated LENR systems

今回の発表で最も注目しているのは、ニッケル−水素系反応の研究で有名なPiantelli博士の発表ですが、残念ながらプログラムには題名はまだ載っておらず、アブストラクトも公開されていませんでした。Piantelli博士は、Nichenergy社というベンチャー企業を立ちあげており、Nichenergy社は今回のワークショップのスポンサーの一つになっています。何か面白い発表があったのか気になるところです。

また、スポンサーの一つであるCoolescence社のRich Cantwell氏らの発表も入っているのですが、この会社は米国コロラド州ボルダーに設立された常温核融合研究のベンチャーのようです。検索してみると以下のような資料がみつかります。

どのような議論がなされたのか素人には理解が難しいのですが、地道な研究活動が世間に認知される事を願っています。

【追記:2012/04/17】
Piantelli博士のプレゼン内容を気にしていた人がプレゼン資料の所在を教えてくれました。
https://docs.google.com/open?id=0B6id5Hf-xMWOYXVjekJCN1ZkQk0

専門家の解説を聞かないと意味は分かりませんが、Piantelli博士が作成したセルで過剰熱検出の実験を行った結果が述べられているようです。結論のページを見ると、(1)20W以下の入力で71Wの出力が得られている、(2)温度は200度から400度の間である、(3)表面には以前の核変換実験の時と同じような現象が見られている、とあります(原文は以下)。高出力で利得も大きいので、結構すごい結果ではないでしょうか?

We are very close to the auto-sustenance (less than 20W introduced and 71W produced = 91W) (t=260C)
We have seen that the energy production can be obtained between 200C and 400C
We have indication that the phenomenon takes place at the surface of the sample; we have seen in previous experiments a transmutation effect

以上

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