2014年10月12日日曜日

元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア

2014年10月9日に角川EPUB選書として、「元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア」という本が発行されました。著者は吉田 克己さんというダイアモンド・オンラインで企画・執筆をされている方で、常温核融合研究者として有名な三菱重工業の岩村康弘博士が「協力」という形で関わっておられます。
一般の読者向けに、岩村博士の研究してこられた元素変換の研究の足跡をたどるのが主な内容となっています。早速買ってきて読んでいるところです。Kindle版が出ると知っていればKindle版にしたのですが、先週頭に予約したので紙の本を買ってしまいました。EPUB選書と銘打っているのだから待っていれば良かった(笑)。Amazonで入手できます。


Amazonにあった内容紹介から引用させていただきます。中身については、ちょっと納得できない所もあるのですが(笑)、それについては後日時間があれば書かせていただきます。一般向けの常温核融合研究に関する書籍として貴重なものだと思います。お勧めです。
内容紹介
放射性元素を無害な元素に変換? 安価な金属からレアメタルを生成? 「元素変換」研究の第一人者である岩村康弘氏(三菱重工)への徹底取材を通じて、とてつもない可能性を秘めた現代版〈錬金術〉の最前線を追う! 
内容(「BOOK」データベースより)
ありふれた金属を貴金属に変換することができたなら?―古くから人々が憧れを抱いてきた“錬金術”が現実のものとなりつつある。三菱重工で「元素変換」研究を続けてきた岩村康弘に徹底取材し、テクノロジー化を目前に控えたこの現象の可能性を探る。放射性セシウムの無害化、レアメタルなど希少元素の生成、エネルギー源としての利用など…「元素変換先進国・日本」に開かれた未来像とは?
以上



2014年10月11日土曜日

常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾への大きな反響

ロッシ氏の常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾が公表された件について、この2日ほどの間に、E-Cat Worldだけでなく、多くのブログやネット記事で取り上げられています。
忘れない内にメモ代わりに記事へのリンクを並べてみました。
まだメジャーなマスメディアでは取り上げられていませんが、この報道の多さは、第一弾の時とは大きな違いです。

Mats氏のブログ


Next Big Future



ELFORSK社もCEOの談話を発表



ExtremeTech



The Peak Oil Crisis



New Energy Foundationからのプレスリリース



Network WorldでMark Gibbs氏の記事



Tom Darden氏へのインタビュー記事。氏は、大気汚染対策となることを強調。




 以上

2014年10月9日木曜日

常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾~過剰熱と元素変換

とうとう、待ちに待った常温核融合装置E-Catの第三者検証レポート第二弾が公開されました。最初に最も詳しく内容を伝えたのは、スウェーデンの科学ジャーナリストであるMatsさんのブログのようです。論文自体は、ここ(53ページのPDF文書)にあります。


上記のMatsさんの記事に貼られている写真は、新しいE-Catのものです。アルミナで作られていて、以前のものよりずっと細くなっています。

まだ読めていませんが、Matsさんの記事等で分かるレポートの特長は以下の通りです。

  • 予想通り非常にポジティブな結果です。
  • 第一弾の検証では過剰熱測定が中心でしたが、今回の検証では、過剰熱測定に加えて、反応が起こる前後の元素分析が行われています。
  • テスト期間は32日間。入力したエネルギーの3.2倍から3.6倍のエネルギーが出力されました。1グラムの燃料で1.5メガワット時のエネルギーが出力されたことになります(※1グラムの精度は不明です。たぶんレポートを読めば分かる筈です)。
  • 元素分析によって、反応の前後で、大きな同位体構成の差が検出されました。分析は5種類の異なる方法で実施されたとのこと。
  • このレポートは、オープンな論文公開場所であるArxiv.orgに投稿されたが、まだ公開はペンディングになっているそうです。同時に物理の論文誌「Journal of Physics D」にも投稿してあるとのこと。

このレポートの公開については、既に幾つか以下のような記事が出ています。
重要な結果が公開されたのは嬉しいのですが、まだ腑に落ちない点があります。
なぜ、このノーベル賞発表週間に公開したのか? 今週は、おそらく世界中の科学ジャーナリストはノーベル賞の発表に張り付いていて、常温核融合ウォッチャー以外の世間からすると、ひっそりと公開されたレポートなど全く注目されないでしょう。そういう事が分かっていて、この週に出してくるには何か意味があるのではないでしょうか。
また、レポートのAcknowledgementに、「This paper was partially sponsored by the Royal Swedish Academy of Sciences, and Elforsk AB.」という記載があるのも気になります。ノーベル賞を選考しているスウェーデン王立科学アカデミーがスポンサーに入っているのです。単なるレポートの公開だけではない何かが予定されていると期待したいところです。

以上

2014年10月7日火曜日

ノーベル物理学賞の行方~発表は日本時間10月7日18:45

【追記10月7日夜】 予想が外れて残念です。でも、日本出身の3名の科学者が青色LEDの功績で物理学賞を受賞されたのは嬉しいですね。18:25頃からYouTubeで生放送を見ていたのですが、会見が始まると殆ど前置きも無く、すぐに発表されるのにビックリしました。
さて、10月8日は化学賞の発表です。もう一回、少し期待しながら再度生放送を見てみたいと思います。諦めが悪いですね(笑)。【追記終了】

2時間ほど前までは考えてもいなかったのですが、突然思いついて妄想が膨らんだので(笑)、今年のノーベル物理学賞が発表される10月7日(火)18:45になる前に書き込んでおきます。

もしかすると、ノーベル物理学賞を、アンドレア・ロッシ氏とスタンレー・ポンズ博士が受賞するのではないかと大胆に予測してみました。同時にE-Cat HTの第三者検証レポート第二弾も公表されると予想します。

常温核融合の発見はノーベル賞に値するものだと思います。いつかは常温核融合研究者の誰かが受賞するでしょう。でも、こんなに早く受賞が決まることは無いと思っていました。まだ学会の主流で認められていないからです。また、受賞するとしたら「研究者」であって、ロッシ氏ではないだろうとも思っていました。ご存知のように、ロッシ氏は「発明家」と見る方が合っていて、実ビジネスで結果を出すのが彼の目標だからです。

しかし、今年の受賞もありうる・・・と思い始めました。夜も更けて妄想が絶好調なうちに根拠を挙げてみます。明日の夜に外れていたら笑ってご容赦ください(笑)。

  • 既にお伝えしたように、常温核融合ウォッチャーの間では、10月上旬にロッシ氏の常温核融合装置E-Cat HTの第三者検証レポート第二弾が公表されるとの観測が強まっています。噂も含めて根拠となる情報は、E-Cat WorldのE-Cat Report Watch Threadにまとまっています。
  • 10月上旬にある科学技術系の最大のイベントというと・・・ノーベル賞の発表でしょう。常温核融合によるエネルギー炉は、「第二の火」とか「新しい火」と言われる事があります。人類にとって、「火」の発明に匹敵するほどの大きな事件だという意味が込められています。それを考えると、疑いなく現象が確認されたのなら、一般には予想されないような突然の受賞という極めて例外的な取り扱いもあって良さそうです。
  • 上記Watch ThreadのUpdate #30 (October 6, 2014)に面白い情報がありました。インサイダーと見られる人から、「こんなに多くのレビュアーが関わったのを見たことがない」という書き込みがあったのです。真偽不明の情報ですが、これを信じると、一つの検証レポートになぜそんなに沢山のレビュアーがいるのか不思議です。もしかして、ノーベル賞の選考委員(またはそこから委託された人たち)が関わっていたのではないでしょうか。
  • 現在まで、公表の方法については殆ど情報が流れていませんでした。しかし、Watch ThreadのUpdate #28 (October 5, 2014)に、インサイダーと見られる人からの真偽不明の情報として、「サイエンスやネイチャーではない。非常に長いレポートを掲載できるところになる」という書き込みが紹介されました。サイエンスやネイチャーなど、今まで常温核融合の論文を拒否してきた著名誌に載るというのは、あり得る仮説だと思っていたのですが、(この情報を信じるならば)違ったようです。でも、大学など公的な研究機関が絡んでいるならば、如何様にも方法はありそうです。
  • 前の記事で紹介した、常温核融合を取材してきたMats Lewan氏が先週末からローマに滞在しているという情報があります(Watch Threadの#comment-1618588346)。Mats氏は今週にも第三者検証レポートの発表があると発言した本人です。そんな大事な時に何のためにローマに滞在しているのでしょうか? 想像ですが、ロッシ氏もイタリアにいるのではないでしょうか?(本拠は米国ですが、しょっちゅう欧州には出張しているようです)。そして、ロッシ氏の受賞会見がイタリアで開かれるのではないかと・・・妄想してみました。
  • 受賞会見にふさわしい場所は2011年1月に最初に公開実験が行われたボローニャ大学ではないでしょうか。E-Catはこの実験から世界に知られるようになりました。
    素人が知りたい常温核融合: Focardi氏とRossi氏の常温核融合公開実験
    http://amateur-lenr.blogspot.jp/2011/01/focardirossi.html
  • ノーベル賞を受賞するための要件は「生きていること」です。賞に最もふさわしいと思われる、マーチン・フライシュマン博士は他界されました。また、ロッシ氏の共同研究者であり、E-Catの開発に多大な貢献があったSergio Focardi博士も他界されました。ロッシ氏の業績を認めて賞を贈るなら、フライシュマン博士の共同研究者であったポンズ博士にも贈るのが妥当だと思います。
  • 一回目の第三者検証のスポンサーとなったのは、スウェーデンのELFORSK社でした。この会社は、スウェーデンの大手エネルギー企業であるバッテンフォール社からも出資を受けている研究機関です。そして、一回目の検証レポートには、複数のスウェーデンの大学の研究者が関わっていました。そう、ノーベル賞を授与している国、スウェーデンとは浅からぬ縁があるのです。

とりとめなくなってしまいました。並べて見ると、やはり論拠は弱いですね。
でも、もう一つ、付け加えましょう。第二回目の第三者検証の結果を見た科学者は、この結果の重大性を見抜き、どう考えるでしょうか? 徹底的に検証して、それでも確信が持てたなら、一刻も早く世界に届けたいと思うのではないでしょうか? この発見は人類の未来を確実に変えます。たぶん、良い方向に。科学者達が最速・最善の方法を選んだら・・・こういう結論になるような気がします。

期待して寝ることにします。

以上

2014年10月3日金曜日

オクトーバーサプライズとなるか? E-Catの第三者検証レポート

常温核融合に関する大きな発表が9月にあると私は予想(期待)していたのですが、残念ながら外れてしまいました。
しかし、9月30日には、E-Cat WorldのFrank Aclandさんが、2~3週間のうちにE-Catの第三者検証レポートの第二弾が公表されるだろうとの予想を明らかにしました。

After the E-Cat Report
http://www.e-catworld.com/2014/09/30/after-the-e-cat-report/

また、スウェーデンの科学ジャーナリストで、E-Catやロッシ氏を取材してきたMats Lewan氏もツイッターで、第三者検証レポートが1週間かそこらで公表されるだろうとの予想を述べました。

E-Cat Report Watch Thread (Update #27 — Mats Lewan: Report in a Week or so — “Prepare”)
http://www.e-catworld.com/2014/10/01/e-cat-report-watch-thread/

さらに、Mats Lewan氏は、自分のブログで著作である「An Impossible Invention」の第二版を準備中であると明かし、この第二版の中には第三者検証レポートについての記述も含まれているので、レポートの公表を待っている所だと述べました。


常温核融合関連の多くの情報源を持つFrankさんとMatsさんが同じく10月の上旬を指し示しています。いよいよ発表されるのでしょうか。それがどのような形で行われるのか、期待を込めて待ちたいと思います。

ちなみに、Matsさんの「An Impossible Invention」のKindle版が出ています。日本のAmazonでも購入できるので、第二版の登場が近いというのに思わず買ってしまいました。この本が出た時に買おうと思ったのですが、ちょっと面倒だったので伸び伸びになっていたのです。


以上

2014年9月18日木曜日

謎のインサイダーがE-Catの第三者検証レポート第二弾の公表時期について語る

常温核融合の進展を追い続けている優良ブログであるE-Cat Worldには、時々、謎のインサイダー(内部関係者)と思われる人からコメントが寄せられます。
今日も、興味深いコメントをFrank Aclandさんが拾って記事にしてくれました。最も興味深いのは以下の部分です。


謎の「Paul」さんは以下のように言ってます。

  • E-Catの成績係数(出力と入力の比)は十分に高い。古いフォカルディ博士とロッシ氏の論文では成績係数は200だった事を思い出してほしい。その後、E-Catの反応を安定させ、中性子発生を抑えるために成績係数を下げてきた。しかし、現在では、エネルギー革命を起こすに十分な成績係数となっている。(確信度99%)
  • 第三者検証レポート第二弾は11月までに公表される。(確信度100%)

注目すべきは、第三者検証レポート第二弾の公表時期について確信度100%と言い切っている点です。やはり大きな発表が準備されているのではないかと思います(これは私見)。期待しましょう。

以上

2014年9月15日月曜日

ドイツのPurratio社では常温核融合装置で中性子線検出?

Vortex-lメーリングリストの投稿で、ドイツのPurratio社が常温核融合技術に取り組んでいることを知りました。尤も殆ど情報は出ていません。英語版のホームページは ここ にあります。初めて知りましたが、ドイツの会社は.agのドメインを使ってるケースが多いらしいですね。


このサイトのテクノロジーのページに、SOLFIREという項目があって、そこからダウンロードできるPDF資料に常温核融合技術の話が出てきます。

まず、各ページに以下のようなイメージが貼ってあって、明確に常温核融合を意図している事が分かります。

新たなエネルギー源としての活用を目指している雰囲気なのですが、他の技術を大きく違うのは、中性子検出の実験結果が載っている点です。過剰熱検出の結果は載っていません。以下の図を見ると、「プラズマ」をONにした時に中性子が検出され、「プラズマ」をOFFにすると中性子が検出されなくなったように見えます。


残念ながら、実験について詳しい情報はなく、以下のような一覧が載っているだけです。これを見ると、カソード電極にパラジウム、アノード電極に中空の銅を使って、放電させているところに水蒸気を吹き込むような機構に思えます。これまでの他の常温核融合研究では見かけた事がないような方式だと思います(これは私の知見が狭いだけかもしれません)。

またまた楽しみな企業が出てきました。今後の展開に期待したいと思います。

以上