ラベル CFRL News の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル CFRL News の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年6月15日月曜日

CFRL News第94号に載った生物核変換への理論的アプローチ

小島英夫博士の常温核融合研究所が発行するCFRL Newsの第94号が公開されています。日本語版は ここ にあります。


小島英夫博士は理論家で様々な実験事実に対して統一的な理論仮説を成り立たせるよう研究を続けておられます。内容は素人には難しいものが多いのですが、研究者が公開している唯一の日本語ニュースレターであり、毎号楽しみにしています。英語と日本語の両方で出してくれるのも海外に人に紹介しやすいので非常に助かります。

今回の94号は「1.2 炭素アーク電極の水素化グラファイトにおける核変換」「1.3 XLPE における核変換」で、炭素・水素からなる化合物での元素変換に言及し、「1.4 生物核変換 Biotransmutation」も同様の仮説で説明できるのではないかと示しています。

生物核変換については、ヴィソツキー博士らの実験結果で使われた微生物菌株の名前と特徴が列挙されており、これらがどのような共通の特徴を持つのか非常に興味深く感じました。以下、本文から引用します(記法を一部修正しました)。
ここ20年間の生物核変換の実験データは、主に V.I. Vysotskii et al.によっていられています [Vysotskii 1996, 2000, 2009a, 2009b, 2013, 2015]。かれらの実験データの主な結果は、 
(1) 55/25Mn の存在する系での 57/26Fe の生成 [Vysotskii 1996, 2015] と 
(2) 放射性核種 157/55Cs の崩壊定数の短縮 [Vysotskii 2009b, 2015]です。 
読者の便宜のために、彼らの実験結果をまとめた最近の論文 [Vysotskii 2015] を、CFRL サイトの、このニュースの次に掲載しておきます:
http://www.geocities.jp/hjrfq930/News/news.html 
Vysotskii et al. の実験は、数種の微生物菌株 microbial culture を使って行われています。それらはバクテリア(Bacillus subtilis GSY 228, Escherichia coli K-1, Deinococcus radiodurans M-1) とイースト Saccharomyces cerevisiae T-8 です。 これらの菌株は、重水を含んだ媒質中で成長すること、および強力な放射線の存在する系で安定なこと(Deinococcus radiodurans M-1)を考慮して選ばれました[Vysotskii 2009a]。 
これらの菌株は、次のような特徴があります:
S. cerevisiae (Saccharomyces cerevisiae) cells are round to ovoid (egg shaped), 5–10 micrometers (μm) in diameter.
B. subtilis (Bacillus subtilis) cells are typically rod-shaped, and are about 4-10 μm long and 0.25–1.0 μm in diameter, with a cell volume of about 4.6 fL at stationary phase.
D. radiodurans (Deinococcus radiodurans) is a rather large, spherical bacterium, with a diameter of 1.5 to 3.5 µm. Four cells normally stick together, forming a tetrad.
E. coli (Escherichia coli) is- - - - . Cells are typically rod-shaped, and are about 2.0 μm long and 0.25–1.0 μm in diameter, with a cell volume of 0.6–0.7 μm3.
今後、生物による核変換の研究がどのような展開を見せるのか分かりませんが、放射性物質の汚染に対する大きな解になることを期待して応援したいと思います。

以上

2015年1月17日土曜日

CFRL News 89 (2015.1.10)発行~軽水系の常温核融合反応発見者は誰だったのか?

小島英夫博士の常温核融合研究所ニュースの新しい号「CFRL News 89 (2015.1.10)」が発行されました。以下から英語版と日本語版の両方をダウンロードできます。


今回は、「CFP 研究の歴史から(3)― R.T. Bush et al. [Bush 1993,1994] による軽水系での核変換の検出」という記事を興味深く読みました。

記事の中にある以下の記述通り、重水素でも軽水素でも常温核融合反応は確認されてきました。
「常温における核反応が重水系と軽水系の両方で起こっている」と考えないと説明できない現象が常温核融合現象なのだということは、動かしがたい事実であると言ってよいでしょう
この中で、軽水系の常温核融合反応の証拠を最初に得た研究者は誰だったのか・・・という疑問について以下の指摘がされています。
Taubes と Huizenga が彼らの著書で同時に取り上げている、Pons についての逸話は、軽水系の常温核融合現象を最初に経験したのが Fleischmann たちではなかったのか、という疑いを持たせるものです。その逸話は、こういうものです:重水系の実験の参照実験(control experiment)として軽水系の実験を行う必要を指摘されたときに、Pons は「軽水系での参照実験をやったが、そこでも過剰熱が測定されることがあったので、重水系での発熱の基準として軽水系を使うことは適当でない」という意味のことを述べたということです・・・<略>
この逸話は、一般には、“Fleischmann たちの過剰熱測定は信用できない”という風に受け取られていて、常温核融合現象自体の存在がインチキだということの一証左、それも大きな証拠と考えられているようです。しかし、その後の 25年間におよぶ実験研究は、軽水系でも常温核融合現象が起こることを明瞭に示しています。重水系と軽水系とで、異なった原因で常温核融合現象が起こると考えることも可能で、多くの試みがなされているのは事実です。
しかし、両者に共通の、これまでに知られていなかった核物性が存在して、軽水系と重水系における常温核融合現象を共通の原因・機構で説明できるのではないか、という立場での解析をすることも可能です。
本当のことは分かりません。でも、もしかすると、フライシュマン博士とポンズ博士は軽水系での常温核融合反応をも発見していたのかもしれない・・・と考えるのは面白いですね。もしかすると、ずっと最初からヒントは投げかけられていたのかもしれません。

以上

2013年11月23日土曜日

矢野研のYano E plusレポートに常温核融合が取り上げられました

小島英夫博士の常温核融合研究所の発行するCFRL NewsのNo.82 (2013-11-20)が発行されました。日本語版はここ 、英語版はここにあります。この記事の中で、市場調査とマーケティングで有名な矢野経済研究所の発行するレポートのYano E plus 2013年11月号(No.068)(有料)に、常温核融合の動向が取り上げられた事を知りました。

企業向けのレポートで1冊1万円以上するので、公開されている目次しか見ていませんが、小島英夫博士はCFRL News No.82で「 一般読者、特にこの雑誌場合は経済界読者に現状を紹介する適切な記事になっています」と述べておられます。

いわゆる学会主流派が常温核融合研究の進展を全く評価しようとしない中で、経済界向けのレポートに動向が取り上げられるとは実に面白い状況です。経済界に身を置く方々は、そろそろ常温核融合のもたらす大きな変革に目を向けた方が良いと思います。

以下、Yano E plusの目次から引用します。

http://www.yano.co.jp/eplus/yearly.php?year=2013
Yano E plus 2013年11月号(No.068)
環境・エネルギー関連》
●常温核融合技術動向 (45~61ページ)
  ~固体中核変換が起きているという証拠は固まりつつある!メカニズムはまだよく分かっていないが今後の解明が待たれる~
  1.エネルギー問題の深刻化
  【図1.世界のエネルギー供給内訳の予測】
  2.核融合とは
  【図2.核融合反応の模式図】
  【図3.核融合反応炉の模式図】
  【図4.核融合反応を利用した発電システムの模式図】
  3.常温核融合とは
  4.常温核融合が注目されるようになった経緯
  5.常温核融合のメカニズムに関する考察
  5-1.正四面体凝縮理論
  【図5.正四面体凝縮理論の模式図】
  5-2.捕獲中性子触媒モデル
  5-3.ナットーモデル
  6.常温核融合の国内研究機関の取組動向
  6-1.岩手大学
  6-2.大阪大学
  6-3.常温核融合研究所
  6-4.中部電力株式会社 エネルギー応用研究所
  6-5.株式会社テクノバ
  6-6.東京工業大学 原子炉工学研究
  6-7.東北大学 電子光理学研究センター
  6-8.株式会社豊田中央研究所
  6-9.日本電信電話株式会社 物性科学基礎研究所
  6-10.北海道大学工学部 エネルギー・マテリアル融合領域研究センター
  6-11.三菱重工業株式会社
  7.常温核融合の海外研究機関の取組動向
  7-1.カリフォルニア大学ロサンゼルス校(米国):University of California, Los Angeles
  7-2.国防総省国防高等研究計画局(米国)
  7-3.プリンガムヤング大学(米国):Brigham Young University
  【図6.プリンガムヤング大学が行なった常温核融合の実験装置】
  8.常温核融合の将来展望

以上